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閑話、京太郎のメール(和に対してはいつもの口調だと思って下さい) 京太郎「…………」カチカチ 『もうすぐ2度目の大会です。前回はすぐに負けましたが、今度は負けたくないです』 京太郎「送信っと。まぁ、『不安だどうしよう』なんて書く訳にもいかないしなー」ピローン 京太郎「お、早いな……」カチ 煌『それはすばらですね!!私もまだまだなのでお互い頑張りましょう!!』 和『大丈夫です。いつものように打てば必ずいい結果が残せます。須賀くんが上達しているのはみんなが保証しますよ』 照『今の京ちゃんならすぐ負けたりはしない。頑張って。応援してる』 小蒔『私ももうすぐ大会です。大会前はちょっと怖いですけど、全力を尽くします!一緒に頑張りましょう!!』 竜華『京太郎くん頑張っとるんやし、ずっと負けるなんてことないから安心しやー。なんなら膝枕で運でも分けたろか?』 京太郎「……ありがたいな」 京太郎「……あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す、っと」カチカチ 京太郎「よし、いっちょやってやるか」
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 6・ 京太郎「咲……」 咲「京ちゃん……」 手が重なりあう。 暗闇の中では視覚が役に立たない。 それにともなって他の感覚が鋭くなってくる。 衣服の擦れる音が聞こえる。 時計の針が動く音が聞こえる。 心臓の鼓動が聞こえる。 触覚が、敏感になっていく。 京太郎「本当にいいのか、咲……」 咲「うん……」 咲の肩に手を置いて、そして――。 「おっきろーーーーーーーーー!」 ――ようやく目が覚める。 さて、牌の世界へ飛ばされるとかいうファンタジーな展開に、京太郎がたいして動じなかったのには理由があった。 それはすでに京太郎があるファンタジーを飼い慣らしていたからだ。 京太郎「……おはよう、カピ」 カピ「あ、ようやく起きた! ご主人さま、起きた!」 喋るカピバラというファンタジーだ。 京太郎「いい夢だったのに……! 正直、これ夢だなってわかってたけど……! あとちょっとだったのに!」 カピ「なになに? いい夢? 知りたい!」 京太郎「教えない」 カピ「さきちゃんの夢でしょ!」 京太郎「へ? なんのことだ?」 カピ「寝言でさきさき言ってた! ごまかせない!」 京太郎「ひどい」 カピ「フラレたのに健気!」 京太郎「うぅ……」 カピ「ストーカー野郎!」 京太郎「今日のお前ひどくね?」 カピ「それにしてももう高校生だっていうのに女の子の一人も部屋に連れてこないとは……人間の寿命は長いって言うても心配やわ」 京太郎「やめてください」 カピ「いないの? 仲いい女の子?」 京太郎「いや、そんなこと言われてもさあ……。あ」 カピ「どしたの」 京太郎「そういえば今日、和が来るんだよ」 カピ「へ~! その人、仲いいの?」 京太郎「う~ん、向こうはまだ俺のことを信用してない感じはあるんだけど」 カピ「じゃあ、何で来るの」 京太郎「こんなことがあってさ……」 昨日のこと。 見事、ニ人の男子部員を集めた京太郎。あと二人の男子部員と、一人の女子部員を求め、和に相談した。 京太郎「和。お前に憧れてここに来た麻雀の強いやつっていねーの?」 和「いえ……別に私は憧れられるような存在じゃありませんし」 そんなわけない。 京太郎「後輩とかは?」 和「あ……二人いるんですけど……確かにあの子たちは慕ってくれますね。嬉しいです」 京太郎「二人? 中学も強豪校ではないのか」 和「高遠原です」 京太郎「へえ、優希と一緒か。二人は幼馴染だったり?」 和「私は中学2年生のときにこっちに引っ越してきたんです。親友ですけど、幼馴染というわけではないんですよ」 京太郎「引っ越しか。前の中学は麻雀部強かったのか?」 和「そんな有名じゃない……いえ、麻雀部はありませんでした」 京太郎「なんてとこ?」 和「阿知賀女子学院中等部、です。知らないと思いますけど……」 京太郎「……奈良県の?」 和「知ってるんですか!?」 京太郎「小2のころから小4までの間、奈良県の小学校に行ってたんだよ」 和「私は小6からなので……ちょっと時期が違いますね」 京太郎「阿知女かぁ……じゃあ、もしかしてだけど、高鴨穏乃って人、知ってるか?」 和「え!? 知ってます! 須賀君も穏乃の友達だったんですか?」 京太郎「う~ん……どっちかというと、穏乃のおばあちゃん――雪乃さんと仲が良かったんだけどな」 和「えっと、たしかお土産屋でしたっけ?」 京太郎「和菓子屋でもあるけどな。和菓子を買うため、その店によく行ったんだ」 京太郎「最初は親と一緒に、だけどな。……雪乃さん、優しくって。いろいろよくしてくれたよ」 京太郎「学校帰りとかしょっちゅう雪乃さんのところに遊びに行ったっけ……いい思い出だ」 雪乃さんには大切なことをいろいろ教わった。京太郎の人生観の一部は、彼女によって形作られたと言っても過言ではないくらいだ。 京太郎にとっての初恋は咲であることに間違いはないが、雪乃さんにもほんのり淡い恋心を抱いていた。 年齢差は大変なことになるけど、それはまあ……。 和「穏乃とは、そのときに?」 京太郎「ああ。小学校は違ったけどな。雪乃さんを通して紹介された。遊んだのは数回だけど……まあ穏乃はあんな性格だ」 京太郎「人見知りだった俺とも、仲良くしてくれたよ。いいやつというか……すごいやつって印象だった」 和「……そうですね、私もそう思います」 奈良で過ごした三年間、それは幸せな時間だった。 奈良に来る前はあんなに心が苦しかったのに……。 ――苦しかった? あれ? 何で苦しかったんだっけ? 何で俺、引っ越したんだっけ? 和「そのころ穏乃はどんな感じでした?」 京太郎「見るか? アルバムにそのころの写真があるし」 和「お願いします」 京太郎「あ、そうだ。小6の穏乃も見たいな。どんな風に成長したのやら」 和「じゃあ、私もアルバムを持っていきますね」 持っていく? 持ってくるじゃなくて? 和「須賀君の家へ」 カピ「のどかちゃんのこと好きなの?」 京太郎「ん? おもちが大きいから好きだぜ。咲と絡ませたら最高の百合ップルだろうな……」 胸の大きさに差がある百合ップルは最高。京太郎が辿り着いた、一つの真理だった。 カピ「そうじゃなくて、恋愛感情的に」 京太郎「ははは、まだ出会って一ヶ月も経ってないんだぜ? どうやって惚れるんだよ」 カピ「そういえば気になる! どうしてご主人さま、咲ちゃんのこと好きになったの?」 京太郎「え~? うふふふ///」 カピ「なんか気持ち悪い」 京太郎「いろいろ咲のことが気になるイベントはあったんだけど……決定的だったのは修学旅行のときだな」 カピ「お、何だかまともそう」 京太郎「修学旅行の一日目、夕食の時の話だ。その夕食はいくつかのコースから好きなメニューを選べた」 京太郎「まあ若者の集団なわけだからみんな肉料理とかを選んでた。その中で咲は秋刀魚の塩焼きを頼んでたんだ」 京太郎「いや、秋刀魚の塩焼きも、もちろん美味しいよ? でも、それを選ぶ人は少なかったからさ、思わず注目しちゃったんだ」 京太郎「それでな、すごいんだぜ、咲。すっげー綺麗に魚を食うの」 京太郎「骨と身を綺麗に分けて、食べれるところは全部食べて、最後に残るのは綺麗な骨」 京太郎「俺、魚食うの苦手でさ、親に厳しくしつけられたからそこそこ綺麗には食えるんだけど」 京太郎「咲のは今までに見たことがないくらいに綺麗だった。あのときは、もう、マジで惚れたね。結婚したくなった」 カピ「目の付けどころが、シュールです」 京太郎「そうかな、惚れ惚れするぜ?」 カピ「まあ、それはいいんだけど……のどかちゃんが来る前に本棚の百合本は隠してね」 京太郎「……忘れてた」 本棚上部から下部までそびえ立つ百合! 百合! 百合! こんなの見られたらドン引き間違いなし! 京太郎「片付け完了! あとは和が来るまでゆるゆりの最新刊を読んで待ってよう」 カピ「片付け完了してない!」 京太郎「………………」 京太郎「……ふへっ」 京太郎「…………ふぬっ」 京太郎「……ふぅ。ゆるゆりは百合じゃないよなー。ほんのり百合っぽい、友情日常漫画って感じ」 カピ「そうなの?」 京太郎「ひまさくは百合だけど」 カピ「あれ」 京太郎「結京も百合だけど」 カピ「おい」 京太郎「あれ? やっぱり百合漫画じゃね?」 京太郎「っていうか、この世の漫画は全部百合漫画じゃね?」 京太郎母「京太郎ー! お友達が来たわよー!」 京太郎「うおおっ! 思ったより来るの早い! ゆるゆりは……ベッドの中にでも入れとくか」 カピ「ガンバッ!」 京太郎「いらっしゃい、和」 和「お邪魔します、須賀君」 部屋に和を招き入れる。 普段部室でしか会わない人が自分の部屋にいるのは何だか不思議だった。 和「……何だかいろいろと驚きました。須賀君ってお金持ちだったんですね」 京太郎「違う違う、お金持ちなのは俺の親」 京太郎「尊敬はしてるけどな、親のこと」 京太郎「ま、そこに座ってくれ」 小さいテーブルの前に置かれた座布団の一つを指さす。 和が座ったのを確認し、その反対側に京太郎も座る。 和「須賀君、結構本を読むんですね」 本棚を見上げながら和は言った。 ちなみに百合本棚はクローゼットに入れ、普段はクローゼットに入れている麻雀関連の本棚を外に置いてある。 カモフラージュのためだ。 和「麻雀関連の本がいっぱい……これ、一年やそこらで集められる量じゃない気が……」 京太郎「ん? ああ、5,6年分くらいだけど」 和「須賀君って麻雀を始めたの、最近じゃなかったですっけ」 ……そういうことにしてるんだった。 自分の昔話は秘密にしておくようにやっさんに頼んだのだ。 本当は強いんだぜー! とか恥ずかしいし。 つーか今の俺じゃ、誰にも勝てないから、バレるわけないんだけどな! 京太郎「えーと、打ち始めたのは最近だけど、本とか見て研究は昔からしてたんだ」 京太郎「さ、そんなことより、アルバム見ようぜ」 カピ「キュー!」 京太郎「ん? お前も見たいか?」 カピ「うっす!」 和「いま喋りませんでした!?」 京太郎「珍しいな、和がそんな変なことを言うなんて」 カピ「キュー」 和「き、気のせいですか」 京太郎「そうそう。カピバラが喋るとか非科学的。せーの、はいっ……『そんなオカルト』?」 和「それ、持ちネタじゃないです!」 1ページ目。 手をつないでる写真。 和「仲良かったんですね」 京太郎「懐かしいなあ……」 家族同士で写っている写真。 和「家族ぐるみの付き合いだったんですね」 京太郎「むしろそっちが中心だったかな。よくいろんなところに行ったなぁ」 京太郎「山とか、キャンプ場とか、山とか、なっらーけんこーらーんどとか、山とか」 山での写真が何枚か出てくる。 和「このときから穏乃、山が好きだったんですね……」 京太郎「へえ、その言い方だと今も好きなのか? うん、確かにあいつ、山には並々ならぬ執念があったし」 京太郎「一回だけ、だけどな。俺と穏乃の二人で山に登ったんだよ。近くの小さな山」 京太郎「まだあのときは幼かったし、遭難――ってほどじゃないけど迷子になって――」 心細くて、不安で、怖くて、泣きそうだった。 でも穏乃は違った。 楽しそうだったんだ。 京太郎「怖くないの?」 あのとき、俺は聞いた。 その質問に、うん、と答えるだろうと期待して。 穏乃「そんなことないよ。山は怖いものなんだよ」 穏乃「天気だって、動物だって、地形だって、山は人間に牙をむくことがあるんだ」 穏乃「それでも、そういうことをちゃんと理解したとき」 穏乃「山は私たちにいろんなものを与えてくれるんだ」 穏乃「私は、楽しさをもらった」 穏乃「山は怖いけど、楽しいんだ!」 そのときの穏乃の顔を見ているうちに、心が落ち着いたんだ。 落ち着いた心で周りを見回したら、帰り道が何となく見えたよ。 ……あ、この話にオチはないんだけど、印象に残ってる、大切な思い出だ。 和「私も、穏乃と登ったことがあります」 京太郎「お、そうなのか」 和「1つだけ穏乃に言いたいことは、山登りに適した格好をすべきということです」 京太郎「その辺はなあなあで済ませよう」 和「いいんでしょうか……山登りが好きなある人が」 和「『こんな格好で山登んな!小さい山だろうが慣れた山だろうが関係ねえ! 山なめんな!』って激怒してましたけど」 京太郎「どんなものでもマニアというのは面倒くさいものだからな」 百合男子もそうだけど。 京太郎「さてと、次のページ……」 一緒にお風呂に入ってる写真。 京太郎「……は、また今度にして、和の持ってきたアルバムを見せてくれ!」 和「何ですか、今の写真」 京太郎「恥ずかしかったのでナシ」 和「お風呂ですか」 京太郎「まだお互い幼かったからな――実に微笑ましいよな!」 和「はぁ……まあ、普通ならそうなんでしょうけど……穏乃の場合はそうはいかないような」 京太郎「へ? なんで」 和「穏乃が小6のときの写真です」 京太郎「変わってない」 和「こっちが中1のときの写真です」 京太郎「難易度の高い間違い探しか」 和「最後、引っ越すときに撮った写真です」 京太郎「女の子らしくなった……ということはなかった」 和「つまりその写真は幼かったころの微笑ましい1ページというわけにはいかないんです。今現在の写真と言っても過言じゃないんです」 京太郎「いや、その理屈はおかしい」 本当におかしい。 和「というわけでこの写真はお預かりするということで」 京太郎「いやいや、なんでそうなる……ハッ」 もしかしてもしかすると。 百合名場面図鑑収録「あの子の写真を持ってるのは私だけじゃないとイヤ」なのか!? そういえば和のカバン。誰かから貰ったんじゃないかと妄想したが、あれは現実!? あのカバン、穏乃のイメージとマッチングしてるし! 間違いない! 穏和は現実だったんだ! 百合はファンタジーじゃなかったんだ! 百合は現実だったんだ! 京太郎(いや、落ち着け俺、素数を数えるんだ。2,3,5、7、11、13……あ、間違えて奇数を数えるの忘れてた) 和「どうしたんですか?」 京太郎「なんでもない、とにかくその写真を元の場所へ」 手を伸ばす。少し届かなかったので体を乗り出した。 和「そんなに必死に取り戻そうとするとは……やはり」 京太郎「ないない、ありえな、うわっ!」 バランスを崩す。 和を押し倒す。 ベッドにダイブ。 京太郎「………………」 和「………………」 今朝見た、夢のことを思い出した。 目の前の少女が咲だったらな、と思った。 京太郎「和……」 和「す、須賀君」 カピ「キーッス!」ヘイッ! カピ「キーッス!」ソレ! 和「あれ、なにか言いました?」 京太郎「……ちょっと待っててくれ」 和「なにをするんですか?」 京太郎「カピを可愛がってくる」 和「それ今する必要あるんでしょうか……」 京太郎「クッ……まさかこのことを教えなければならないとは」 和「な、なんですか」 京太郎「誰にも言うなよ?」 和「は、はい」 京太郎「俺と和、二人だけの秘密だからな?」 和「わかりました」 京太郎「実は俺……一時間に一度はカピをモフモフしないと手が震えたりするんだ」 和「モフモフ中毒ってやつですか? 大変ですね。もしモフモフしなかったら、いったい……」 京太郎「俺自身がカピバラになる」 和「予想通りです」 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 カピ「堪忍してくれー!」 バタンッ! ―――――――――――― 京太郎「と、いうわけで、さあ! こっちの部屋でモフモフだ! カピ!」 須賀君はニコニコとした表情でカピさんを抱きかかえた。 カピ「堪忍してくれー!」 気のせいだろうか。喋った気がするのだが。 いや、そんなオカルト――いや、やめよう。持ちネタ扱いされる。 バタンッ! 扉が閉まる。 和「そういえば、さっき……」 ベッドに倒れたとき、背中にゴツっとしたものが当たった気がする。 和「何でしょう、四角い感触でしたけど……」 布団の中に手を入れると、中から本が出てきた。 和「漫画……でしょうか?」 タイトルは「ゆるゆり」。聞いたことはない。 しかし、その本が放つ魔力に、和は冒されていた。 読んでみたいという、恐ろしい魔力に。 和「……須賀君が来るまでの間、読んでみましょうか」 カピをモフり終えた京太郎は、自分の部屋に戻ってきた。(※モフる=人前で喋らないように指導すること) 京太郎「わるい、和。遅くなった」 和「い、いえ。だ、大丈夫です」 ……何故だろう。 心なしか和の顔が赤い気がする。 そしてそれ以上に。 和から百合のにおいがする気がする。 和「ま……まさかあんな世界があっただなんて」 京太郎「和?」 和「は、はい!」 京太郎「もしかして、体調が悪いのか?」 和「い、いえ! そういうわけでは」 京太郎「ならいいんだけど」 和「そ、そうです、須賀君! カピさんは?」 京太郎「今は眠ってる」 和「そうなんですか」 京太郎「物理的に」 和「どういうことですか!?」 京太郎「俺のモフりテクが気持ちよかったんじゃないか?」 和「妙な造語を創らないでください」 京太郎「さて、それじゃ本格的に和が持ってきた写真を見ますか!」 和の写真。和と穏乃と知らない女の子ふたりの写真。 和「この子――憧というんですけど、誰かに似てると思いません?」 京太郎「えー? うーん……俺の知ってる人?」 和「もちろん」 京太郎「むむむむ……」 普段は女の子を百合妄想のために使っているので、あんまり顔を覚えていないのだ。 大事なのは関係性だし。 顔の良し悪しなんておまけなのだ。 でも、今回は違った。 答えの少女が唯一、京太郎が百合妄想を出来なかった人物だからだ。 京太郎「ゆうき……そうか、優希か!」 ちゃんと顔を覚えている三人のうちの一人だった。 和「そうです。あれ……思ったより時間がかかりましたね……即答すると思ってたんですが」 京太郎「はは……いや、こういうの苦手でさ」 そのとき京太郎の脳裏にあるひらめきが宿った。 まだ京太郎は疑問に思っていたのだ。 なぜ優希で百合妄想をすることが出来ないのかと。 もしその原因が容姿なら。 優希と似た憧という少女でも百合妄想は出来ないかもしれない。 そうなると疑問が解消される。 京太郎「……行こう」 和「行くって、どこへ……」 京太郎「奈良」 和「え」 京太郎「吉野へ行こう!」 和「今からですか!? 五時間はかかりますよ!?」 京太郎「時山さん」 時山「はい、ここに」 京太郎「ヘリ、出してもらえますか」 時山「かしこまりました」 和「え? え? え? 執事さん?」 時山「ちなみに私、萩原さんの旧友です」 和「なんかこの人、めちゃくちゃ下手な伏線を張りましたよ」 京太郎「そういうのは伏線とは言わない」 6・終
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「花火やるべー!」 穏乃「花火やるべー!」 優希「花火やるじぇー!」 淡「花火やるべー!」 ワーワー キャーキャー まこ「さっきの今で元気な奴じゃな」 久「まぁ、寝込むよりは良いんじゃないかしら?」 京太郎「先生、花火持ってくるなんてやりますね!」 晴絵「でしょう? もっと褒めていいわよ」 灼「煩わし……」 和「少々古めかしい花火ですね。パッケージの厚紙がだいぶくたびれてますけど」 晴絵「ああ、それ貰い物だから。1年寝かせたビンテージものなんだって」 穏乃「んー! んー!」グイグイ 玄「どうしたの? 穏乃ちゃん?」 穏乃「これ、口のビニールが固まってて開かない……」 憧「これ絶対1年じゃないでしょ!?」 シュゴォォォ 淡「あはは、見て見てキョータロー! すごいキレー」 京太郎「わかったからこっちに向けるんじゃねぇ!」 尭深「終わった花火はこっちにもらうね」 京太郎「あ、すみません渋谷先輩」 尭深「……」コクッ ジュッ シュー ワー ワー 尭深「……」 ジュッ シュー 憧「渋谷さん。これも」 尭深「あ、はい」コクッ ジュッ シュー 尭深「……」 誠子「尭深。それ、楽しい?」 尭深「割と」ニコ 玄「花火とは火薬に金属の粉末を混ぜ込んだもので、火を付けたときの燃焼、破裂時の音や火花の色を鑑賞して楽しむものです」 玄「それぞれ色が異なるのは混ぜ合わせた金属の種類による炎色反応を利用しているからですのだ」 和「詳しいですね。玄さん」 パシュ ジュゥ ゴー ボボボボボ 宥「あったか~い」 玄「ただし、うちのおねーちゃんのばやい、色や音や形ではなく火の勢いや発熱量のが重視されます」 京太郎「え? ちょ、え……そういう価値基準なの?」 憧「宥姉も普通に噴射花火で暖をとろうとしないで」 まこ「これは……」 咲「ロケット花火ですね」 まこ「ふ~ん……」 久「どうしたの? 不思議そうな顔して」 まこ「いや、わし。今までこれやったことないなと思ってな」 優希「お! じゃあやってみるか?」 咲「けどロケット花火やったことないって珍しいですね」 まこ「咲はあるんか?」 咲「私じゃないですけど、京ちゃんが」 久「須賀君?」 咲「はい。中学の頃に、クラスの男の子たちと鉄パイプの先端に挿して撃ち合いしてるのを他のクラスの子たちと見てまして」 まこ「どこまでバカなんじゃあやつは」 照「どうして染谷さんはロケット花火をやったことがないの?」 まこ「ん? いや、実はうちのおじいがなんかやったら街中大騒ぎになるとか言っとっての」 まこ「なぜかは知らんのじゃが」 菫「久。確か染谷さんのお爺様は……」ヒソヒソ 久「ええ、そういえば広島の……」ヒソヒソ 優希「仁義なき戦いだじぇ……」 咲「まぁ近くに民家もあまりないですし。一本くらいなら」 まこ「すまんの」 優希「手頃なものがないから空き缶でいいか?」 咲「うん」 シュッ ジジジ まこ「ん? なんでみんな耳を塞いどるんじゃ?」 パシュッ ヒュー パン! まこ「なっ、ええ!?」 まこ「げ、迎撃されたんか!?」 菫「いや、ああいうものなんだよ」 久「はっ!? みんな、まこの貴重なボケよ。全力で拾いなさい!」 咲「え? え!?」 照「私達はどうすれば……」 菫「とりあえず見てるか」 ザッ 京太郎「呼びましたか!?」 ザザッ 穏乃「なんかわからないけどセンターは任せてください!」 ザザザッ 淡「守りにもそこそこ自信があるよ!」 まこ「いや、お前さんらのボケのが切れっ切れじゃぞ? 普段通り」 穏乃「みんなで護ってみんながセンター!」 京太郎「いや、みんなセンターだと偏りが酷いだろ」 穏乃「じゃあどうするの?」 京太郎「穏乃は反射神経と瞬発力があるからショートとかいいんじゃないか?」 穏乃「おーショート。じゃあじゃあ玄さんは?」 京太郎「玄さんか……」ウーム 玄「……」ドキドキ 京太郎「シューティングガードとか?」 玄「シューティングガード?」 穏乃「おーシューティングガード」 まこ「なんの会話をしとるんじゃ」 久「まぁいつものことよね」 穏乃「最後はみんなで線香花火しよう!」 淡「なら100本勝負だ! 高鴨穏乃!」 穏乃「おお! 望むところですよ!」 憧「いや、そんなに量ないから……」 ワーワー ギャーギャー <アー! センタンモギトッテイクナー!? <コレガ、センコウハナビズモウ…! 咲「京ちゃん。一緒にやろう」 京太郎「おう。いいぜ」 パチパチパチ 咲「綺麗だね」 京太郎「そうだな」 咲「今年は……一緒に花火出来てよかったね」 京太郎「お前、まだ去年のこと根に持ってんのか?」 咲「そうじゃないけど……あ」 ポト 京太郎「落ちちまったな」 咲「うん……」 咲「私、線香花火ってなんだか苦手」 京太郎「へぇ、そうなのか? 初めて聞いたな」 咲「うん。なんだか寂しい気持ちになるから」 京太郎「………………まぁな」 京太郎「歓楽極まりて哀情多し……いや、夏草や兵どもが夢の跡って感じか?」 咲「松尾芭蕉? 京ちゃんのくせに生意気ー」 京太郎「うっせやい」 京太郎「まぁ、あれだ。来年ももまた、こうやってみんなで騒げたらいいよな」ポンポン 咲「うん。えへへ……そうだね」 咲「ねぇ、京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「約束だよ?」 京太郎「ははっ。ああ、約束だ」 <サキー、キョータロー 京太郎「行こうぜ」 咲「うん」 ワーワー、キャーキャー <アーオチチャッター <ワタシモー 灼「……」パチパチパチ 優希「おお! ボウリングのお姉さんすごいじぇ!」 玄「ホントだー灼ちゃんすごいねー」 灼「そ、そんなことないと思……」テレテレ スタスタ 京太郎「おお、ホントだ! すげぇ」 灼「///」テレ パチパチパチパチ… 京太郎「あの、そろそろ手ぇ放した方が……」 灼「あ、うん。そうだね」 優希「手に持つ部分まで昇ってきてるの初めて見たじぇ」 京太郎「規格外過ぎる」 玄「私たちももう一本やろっか」 優希「望むところだじぇ!」 京太郎「あ、ありがとうございます」 玄「はい、咲ちゃんも」 咲「ありがとうございます」 優希「じゃあ、私たちも誰が一番長くもつか勝負だじぇ」 京太郎「お、いいぜ。ジュースでも賭けるか?」 咲「もう、またそういうの」 玄「あはは」 灼「じゃあ私も」 優京咲玄「「「「いえ、あなたは不動のチャンピオンですので!」」」」 灼「」 ダダダダッ 穏乃「勝負なら私も混ぜて!」 淡「横綱、横綱!」 京太郎「うおっ!? なんだその火の塊!?」 穏乃「8連勝中!」 京太郎「危ねぇ!! こっちに持って来るんじゃねぇ!」 晴絵「おーし、そろそろ帰るぞー! ゴミ片付けろー」 全員「はーい!!」 ガヤガヤ、ゾロゾロ 咲「今度こそ本当に終わりだね」 京太郎「ああ……」 咲「さっきの約束。忘れちゃだめだからね?」 京太郎「忘れねぇよ」 咲「絶対?」 京太郎「ああ、絶対だ」 照「……」ボケー ガチャ 憧「あ……」 照「新子さん……」 憧「えっと、おはようございます。チャンピオン」 照「……おはよう」 照「その、チャンピオンっていうの……」 憧「はい?」 照「私はチャンピオンって名前じゃないし、もうチャンピオンでもない」 憧「あ、ご、ごめんなさい……」 憧「えと、じゃあ宮永さん?」 照「……」ウーン 照「新子さんは、ご兄弟は?」 憧「え~、姉が1人」 照「そう……」 憧(とっつき辛い!) 照「お姉さんのことはなんて?」 憧「普通にお姉ちゃんですけど」 照「そう……」 照「じゃあ私のこともお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」 憧「え?」 照「さぁ」 憧「ええ~っと…………お姉ちゃん?」 照「なぁに? 憧ちゃん」テルーン 後日 照「……」ボケー ガチャ 京太郎「あ、おはようございます。照さん」 照「京ちゃん。おはよう」 京太郎「今から朝飯の準備しますけど、なにかリクエストありますか?」 照「卵焼き。甘いの」 京太郎「はいはい」クス ガチャ 憧「おはよー」 京太郎「おう憧か。おはよう」 憧「おはよ、早いじゃない」クス 京太郎「お前もな」ニカ 憧「あ、照姉もおっはー」 照「おはよう。憧ちゃん」 京太郎「え? なに君ら、いつからそんな仲良くなったの?」 憧「ん、ないしょー」ネー 照「……」コクコク ジャー カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「……ンジャンジャンジャーン、ジャンジャジャンジャジャンジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャンジャジャーンジャジャジャジャンンンジャジャジャジャーン!」 カチャカチャ バシャバシャ 京太郎「ジャジャジャッジャジャンジャントゥルータタタタタターン!」 京太郎「トゥルトゥチャチャチャ、ジャンジャンジャ、タタカ! タカダ!」 京太郎「ランランルー! ルンルランラランラルー! ランラランララトゥルラララー!」 ガチャ 灼「京太郎。残りの食器も持ってきた」 京太郎「」 灼「京太郎?」 京太郎「は! あ、はい。そこ置いておいてください」 灼「ん」 カチャ 灼「なにか手伝うことは?」 京太郎「いえ、もう後これだけなんで大丈夫ですよ」 灼「そう?」 京太郎「はい。お茶でも淹れるんで食堂で座って待っててください」 灼「わかった」コク ガチャ、バタン 京太郎「あー、心臓止まるかと思った」 ガチャ 灼「やっぱり、情熱大陸は今時ないと思……」 京太郎「い、言わなくていいですよ!///」 灼「あと、所々音外れて」 京太郎「だかた言わなくていいですってば!」 食堂 京太郎「ニコ兄のパニッシャーやチャペルの銃はそこそこ有名なのになんでファンゴラムのセンターヘッドって認知度低いんですかね?」 誠子「それはたぶんゲーム自体の知名度が低いからだよ」 京太郎「けどガングレイヴはアニメ化もしてそこそこ知名度あると思うんですよ」 誠子「アニメはともかくゲームは良くも悪くも中堅って感じだからなぁ」 ワイノワイノ ナンチャラカンチャラ 久「須賀君ってさ……」 京太郎「はい?」 久「意外とモテるわよね?」 シーン… 京太郎「…………はぁ?」 咲「ぶ、ぶぶぶ部長!? なに言ってるんですか?」 優希「そうだじぇ! そんなこと言ったらまたこの犬が調子に乗り出すじぇ!!」 黙殺! 京太郎「はぁ……」 久「なにそのため息」 京太郎「部長。なにを、なにをゆっとるんですか貴女は?」 京太郎「モテる? 俺が? じゃあ俺のこの、彼女居ない歴=年齢っていうこの、この事実はどう扱われていくんですかね?」 京太郎「厳然たる事実がそこには横たわっていますよ?」 久「あ、変なスイッチ入った。やめればよかったわこの話題」 久「また須賀君が変な絡み方をしてくるわね」 京太郎「っていうかなに? まったそういう話?」 京太郎「最近色恋沙汰の話が多くてイライラするんですけど」 久「けどあなた、普段の部活にしてもそうだけど今のこの状況」 久「女子複数に対して男一人というこの状況でなにか思うところはないの?」 京太郎「……」ウーン 京太郎「なるほど」 京太郎「まぁそんな俺ですが。実は中学の時にラブレターを渡されたことがあります」 シーン…… 優希「どどどどどどういうことだじぇ!?」 咲「聞いてない!? 京ちゃん、それ私聞いてないよ!!」 玄「おもちは!? おもちはどうっだったんでうのだ!?」 淡「ま、まさかそれで付き合ったりとか……」アワワワワ 照「京ちゃん、その娘なんて名前なの? その、あれ、あの頭パーンってさせてくるから」ギュルルルル 京太郎「え、なに君ら? いきなりどうしちゃったの?」 京太郎「ちなみに玄さん。おもちは可もなく不可もなくって感じでした」 玄「ほっっほぉ~~う」 京太郎「思い返せば、あれは中学2年の夏頃……」 女性陣「……」 京太郎「え、なにこの俺が話を語って聞かせるタイムみたいな空気?」 京太郎「皆さんこんな与太話に付き合わずにもっと各々好きにしてくれていいんですよ」 憧「いいから早く続き。話なさいよ」 京太郎「お、おう……」 京太郎「季節は移り、長袖から半袖に衣替え済ませ、初夏の陽射しが降り注ぐ頃」 京太郎「俺は学び舎の屋上に呼び出された」 京太郎「待っていたのは別のクラスの女の子。肩口までの黒髪に、タレ目がちの柔和な笑顔を湛えた優しそうな娘だった」 京太郎「夏場にも白さを失わない頬を微かに朱に染め、差し出される恋文の封書」 京太郎「秘めた想いを文章に託し、勇気を振り絞ってこう言った」 京太郎「『これ、同じクラスの中村君に渡してほしいの』」 女性陣「あ~、あるある」 京太郎「だあああああああああああ!!」ボルッテクバチコーン!! 淡「な~んだ。そんなことかー」ニコニコ 優希「まぁ京太郎なんてそんなもんだじぇ」ウンウン 宥「あったかいね」 菫「まぁ、その、なんだ。ドンマイ」 咲「ほっ……」 京太郎「冷静に考えると女の子が嫌がらせ以外の理由で、言い寄ってくる魅力が俺にあるとは思えないしなぁ」 まこ「恐ろしく後ろ向きな自己認識じゃな……」 憧「あながち間違ってないけど」 京太郎「だいたいなぁっ!!」 京太郎「クソッ、どいつもこいつも猫も杓子も愛だの恋だの!」 京太郎「そんなもんよりねぇ世の中もっと大事な事ややるべき事はたくさんあるんですよ」 灼「たとえば?」 京太郎「ちくしょう、代替案など……」ガクッ 久「まぁそう落ち込まないの」 京太郎「部長?」 久「須賀君だって惑星の直列とか、気象の変化とか、地磁気の影響で人の好かれたりもするわよ」 久「男には人生で3回モテ期があるらしいものね。人に好かれることが重なり、時には周囲からまとめて嫌われることもあるわよ」ウンウン 京太郎「なるほど。…………なんかその、俺のモテるモテないの話と天変地異を同列に扱うのやめてもらえません?」 久「言葉の綾よ」 京太郎「言葉の綾ねぇ。ところでなんで人生で3回なんですかね?」 久「え? さぁ? でも3回っていうじゃない?」 京太郎「世界には3人自分とのそっくりさんがいるって言いますよね」 久「中学、高校は3年制だし」 京太郎「そういえば、千里山の船久保先輩がインターハイになると3年生が強くなるとか言う」 京太郎「わけのわからない意味不明な仮説を立ててました」 久「将棋なら後一回昇段したらプロ入りよね」 京久「「3って不思議な数字(です)ね」」 まこ「お前さんらのその会話の拡張性みたいなのが一番不思議じゃ」 京太郎「っていうか、」 京太郎「部長が俺を誘いさえしなければ、俺は他に適当な運動部にでも入って」 京太郎「可愛い彼女でも作ってひと夏の思い出を謳歌していただろうに」 京太郎「なにが悲しくてこんなところで皿なんか洗ってんでしょうね」 久「いやあなた、後半の妄言は置いておくとして、私が部に誘った時点で他の部の誘い全部断ってたじゃない」 京太郎「そでしたっけ?」 穏乃「ねーねー京太郎」 京太郎「あん?」 穏乃「京太郎は、なんで麻雀部に入ったの?」 京太郎「え?」 淡「キョータローのことだからどうせ、ノドカのおっぱいに釣られたんでしょ」プププ 和「いえ、須賀君が入部したのは私が入部するより前ですよ?」 女性陣「え?」 ざわ…… ざわ…… 照「あの、おっぱい県民の京ちゃんが?」 尭深「私や弘世先輩や松実さんたちの胸をチラチラ盗み見している須賀君が?」 玄「京太郎くん! おもちに興味が無くなってしまったのですか!?」 玄「死ぬまでに一度は和ちゃんのおもちを触ってみたいって言ってたではないですか!」 京太郎「なんで今ここでそれを言うんですか!?」 和「須賀君……」ササッ 京太郎「違、あの違うんです。言い訳をさせてください」 照「京ちゃん……」ギュルルル 京太郎「ピーンチ。殺さないで、俺まだやりたいことある」 淡「ノドカのおっぱい触るまで死ねないってこと?」 京太郎「俺の人生をそこに集約するんじゃねぇ!!」 咲「……」 京太郎「さ、咲~? 咲さ~ん? 無言はやめてー」 ざわ…… ざわ…… 京太郎「ちょっと君ら黙ってくれる? 俺にもしゃべらてくれ。慎んで拝聴しろ」 久「私、自身疑問だったんだけど。ねぇなんであの時、誘いに応じたの?」 京太郎「それは……」 久「それは?」 京太郎「麻雀って人気のある競技じゃないですか?」 京太郎「もしこれで活躍とかしちゃったらさぁ、いやモテちゃうでしょ? 常識的に考えて」 京太郎「だから、俺の隠された才能が覚醒して大活躍とかしちゃう少年漫画的展開を期待してたんですよ」 女性陣「……」シラ~ 京太郎「うっわ、みんななにその微妙な顔」 久「それ本当?」 京太郎「あ、すんません。嘘つきました」 京太郎「本当はただ麻雀経験者なら進路選択の時に有利かなって」 京太郎「一昔前なら政治家に剣道経験者が多かったし今なら麻雀かなって、あ、いやすんません。これも嘘です」 誠子「このタイミングで嘘をつく意味がわからない」 京太郎「ホントは部長が」 久「私?」 京太郎「部長が、俺を誘ってきた時なんて言ったか覚えてますか?」 久「? いえ、ぜんぜん」 京太郎「『部員一人の部だけど、全国大会目指してるから一緒にどう?』ですよ?」 京太郎「もうね。アホかと。あんた3年だろさっさと帰って勉強しろと。そう思ったんですよ」 久「あっそう。いい度胸ね」ボキボキボキボキ 京太郎「ちょ、最後まで聞いてくださいよ!」 京太郎「けど、部長の目が」 久「目?」 京太郎「部長の目が、すげー真っ直ぐで本気でやる気なんだってそう感じた」 京太郎「だから見てみたくなったんですよ」 京太郎「この人が何処までやれるのか。その結果を」 久「須賀君……」 京太郎「逆に部長はなんで俺を誘ったんですか?」 京太郎「団体戦に出るなら、どうしたって俺は戦力にはなれません」 京太郎「どうして俺だったんですか?」 久「ん~、しいて言うなら一目惚れってとこかしら」 京太郎「は?」 久「今ちょっと期待した?」 京太郎「チッ、うぜぇ~」 久「まぁ半分冗談で半分本当かしら。須賀君を見た瞬間感じたのよ」 久「この子をは使える! ってね」 京太郎「おい」 久「あの時の須賀君。すごくつまらなそうな顔してた」 京太郎「え?」 久「だからね、見せてあげたくなったの。この世界はまだまだ面白いことで溢れてるんだってね」 久「まっ、背は高いし、顔は割と整ってるし、真面目そうだし世話を焼いてあげたくなったのよ」 京太郎「部長……」 久「実は私、変っ……て言うものが好きなの」キリッ 京太郎「ちょっと待って。今し方俺を褒めちぎっておいてのその発言はなに?」 【中途あらすじ】 淡「あーわーいーだーYOッ!」 淡「ジャンジャジャ~ン! 今明かされる衝撃の真実ー」 淡「なんと私こと淡ちゃんと、キョータローは小さい頃に生き別れた双子の姉弟なのでしたー!」 玄「ええっ!? そうだったの?」 咲「なんだか、すごい込み入った話。そんな事が……」 京太郎「あれ、ねぇちょっと幼馴染だと思ってたの俺だけ!? 小学校から一緒でしょ」 和「そんな過去があったなんて……」 照「ぜんぜん知らなかった」 京太郎「信じちゃってるよ!?」 京太郎「大丈夫かこの人たち。将来、壷とか買わされたりしないだろうな」 京太郎「今思い出すとねぇ。俺、前回の合宿のとき一人だけ置いてけぼり食らってずっと家にいたんですけど」 京太郎「あの、期間誰とも会話しなかったからな」 京太郎「両親は、新婚かよってテンションで旅行に出かけるし」 京太郎「クラスの奴には合宿に行くって言ってたから当然連絡なんて来ないし」 京太郎「俺のこの漲るやる気をどうしてくれるんだって感じで」 京太郎「ペットのカピーやネトマのPCに向かって一人でブツブツなんかしゃべってて」 京太郎「ちょっとあれは、今思い出しても自分でもドン引きするくらい気持ち悪かったな。うん」 シーン… 照「京ちゃん、お菓子食べる?」 優希「タコス! タコスを分けてやるじぇ!」 尭深「お茶、飲む?」 宥「え~っと、え~っと……手、握ってあげるね?」ポヤーン 京太郎「あれ? みんなが急に優しい」 久「やめて! 私を、私を悪者にするのはやめて!」 まこ「弁解したいが、こればっかりは出来ん」 和「思えば、雑用から何から任せっぱなしで」 咲「うう、ごめんね。京ちゃん」 灼「部の事はみんなで分担した方がいいと思……」 憧「まぁ、任せっきりはよくないわね」 京太郎「まぁまぁ、そう言わないであげてください。良いんですよ俺はそれくらいしか役に立てませんし」 京太郎「迷子の捜索に、タコス作りに、ぬいぐるみの縫合。寝起きのムーミンにコーヒー淹れたり、喫茶店手伝ったり」 京太郎「デスクトップPCとか自動雀卓担いで移動したり」 京太郎「清澄の雑用は皆さんこれ、特殊な訓練を受けてないと出来ませんのでね。オススメはしません」 京太郎「用法用量は計画的に」 菫「なにを言ってるんだ君は」 久「あの、これ前から言いたかったんだけど私、そんなに言うほど須賀君に雑用押し付けてないわよね?」 久「そりゃ、もちろんないとは言わないけど。けどそんな酷い扱いもしてないわよね?」 久「まぁ平行世界じゃどうだか知らないけど」 京太郎「またそういう……そういうねぇメタな発言してるとまた世論からパッシングを受けますよ」 京太郎「まぁ、でも? この世界にではいい先輩ですよ?」 京太郎「いい上司、竹井先輩。経理部長」 まこ「役職変わっとるぞ」 京太郎「むしろ、逆に部内の雑用全部先取りして『それもう終わってますけどぉ?』みたいな、ドヤ顔をしてやろうかなって」 菫「従順なのか反抗的なのかよくわからない奴だな……」 久「ちょいちょいあるわよね須賀君、突如として私に反旗を翻してくるときが」 京太郎「部長忘れたんですか? 俺が部に入ってすぐのときの第一回清澄麻雀部大議会を」 咲「なに、清澄大議会って?」 京太郎「おう。部長のその日の気分が俺の自由意志のすべてを超越するという独裁性議会だ」 京太郎「あの日の約定により俺は雑用大臣に任命された」 京太郎「ちなみに世襲制な」 久『じゃあ、私は麻雀担当。須賀君はその他の担当』 久『私は和了るのが担当。須賀君は点棒を差し出すのが担当』 久『私は勝利担当。須賀君は画面の端で失神して泡吹きながら解説する担当ね』 ――――――― ――――― ――― 京太郎「なにもかも皆懐かしい」 女性陣「……」ジー 久「視線が痛い!?」 まこ「お前さんらは最初の頃からそんなアホな事やっとたんか」 和「そういえば、染谷先輩はその頃は部にはいなかったんでしたっけ?」 まこ「ん? ああ、そうじゃな。あん頃は部員もおらんから、なんとなくわしも流れで部活離れしとってな」 まこ「自分のうちで客相手に打っとる事のが多かったな」 淡「ねーねー! マコのうちって喫茶店なんだよね?」 まこ「ん? おお、麻雀喫茶じゃな」 淡「へー、なんか楽しそう。行ってみたい!」 穏乃「あ、私も私も!」 照「お菓子ある?」 まこ「お菓子なぁ~」チラッ 京太郎「……」ダラダラ まこ「まぁ、運が良けりゃ出会える裏メニューってとこじゃな」ニヤ 優希「染谷先輩はどんな経緯で部に復帰したんだじぇ?」 まこ「どんな、か。そうじゃな……」 ――――――― ――――― ――― カランカラン まこ「いらっしゃ、」 バーン 久「まこ!」 まこ「ん、おお。久か。珍しいの」 久「ええ、久し振りね。ってそんなことはいいのよ」 久「まこ。今日はあなたを連れ戻しにきたわ!」 まこ「ほう。っということは新入部員でも入ったんか?」 久「紹介するわ。須賀君」 カランカラン 京太郎「どうもはじめまして。突如として現れたサテライトの流れ星。須賀京太郎です」 まこ「男子か。まぁええじゃろ。わしは染谷まこ、2年じゃ」 久「早速だけどまこ。一人とは言え部員も入った事だし、本格的に部活を再開するわ」 まこ「ほうか。ほんなら明日からにで、」 久「いやわかってるの! まこにもお店の手伝いがあるというのは」 まこ「は? いや、人の話を」 久「そこでこういうのはどう? 私たちと麻雀を打って私たちが勝ったらまこは部に戻る」 まこ(相変わらず人の話を聞かん奴じゃな) まこ「わしが勝ったら?」 久「須賀君を一週間、無料で貸し出すわ」 京太郎「え」 まこ「乗った」 京太郎「ちょ」 久「ただ働いてもらうだけじゃつまらないからメイド服でも着てもらいましょうかしら」 京太郎「何故レートを上げるのか」 まこ「ちなみにお前さん麻雀の腕の程は?」 京太郎「将棋で言ったら羽生名人クラスで、」 久「最近ようやく全体の流れを覚えたくらいよ」 京太郎「あ、はい……そうです。はい……」 まこ「ほうか。まぁええが、3麻でもいいんか?」 京太郎「3麻って?」 久「書いて字の如く3人でする麻雀よ」 京太郎「へぇ」 久「まぁ今回は気にしなくていいわ。私ががんばるから須賀君は気楽に楽しんでくれればいいから」 まこ「それじゃ、はじめるとするか」 京太郎「え、っと。これ、かな……」ビクビク、トン… 久「あ、須賀君それまたロン」 京太郎「」 京太郎「はっ!? だからなんで部長が俺から和了るんですか!?」 久「いやー、須賀君ってば面白いくらい振り込んでくれるから和了り甲斐があるわー」 まこ(アホかこいつら) 久「まぁまぁ、そう熱くならないで。気楽にね気楽に」 京太郎「部長、残念ですけど遊びの時間はとっくに終わっています」 京太郎「ここはすでに地獄の賭博場。交わされるのは言葉の銃弾。振るわれるのは悪意の刃」 京太郎「掛け替えのない己の魂の尊厳を賭け金(ベッド)にして紅(ルージュ)か玄(ノワール)か!」 久「なにこのやる気」 まこ「お前さんが焚きつけたんじゃろが」 まこ:なんやかんやあって1位 久:終盤に京太郎のビギナーズラック的役満親っかぶりで2位転落 京太郎:安定のラス 京久「「ああああああああああああああああっ!?」」ガクッ まこ「なにしに来たんじゃお前ら」 久「ふ、ふふふ……こんなことで私が諦めると思ったら大間違いよ。いかなる手段を使ってもまこを部に引き入れるわ」 京太郎(悪役みたいなセリフだな) まこ「わしは部に戻らんなど、一言も言っとらんが」 京久「「えっ?」」 まこ「最初からそう言おうとしとるのにお前さんらがどんどん話を進めていくからじゃろうが」 京太郎「なんだじゃあまた、まった部長が一人で騒いでただけじゃないッスか!」 久「須賀君だって凄まじいやる気を発揮してたじゃない!」 まこ「最初から最後まで人の話を聞かん奴らじゃな」 京太郎「ち、ちなみに負けた時の話は……」 まこ「そっちが賭け金を吊り上げたんじゃからきっちり払ってもらおうかのう。身体で」ニヤニヤ 京太郎「ですよねー」トホホ ギャーギャー、ワーワー まこ「しかし、久よ。まだ全国出場の夢を諦めてなかったのか」 久「当たり前じゃない。後、訂正しとくと出場じゃないわ優勝よ」 まこ「須賀といったか? お前さんもようこんなのに付き合っとるな」 京太郎「ええ、まぁ、自分でもなんでかなって思うんですけどね」 京太郎「見てみたいんですよ、この人がどこまでやるのか。全国の景色って奴を」 久「高校最後の夏だもの。全国優勝の夢くらい見させてよ」 まこ「全国優秀の景色……か」 まこ「ふふ、はははは」 久「まこ?」 京太郎「染谷先輩?」 まこ「ええじゃろ。わしも見てみとうなったわ。全国の景色っちゅうんをな」 京久「「っ!!」」ビシバシグッグッ!! まこ「今日はもう遅いが、明日からはまた部室に顔を出すとするか」 京太郎「これでようやく2人」 久「3人でしょ? 須賀君も大事な部員なんだから」 京太郎「部長……」ジーン まこ「ふふ」 京太郎「じゃあ、染谷先輩!」 久「行きましょう。まこ」 京久「「我等と共に全国へ!!」」 京太郎「へぇ、この学校、学食のメニューにタコスなんてあったのか」 どういうチョイスだ? っと疑問に思うと同時に興味も沸いてきた。試しに買ってみるか。 この清澄高校の学食は食券制なので、券売機に硬貨を投入してボタンを押し、取り出し口から食券を取り出す。 顔を上げると、ボタンの下半分が赤く点灯。蛍光板が「売り切れ」の文字を点していた。 気にせず食券を持って厨房前のカウンターへ向かう。 ?「ぬおおおお!? タコスが売り切れてるじぇ!?」 ?「残念でしたね。ゆーき」ポン ゆーき?「だけどのどちゃん……私はタコスを食べないと」 のどちゃん?「食べないと?」 ゆーき?「私自身がタコスになってしまうんだじぇ!」バーン! いや、ドーン! のどちゃん?「なんですかそれは?」 まったくだ。 俺は自分の手の中に納まる食券を見下ろす。 まぁ、俺は今これを食べなくても死にはしないし。………………タコスになるわけてもないし。 京太郎「あのー」 「「はい?」」 京太郎「あの、これよかったら……」 そういって俺は手にしていたタコスの食券を2人に差し出した。 あれ? なんかこれ、俺今すげーギャルゲの主人公みたいじゃね? ゆーき?「うおおお!! それはタコスの食券!」 のどちゃん?「ち、ちょっとゆーき。あの、いいんですか? それはあなたが買ったものじゃ」 京太郎「いや、まぁうん。そうなんだけどね」チラ ゆーき?「……」ダバァー なんかすっごい涎垂れてるんだけど……。 たとえば平均体重の人間の血液総量は約6リットルとされ、約2リットルの血液が流れ出ると失血死となる。 もし2リットル以上唾液が流出したら人間はどうなるんだろう? 脱水症状で死にのかな? そう思うとこの高がタコスの食券といえど、この少女の命運を握っていると考えられ途端に重みが増したような気がする。 京太郎「まぁ、これもなんかの縁と思って受け取ってくれよ」 京太郎「なんかさっきの会話とか聞いてると、譲ってあげないとって思えてきたし」 和「それが、私たちと須賀君のファーストコンタクトでした」 みんな「へぇ~」 優希「京太郎、お前覚えてるか?」 京太郎「いや、ぜんぜん。優希、お前は?」 優希「いや、ぜんぜん」 京太郎「ってか、なんで和の回想なのに俺視点なんだ?」 和「それから、食堂で何度か会って話してみると須賀君は麻雀部だと言うではないですか」 京太郎「なんか、話したような話してないような……ほぼタコスに印象塗り潰されてあんまり覚えてないな」 照「京ちゃん、その歳で若年性健忘症なんだ……」 宥「可哀想……」ブルブル 京太郎「やめて、なんかその生暖かい同情の目はホントやめて。違うからほんとそんなんじゃないから」 京太郎「えっと、ほらあれだよ。なんだっけ? 当時はなんとか部を存続させようと必死だったからどうにか2人を巻き込めないかなと」 久「そういえば、八方いろいろ手を尽くしたわね」 京太郎「備品が足りねぇってんで夜中に校舎に侵入して使えるものかっぱらって来ようぜ!」 京太郎「みたいな、後に『冒険野郎事件』って呼ばれたあれ」 久「あー、やったやった」 まこ「お前さんらそんなことやっとたんか」アキレ 優希「その陰謀に巻き込まれたから、私たちの今この結果があるのか」 和「私の美しい思い出をよくも汚してくれましたね」 京久「「いや、あの……なんかすんませんでした。なにかの作用で一連の会話を記憶喪失してください」」ペッコリン 和「無理に決まってるじゃないですか!」 淡「それでノドカは麻雀部に入ったの?」 和「それで、と言いますか」 ――――――― ――――― ――― 優希「おー、京太郎だじぇ」 京太郎「ん、優希。…………和も一緒か」カチカチ 和「こんにちわ」 優希「そんなに一生懸命ケータイいじって何してるんだじぇ?」ヒョコ 和「優希、失礼ですよ」 京太郎「これか? 麻雀だよマージャン」 和「!」ピク 優希「ほう、お主も麻雀をやるのか」 京太郎「やるっていうか、俺、麻雀部なんだよ。っても、初心者だからこうやって空いた時間で練習してるんだ」 京太郎「っというか、『も』ってことは?」 優希「ふっ! なにを隠そう私達も元麻雀部だじぇ! そしてなんと~」 優希「こののどちゃんはインターミドルのチャンピオンだじぇ!」 和「ゆ、ゆーき!///」アセアセ 京太郎「インターミドル?」 和「えと、インターミドルっていうのは中学生のインターハイのようなもので」 京太郎「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!?」 京太郎「なんだよ! 和ってそんなすげー奴だったのか!?」 和「え? あ、いやその……それほどでも///」 京太郎「そうか、2人とも麻雀部だったのか。ん? でもじゃあなんで麻雀部に入らないんだ?」 優希「私は今のところ部活にはあんまり興味ないかなーって」 和「私は、その……麻雀は部活動でなくても出来ますし」 京太郎(優希はともかく和はなんかわけでもあんのかな?) 京太郎(でも、もし2人が入ってくれれば女子は4人。もう1人を見付ければ団体戦に出れる) 京太郎(なら俺のやることは一つ!) 京太郎「じゃあ、見学だけでもどうだ?」 和「見学、ですか」 優希「どうする? のどちゃん」 和「まぁそのくらいなら……」 京太郎「ありがとう! じゃあ行こう、さぁ行こう! すぐ行こう!」 和「あの、そんなに急がなくても」 優希「やれやれだじぇ」 部室 京太郎「こんちゃーっす! …………った、まだ誰も来てないのか」 和「部室ってここなんですか?」 京太郎「え? そうだけど」 和「ここって確か『クロックタワー事件』の……」 優希「クロックタワー?」 和「先週、この部室棟から学校中に聞こえるくらいの音量でたくさんの目覚まし時計の音が響いていたの覚えていませんか? ゆーき」 優希「おー、そういえば」 京太郎「ああ、あれそんな風に呼ばれてんだ」 和「心当たりがあるんですね」 京太郎「俺の買い置きのお菓子を勝手に食べちゃった部長に素敵な仕返しだテヘ!」 京太郎「みたいな感じでそこらじゅうからかき集めてきた目覚ましをこう、一斉に、ね?」 和(ここの部の人たちはなにやっているんでしょうか) 優希(ここ本当に麻雀部なのか?) 和「私たちしかいませんけど、どうしますか? ほかの部員の方を待ちますか?」 京太郎「ん、まぁ三麻でいいんじゃないか?」 和「その、失礼ですけど須賀君は初心者ということでしたが、大丈夫ですか? 三麻は少々ルールが複雑ですけど」 京太郎「大丈夫だ! 何故なら先日から先輩たちにボコボコにされてるからな!」グッ 和優「「なんて逞しい……」」 で、 1位:優希 2位:和 3位:京太郎 優希「さすが私、のどちゃん相手にもまったく引けを取らないじぇ!」フフン 和「逃げ切られてしまいましたか。もう少しだったんですが」 優和「「それにしても……」」 京太郎「」ボーゼン 優希「まさか、ここまで初心者だったとは」 和「まぁまぁ、ゆーき」 和(しかし、手付きもあまりなれているとは言い難かったですね) 京太郎「はっ!?」 優希「お、帰ってきた」 京太郎「っ~~~~~~~っはぁ! 2人ともすっげぇな!」 優希「んあ?」 和「はい?」 京太郎「ごめん! 実は俺さ、2人のこと団体戦の頭数になればってくらいにしか考えてなかったんだ」 京太郎「でも、和と優希と麻雀打ってすげー楽しかった。だから、もっともっと2人と楽しみたい」 京太郎「だから改めてお願いする。2人ともうちの部に入ってくれ! そんで俺にもっといろいろ麻雀のことを教えてくれ!」ペッコリン 優希「団体戦ってのはなんのことだじぇ?」 京太郎「ああ、うちのアホ部長がいい歳して全国大会優勝とか言う夢見がちなこと言っててさ、その、どうにか叶えてあげたいなぁって」 和「全国大会、ですか。でも長野には名門の風越や、昨年度県大会優勝の龍門渕もいますし」 和「正直、無名のうちが彼らに勝つのは難しいのでは?」 京太郎「大丈夫! なんてったってうちの部長は、性根の腐り切り具合なら負の人間国宝級だから」 京太郎「きっと俺なんかじゃ及びもつかないような、こそ浅ましいあらゆる権謀術数を用いてきっと全国へ連れて行ってくれる」 京太郎「それに、2人がいてくれたら心強い。だから一緒に全国を目指してみないか!?」 和「全国……」ポォ 優希「私は、のどちゃんが入るなら、いいじょ」 和「ゆーき?」 優希「のどちゃんは、東京の進学校や風越や龍なんとかって学校の誘いを断って私と一緒のこの清澄に来てくれたじぇ」 優希「だから今度は、私がのどちゃんについて行く番だじぇ!」 和「ゆーき……」 和「っ!」グッ 和「わかりました! 麻雀部、入部させていただきます」ニコ 京太郎「! やったー!」 優希「よろしく頼むじぇ! のどちゃん、京太郎!」 京太郎「おう! よろしくな、2人とも」 和「ふふ、よろしくお願いします」 ――― ――――― ――――――― 淡「そっかー、キョータローに誘われたからノドカは麻雀続けることにしたんだね」 和「ええ、でもそれだけではないんですよ?」 憧「どゆこと?」 和「その時の楽しそうに麻雀を打つ須賀君の姿が、記憶の中の友人と重なって」 穏乃「そ、それって」 和「はい。阿知賀にいたころの、穏乃と憧と玄さんと赤土先生とクラブのみんなとの思い出が私の背を押してくれて」 和「この人と麻雀を打てたらあの時のように、きっと楽しいだろうなって。だから」 晴絵「和……」 玄「和ちゃん。えへへ、なんか照れちゃうね」 京太郎「ちょ、部長待ってください。ね? 昔のことじゃないですか、お互いにさぁ許し合おう? 分かち合おう?」 久「うふふふふ。なにを許し合うのかしら? さ、2人だけでちょっと向こうに行きましょうねー? そんなに首を振ったってダメよ?」 久「大丈夫大丈夫。最初は痛いけど次第に気持ちよくなってくるから。自己啓発セミナー、悟りを開くみたいなものよ」ウフフフフ 咲「じゃあ、うちの部って実質京ちゃんがメンバー集めたってことですか?」 京久「「っ!?」」 久「そう、なるのかしら?」 まこ「まぁ、わしもお前さんらの熱意に中てられたわけじゃしな」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「私を誘ってくれたのはなんで? それも、部のためとか、団体戦のメンバー集めだったから?」 京太郎「ん、ん~まぁ。それもあるけどさ」 京太郎「お前、俺が置いてくと泣くだろ?」 咲「な、泣かないもん!」 京太郎「いーや、泣く。絶対泣く」 咲「泣かないったら泣かないもん!」 京太郎「本当は?」 咲「ちょっと、泣くかも……」 京太郎「ほーらな」 咲「うう……」 京太郎「それにさ、やっぱ楽しいことは咲と一緒にやりたいなって思ってさ」 咲「京ちゃん……」ジーン 久(楽しい、か……) 久「ねぇ。須賀君」 京太郎「はい?」 久「今まで怖くて聞けなかったけど、うちの部に入ってどうだった?」 久「みんなが入部して、県大会で優勝して、全国を目指して……」 久「私たち2人で再建した部なのに、どんどんあなたのことを蔑ろにしてしまって」 久「正直、いつか退部されても、嫌われても仕方ないって思ってたけど。あなたはあの時と変わらずここにいる」 久「須賀君にとってこの半年間は、有意義だった?」 京太郎「……」 京太郎「部長。部長が俺のことそんな気にかけててくれたってのは正直意外でした。でもこれだけは言えます」 京太郎「この半年間は本当に楽しかった。ここにいる人たちも、ここにいないけど麻雀を通して出会った人たちも」 京太郎「俺にとっては出会ってから今日まで、夢中で見つめ続けた光そのものです」 京太郎「俺、なんの役にも立てなかったけど、それでもみんなの夢を叶える手助けになれたなら俺は嬉しい」 京太郎「なぁ、部長。あの時、あんたについて行ってよかった」 久「っ!? ……バカね」ボソッ 久「私の方こそ感謝してる。須賀君、あなたがいてくれてよかった」 翌日 京太郎「荷物はこれで全部ですか?」 晴絵「オッケー。悪いねぇ積み込むの手伝ってもらっちゃって」 京太郎「いいっすよぅ、これくらい」 憧「こっちも準備出来たわよ」 晴絵「おーう。忘れ物とかないかい?」 穏乃「ないでーす!」 玄「短い間だったけど楽しかったよ!」 京太郎「はい、俺もみんなに会えて楽しかったです」 宥「これから寒くなるから、暖かくしないとダメだよ?」 京太郎「あはは、宥さんもですよ」 灼「吉野にも、また遊びに来て」 京太郎「はい。その時は是非、先輩のところにも寄らせてもらいます」 憧「……」 京太郎「……」 京憧「「ははっ……」」 憧「元気でやんなさいよ」トン 京太郎「お前もな」 穏乃「京太郎、手ぇ出して」 京太郎「? ほい」 穏乃「ターッチ! また遊ぼうね京太郎!」 京太郎「おう!」 菫「短い間だが世話になったな」 京太郎「いえ、こちらこそお世話になりました」 菫「また東京に来ることがあれば呼んでくれ。そのときは喜んで照の世話を押し付けてあげよう」 京太郎「あはは、お手柔らかに」 尭深「またね」フリフリ 京太郎「はい。渋谷先輩もまた。今度、茶葉とお茶菓子もって訪ねますよ」 尭深「うん。待ってる」 誠子「また一緒に釣りに行こう。そうだな、冬場に静岡の田貫湖でワカサギ釣りなんてどうだい?」 京太郎「お、いいッスね!」 誠子「朝霧の中で富士山が見えるんだけど、朝日が昇ってくるとこう、凍りついた足場が一気にバキバキバキバキってひび割れてね」 京太郎「クレイジーッスね……」 照「京ちゃん。咲のこと見ててあげてね」 京太郎「任せてください」 照「冬休みには一度帰るから」 京太郎「待ってますね。咲もつれて久々に3人で初詣行きましょうか」 照「うん」 淡「……」 京太郎「どうしたよ」 淡「だって、またキョータローと会えなくなっちゃうもん」 京太郎「なんだ、そんなことかよ」 淡「そんなことって、長野と東京だよ! すっごく遠いんだよ!」 京太郎「距離も時間も関係ない。会いたくなったら会いに行けばいい、それだけだろ?」 淡「! うん、会いに行く! 今度は私から!」 京太郎「おう! いつでも来い」ポン 久「短い期間でしたが此度の合同合宿に参加していただきありがとうございました」 久「って、もうこんな堅苦しい挨拶はもういいわね」 咲「ねぇ、京ちゃん」ヒソ 京太郎「ん?」ヒソ 咲「合宿、楽しかった?」ヒソ 京太郎「へっ、わかってんだろ?」ニカ 咲「えへへ、一応聞いておきたくて」 京太郎「もちろん楽しかったに決まってんだろ!」 咲「うん。私も!」 久「では、これにて清澄・白糸台・阿知賀による三校合同合宿を終えたいと思います」 全員『お疲れ様でした!!』 カン!
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11 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 33 09.64 ID 7NKXhv7/O [8/14] 8 イッチだってそんなん考慮しちょらんもん…… 連続ゾロ目ボーナス! 洋榎104 洋榎「あっ……」ビクッ 京太郎「ん?」 この人から身構えるなんて…… どうしたんだ。 洋榎「ひ、久しぶりやな京太郎」アハハ 京太郎「は、はぁ……」 洋榎「すいませんでしたぁ!!」 土下座。 俺、この人に何かされたっけ?それとも俺の事をからかっているだけなのか? 京太郎「ちょ……!人が見てますから!やめてください!」 洋榎「どうか最低なうちの事を許してください!!!!」 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/05(土) 15 42 36.92 ID 7NKXhv7/O [10/14] 訂正 洋榎の部屋。 京太郎「どうして俺はここに……」 洋榎「ひっく……うっ……」ポロポロ 京太郎「ちょっと!どうして泣いてるんですか!!」 洋榎「そや、死ねばいいんや!京太郎!殺してくれ!」ポロポロ 京太郎「やめてください!何があったんですか!?」 洋榎「……」 洋榎「それはーー」 京太郎「……」 それから聞いたのは予想以上の話だった。 洋榎さんが俺を気絶させて犯した事、追い詰めて自分の者にした事。 日々の痴態を動画に収めて依存させた事。 俺の周りとの関係を全て断ち切らせた事。 最終的に俺は自殺をした事。 15 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 54 17.79 ID 7NKXhv7/O [11/14] 洋榎「ど、どうしても京太郎を自分の物にしたかったんやな……」 京太郎「洋榎さん……」 思い出してしまった……俺の中でフツフツと込み上げる怒り。 洋榎「今回だって自分の物にしようとした……」 京太郎「……」 でも……俺は紛いなりにも途中からはこの人が好きだったんだ…… ただ……あんな望んでもいない事をされたから自殺しただけで…… 洋榎「もう……うちと関わらないでいいで」ニコッ 洋榎「なんなら同じ事をしてもええよ」ニコッ 安価下8 1. 俺は洋榎さんが好きです 2.帰る 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 34 58.64 ID 7NKXhv7/O [13/14] ゾロ目ボーナス!! 三連続!!! 京太郎「俺は洋榎さんが好きです」 洋榎「え……?」 京太郎「だから過去の事なんか関係無いですよ」ニコッ 洋榎「きょ、京太郎……///」 京太郎「洋榎さん……」 洋榎「呼び捨てでええよ……///」モジモジ _ --―――-ミ _,,.. \ ヽ \ _彡 ´ ; =-―‐-ミ ) / ノ // / \_ / / / 厶=--―…/ `く | / / / / ヽ | ! /イ / // // |  ̄',. 八| l/l / ̄ ̄ /イ /. /| ′ /二二ィレ| .|芹弌く | ィ/Χ| | | ', | / /人_\|辷ン |ノ芹ミ У / |, ′ |' / /¨入 '''' 廴ソ / /. 八 i. / |/ /`、 ’ ''' /彡/ ィ∨ノ ′ / |\__゚_,,... イ ィ、 || | | | ヽ | | / /ノィ / ノ / ノ // ∨l |/丁へ. / // ⌒' { / `| /|\ \/ | , | レ∧ 〉 // |__ } | / | V {/ /⌒ヽニ、-、 \_ 八 ( | l / /ハ \\. Т¨ \ 八 ′ / \ \ヽ. ! {\ ̄ヽ | / } ′ |  ̄「_゙ト、 / / | } | | ` ¨卞¨ _彡 / ′ _ .′ヽ ゙, ′ i  ̄「\_ノ___/ / , ‐-<⌒ ' | i ,′ Ⅴ .′ { / | | ,′ } | ' / / ! ! ′ | ,/ / ′ { ' / | .′ / ′ ∧ | / ' i ' i / ′ | / / | | | ,′ ′ ! / , ′ | | | ヽ ! 〃 ' ノ ! | ≧=ヘ / / | | ≧‐=彡 ///⌒ヽ_{ / !  ̄ / '、 ∠ ヘ 、\ 、 \i\「 京太郎「洋榎……」 洋榎「な、なぁ……」ギュッ 洋榎「抱いて……///」 京太郎「洋榎……!」 29 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 39 03.80 ID 7NKXhv7/O [14/14] GRANDENDING 30 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 42 50.77 ID VVa3sn7fO 全国大会決勝 洋榎「ふふふっ……ここまで来たでー」ニヨニヨ 京太郎「洋榎……」グッ 洋榎「行くで!」ゴッ 憧「……!」 久「!!!」 堯深「っっ……!」 安価下6多数決 0~95 姫松Vやねん! 96 清澄優勝 97 阿知賀優勝 98 白糸台優勝 38 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 56 39.04 ID HD80wm1dO [1/6] ,/ \ __ / ヽ、 , . '  ̄  ̄ ` 丶、 | i / `ヽ、 \ 〉 | / ' `ヽ \-._\| // lヽ、 ヽ、 、 ',ヽ 丶_ ゙>.、 /,'/ / ! .l .X∧ヽ i ハi ゙', l ;`iヽ、丶 / / / | i !| ', レ' ヽリ ∨! 〉 .}`〉!丿 | ヽ. ゙、 i / / ! l .l iハ '\ xヤ叭カ 〉 k┤ ´ ヽ /!. 〉. 〉 / { /l i .-什ー \ .〉 弋 _ソ /イ Y´丶 ! / / / / /.! i ! i i xヤ叭 `゙ ´ l i. ,!リ./ ./ _ / / ヽ !ヽ i', ` 弋ソ l レ,'.;/ ´ /´冫\/ /. \'マヘヽ. ` - | ト'. 〈 _ ヘ、\゙/ / ( { ! 〉. く l /|!{iヽ!. /´ 〉 .! / /.i ! _./ヽ 、l ! ヽ、 ` - ′ / }!ヽ , -─ ‐ 、 〈 ,弋!丶.v` / .! _ -彡 ` ゙ -! _ ≧‐ _ .イ /|! /./ \ i. ヽ 〉 ≦彡 ´ , -! { / }- ´ .' / ′ \ ヽ )イ/ / l .! .//.マヽ / .l ! l \ ヽ ′く / / i ! _ -/イ / 冫__./ .l i .! ! \ ', ヽ /; / , -ヽ ´ ' _.十_' ´ i l!/ ! ∧ V .;' / / , '` /´.入. \ |、´. |. / 冫 ∨i i / / / ./ l.∧ ! ヽ、 _. -. { / i 弋 { / ./ ヽ_イ /.|! ヽ _./ × γ. l { ヤ 丶 匕 、 / |i. / li l 丶 ./ l ! l. ゙.冫` 〉 .i |! / .|i / ! /\ ヘ ヽ ヽ ゙丶_i ゙ | 丶 / .∨_ _冫、 ヽ 入二| ! ゙ / \ 洋榎「うちにかかれば余裕やったな」 恒子「優勝は姫松高校ー!!!」 京太郎「うおおおおおおおお!!!!」 健夜「姫松の中堅……技術と読みなら既にトッププロクラスだね」 恭子「逃げ切れた……」 穏乃「ちぇーっ」 咲「やられた……」 淡「駄目だった……」 39 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 57 30.32 ID HD80wm1dO [2/6] ーーepilogue 初めて見た時から好きでした 41 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 51 07.91 ID HD80wm1dO [4/6] 月日が経ち 京太郎「ん?」 子供「……」チョコン 京太郎「お前誰だ?」 子供「……」 京太郎「何も言わないか……そうか」 京太郎「いや、何でもないよ」 京太郎「……」 京太郎「いい天気だな」 子供「……」 憩「なんや、こんな所におったん?」 京太郎「憩……さん」 春「……」ポリポリ 京太郎「あ、春さん」 春「少しの間……お邪魔します」 京太郎「大したおもてなしもできないですが……どうぞどうぞ」 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 54 23.94 ID HD80wm1dO [5/6] 春「……」ポリポリ 京太郎「相変わらず食べますねぇ」 春「ん……」ポリポリ セーラ「おーっす」 京太郎「あ、久しぶりです」 セーラ「元気しとるかー!?」グリグリ 憩「こらっ」 セーラ「あ、すまんすまん」 洋榎「たくっ……うちの旦那に何しとんねんな」 セーラ「ははは、すまんすまん」 48 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 00 29 17.74 ID hHJZ9nPrO 京太郎「……」 子供「……」 京太郎「お前は可愛い顔をしているな」 京太郎「本当……そっくりだ」 子供「……」 洋榎「当たり前やろ、アホか」 子供「アホ」 京太郎「なっ……!」 洋榎「なっ……!」 憩「はいはい、失礼」ズイッ 憩「みんな~お茶やで~」 恭子「ありがとうな~」 絹恵「ええな~お姉ちゃん」 洋榎「そやな~」 漫「仲ええな~」 由子「憧れちゃうのよ~」 49 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 01 58 58.15 ID DglQ+DhAO [1/18] 洋榎「ーー!」 セーラ「ーー!」 ギャァギャア 憩「美味しい?」 京太郎「はい、美味しいです」ズズッ 子供「……」ズズッ 春「……」ズズッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「むにゃむにゃ……」 春「……」ズズッ 京太郎「皆若いなぁ」 憩「そうやな」 春「……」ズズッ 京太郎「憩さんも」 憩「……」 春「……」ポリポリ 京太郎「なぁ……春さん……どれくらい呼んでくれたんだ?」 春「7人……」ポリポリ 50 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 20 33.64 ID DglQ+DhAO [2/18] 京太郎「えっと……お前はお母さんの所に戻りなさい」 子供「やだ……お母さん嫌い」 京太郎「こらっ……お母さんはお前の事を心配しているんだぞ?大事に思って叱ってくれるんだ」 子供「……うん」 京太郎「早く戻りなさい」 子供「分かった……またね」 タッタッタ 憩「あなたの娘さん拝見しましたよあなたにそっくりで洋榎ちゃんに立派な子供も産んで……幸せそうやね~」 京太郎「そうか……そうだったな」 京太郎「娘の名前……忘れてしまった」 京太郎「孫娘の名前も……」 春「教える……?」 京太郎「いや……大丈夫だ」 京太郎「どうせすぐに思い出す」 春「そう……だね」 憩「なぁ……どうして孫娘さんを遠ざけるん?」 京太郎「……」 春「洋榎にそっくりで怖いから……」ポリポリ 京太郎「うっ……」 憩「なんやそれ……」 京太郎「わかったよ……おーいおーい」 娘「なんやー?」ガラッ 娘「あ、春さんこんにちはー」 春「こんにちは」 京太郎「えっと……お前目赤いな」 娘「アホ……」グスッ 京太郎「孫呼んでくれ」 娘「はいはーい」ガラッ 52 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 51 12.92 ID DglQ+DhAO [3/18] 子供「はーい」ガララッ 京太郎「えっと……だな」 京太郎「悪い事はするな」 子供「うん」 京太郎「好きな人には迷惑をかけるな」 子供「……うん?」 京太郎「お母さんとお父さんの言う事は聞いて」 子供「うん」 京太郎「大好きだよ」 子供「ありがとう」 京太郎「ん……もういいぞ」 子供「またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「“またね”……か」 春「いい響き……」 京太郎「子供は純粋だ……」 春「……」 京太郎「皆は返したのか?」 春「……うん」 憩「うちだけやなー」イェイッ 京太郎「どうして憩さんとだけは話せるのかな……?」 春「看取る人としては最適……」ポリポリ 京太郎「そうか……」 憩「軽い意思疎通しか出来んけどなー」 京太郎「……」 互いに年老いた……残っているのは皺くちゃの京太郎と春。 先程までは互いの瞳に若かりし頃の姿が映っていた。 もう……京太郎の時間切れは迫っていた。 53 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 08 46.80 ID DglQ+DhAO [4/18] 春「私は鹿児島に帰る……」 京太郎「そうか……」 春「新しい跡継ぎの整理をしないと」 京太郎「おう、またな」 京太郎「えっと……名前は……」 京太郎「いや……」 京太郎「いきなり来たと思ったら洋榎達を呼んでくれて……」 京太郎「ありがとう」 春「親友の頼みだから気にしないで」 春「……またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「親友……?」 憩「さ、身体拭くよー」 京太郎「お、ありがとう」 54 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 22 32.68 ID DglQ+DhAO [5/18] 憩「じゃ、またなー」 京太郎「あれ……?」 京太郎「えっと……憩さんが俺を看取るんじゃ……」 憩「んーん」 憩「一人おるんやで、うちより適した人」 憩「またなー」 ドロンッ 京太郎「え……」 京太郎「一人で……逝くのか?」 京太郎「はぁ……」 京太郎「まぁ悔いは無いからいいか」 「アホ」 京太郎「!」 55 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 23 00.93 ID DglQ+DhAO [6/18] 洋榎「ーーうちがおるやろ?」 56 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 25 58.13 ID DglQ+DhAO [7/18] 京太郎「……」 目を疑う。 あの時、先に逝った。 自分を置いて行った最愛の人。 洋榎が目の前に居るのだから。 京太郎「憩さんと話す事出来るんだから……そりゃあそうだよな」 京太郎「春さん……過剰演出だよ」 洋榎「最初からおったわ……ったく」 洋榎「でも、恩に着るで……親友」ニッ --- 春「……」 春「お安い御用……」ポリポリ 57 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 32 31.27 ID DglQ+DhAO [8/18] 洋榎「先に逝ってしまって……すまんなぁ」 京太郎「まぁ……洋榎も歳だったからしょうがない」 洋榎「そうやな」 洋榎「最初はうちで」 洋榎「その次は京太郎」 京太郎「順当に来たな」 洋榎「ん」 京太郎「……」 洋榎「泣かないんか?」 京太郎「いや……泣くほど嬉しいけど涙も出ないんだ」 洋榎「お疲れさん……」 京太郎「これほど素晴らしい人生は無いよ……」 洋榎「そうやな」 京太郎「ーー」 / / ;ィ; ハ . / | i .\ ,' / ./// / i ./\ i .ハ .} \ { /{( { i i =ヤ斧示\! 厶斗イ ハ ____ i / / .八 ! 辷 り イ テ心i }i } / `丶 i /{ .Y⌒ \| { cり ノリ / さ さ お i | ( .\i (ソi | ` |< < ん ん .つ | . \ . \`,i ! r ´ i ト、 ヽ i. こ さ か ! ,' ,'ヘ\ .!. ー ′ 人 〉 } | ろ ん れ ! / / } | | ≧。 < i./ / .| り i / / ヽ| ! `≧‐''"´ | | / .| | ./ / / |/ `ヽ. |_ i | \ / , ' . / _ r''"´ \ ノハ | ! ` ー --- ‐. / >''"´ `ヽ ∧ハ \ i / / / \ /`Y YVi \ 京太郎「ありがとう……」 洋榎「おやすみ……京太郎」 京太郎「……」 58 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 39 17.94 ID DglQ+DhAO [9/18] 京太郎「お……」 洋榎「お、来たな」 京太郎「ん」 京太郎「孫はうまくやれるかな?」 洋榎「うちの孫やで?」 手を取り合ってきた。 洋榎「当然やろ?」 京太郎「そうだな」 途中、手はほどかれたけど。 京太郎「大好きだよ……」 洋榎「うちもやけど……」 また手を取り合って。 洋榎「甘いなぁ」チッチッチ 洋榎「なんたってうちは」 あの時の気持ちをもう一度。 京太郎「?」 だって時間はいくらでもあるのだから。 洋榎「初めて見た時から好きでした」 . , ' \ \ //. / / .|, ヽ ヽ . //' / /| .| |‘,|`、 ',⊥_. /// . . /|_||l |_l_lノ|', . .|__ `丶、 (/| l {八「TT、 ! |/__|ハ | | ̄¨'' \ //| | l∧'笊丐 \ 、「苅「》 人′ ノ 〉 ( _.|八\ハ 乂 リ ー┘l イ 、 \ ___彡 ´  ̄ ̄/ /| |', ' | | 〉 / \、| 込、 ,、 . イ | | _/', | | ` .,_. イ|イハ| | ',. | |___/r} ノ V / ', ∧| / /ーn彡 /へ、 ', | | {_/\八 ノ >、 ', | | /⌒i|「\\/ / ヽ `、 , / / ((__ノ八、_)) / '¬ |. / , `7/ |「 ̄ l | ∨. ヽi / { l | l \ | l V 〉. 八 ∨`、 _,, ィ | 〉 `冖¨ | / `、 `、. | / 〉 〉. / { / /. / 人 / / \ `/ / これからもーー カンッ 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 22 58.79 ID D5Nz3WExO [1/11] 純 20 智紀 85 一 93 透華 9 衣 68 睦月 25 佳織 91 智美 7 桃子 好感度MAX 依存度MAX ゆみ 85 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた鶴賀のお話です(三回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと。 京太郎「あ、あれは」 0~9 純 10~19 智紀 20~29 一 当たり 30~39 透華 40~49 衣 当たり 50~59睦月 60~69佳織 70~79智美 80~89 桃子 外れ 90~99 ゆみ 当たり 120 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 54 32.93 ID D5Nz3WExO [3/11] 衣 118 衣「むっ」 京太郎「あっ……」 京太郎「?」 小さな可愛らしい子供だ。 京太郎「お嬢さん、迷子かな?」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 衣「今、お嬢さんと呼んだが?」 京太郎「? まぁそうだけど」 衣「称賛に値するぞ。因みに迷子ではない、馬鹿にするな軟派」 京太郎「あ、ごめん。名前は?」 衣「天江衣。龍門渕高校の二年生だ」 京太郎「……え?」 衣「そして……久方ぶりだ」 衣「悠久の時を経て、望みが叶うとは」 衣 好感度判定あんか 124 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 59 29.35 ID D5Nz3WExO [5/11] 衣 128 衣「まだ……あの時を思い出せないか?」 京太郎「……?」 衣「さぁ何処に行く?」 京太郎「え?遊ぶの!?」 衣「無論!」 衣「さぁ!」ウキウキ 京太郎「……」 やけに楽しそうだな。 / / / / ヽ ヽ / / / / /,イ | ! l ヽ ! ./,イ / / // l | .ハ | | | /// i i / ,' | | |',| Ⅵ i!| | | .〃 i i! ||― A.」 | | | i! ,斗―- ,リ| | | || | | !| ||! | | |\ハ | レく | / /! / i! |! W.!l !|ヘ l N {!ヘ N | /ル' リ .,イ! i! | ヘ从 i!i! ヘ! \ ! !/' / //'! i! ∧ 从z≠气x `\,z≠ミx 厶イ | | / ヾ=トゝ `/ | | / { ' / ! ! / 人 ヽ ノ ,/ | | / / > . . イ/,/ | | / / ̄ ̄\/ |\> --‐<彡 {」 || ! .八/ / Y´ ̄} >v<´ | || 「 ̄\\ 京太郎「んーそうだな」 京太郎「ーー」 1.レストラン 2.定食屋 3.自然が豊かな所( 1は全く長野分からないので分かる人が居たら教えてね☆) 安価下4 137 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 45 16.17 ID D5Nz3WExO [10/11] 133 135 ありがとうございます . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .(⌒ (⌒ヽ . . . , ' ⌒) . . . . . . . . . . . . (⌒ヽ ⌒ヽ. . . . . . . . . . . .. .. . . . . . . . . . . . . . . . . ( . . .)ヽ . . . . . . . . . . .( ( . .⌒⌒ ⌒ ⌒) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( ⌒). . . . ); . . .⌒ . . ) . . . . . . . . . . ( (⌒ . . (⌒ ) . ⌒) . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .`ー' ー'⌒`ー' ヽ_ ノ. . . . . . . . . . . . . .`ー' `ー' . .`ー '. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ;;;;;ヾ);;;) ;;;;;ヾ);;;);;;;) ;(; 〃;;;|!;;;);;;;;;) _,,.-‐''" "'- 、 , -'"`'ー-、_ ;;;;;ヾ);;;)ヾ);;;;;) _,,.-‐''" ; ; ; ; "'- 、_,..-'''" ; ; ; ゙''ー-、,_ ;(; 〃;ヾ);;;) ;(; 〃;ヾ);;;)/;;;;;;;); (; ;;;;;;;);ヾ);;;) ;;;;;ヾ);|!;;) ;;;;;ヾ);;;);:、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" (;;;;;ヾ);;;));;;) ;(; 〃;ヾ;);;/;;;ヾ);;;);:、; ii" ;";ii`; ;":、; ;"ii ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;"ii ;" ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;":i、; i;"";`; ;" (; 〃;);;|!;;;ヾ);;;) ;;;;;;;;;;;;)|! ;;;;;ヾ);;;);,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;;ヾ);;;);;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;) - - ; ; ; ; ; ; ; ; ;- ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;-; ; ; ; ; ; ; - ; (;;ヾ);;;);ヽ)|!;);;/;;ヾ) ;;;;;ヾ);;;) - _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ; ; _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ;;’ (;;;;;);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;; |ii| - _ - -_ |ii ,.(.;; 。; (.,⌒.;; ⌒.⌒) - - - ,(.;⌒(.; :、; (. ,.;⌒ (.;; :⌒ ,(..;; 。; ;; :(.、,.;; 。; ;; :、);,. ; `" "'" ̄'"" .. "'" ̄""'''""""'''"" "'" ̄'"" ..`"'';;,. ; `"`"'';; (. ,.;; 。;,.;; 。; (.;; :、;(.; ;; 京太郎「おお……着いたな」 衣「うん!」 京太郎「なぁ……どうして衣は早死したんだろう」 衣「……!」パアァ 衣「分からない、でも……衣は嬉しい。また会えて嬉しいぞ」 0~50 ハギヨシ 51~99 ステルスさん 140 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 55 16.88 ID D5Nz3WExO [11/11] / ヽ / | | , i ! ! ハ ! ! | / / /l/| /|!ヽ | | | / _ L / / イん心 | | | | | /ヽ / / ゞ゚|!' j! ! ! '; | イん心!/ '' |! | | | } 八| ! トゞ゚'' 、 |! /| | | | | ト!込 ''' 、_, ' |!イ | | | | | | ! ` ト--- イ|! | | | | | | | ! _/弋_ _斗´{ | / ! | 川 | !-―「 } | /!イl/__ V | ! / ハ / . .、 / | \ ―.、 ,' | !〈 { ヽハ- イ、' .! ./ l ! ヽ `ヽ 〉 ;. . ! .| _/ ! 〉 } / / /. . ', } \ { ;′ ∨ // \ /. . . . ', / O〉 '; ! } ;' ` -- ∨. . . . . .∨ ;イ 〉 | j ! ヽ. . ./ ´ / ! _,ノ‐-ミ '; ∨! / ′ `,イ ト-- -―…  ̄ / 桃子「……何やってるんすか?」 京太郎「げっ!!モモ!!」 桃子「私と言う物がありながら……許せないっす」 桃子「この……龍門渕の大将さん」ユラッ 京太郎「げっ!消えやがった!」 衣「???」 京太郎「逃げるぞ!」 ダキッ 衣「久しい感触だ!」ワーイ 0~40 ハギヨシ 41~99 ガシッ 142 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 18 05 15.48 ID DhingoohO ハギヨシ「……」ニコッ 桃子「あっ……」 ハギヨシ「お帰りください……」 桃子「あ……はい」 ハギヨシ「さて……京太郎君」 京太郎「すげえ……」 衣「ハギヨシなら当然っ!」 ハギヨシ「準備は出来ています。衣様を連れてお逃げください」 京太郎「え……え?」 0~50 衣を連れて長野市へ 51~99 龍門渕の追手 144 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 19 56 58.43 ID sX0iXa0GO [1/25] 京太郎「うーん」 衣「……」 衣「恐らく衣を嫌う人間だろう」 京太郎「……」 衣「産まれてはいけないって……」 京太郎「……」 京太郎「産まれちゃいけない人間なんて居ない」 衣「……」 京太郎「だろ?」 衣「うん」 0~60 県外へ 61~99 龍門渕の追手 147 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 16 30.95 ID sX0iXa0GO [2/25] 追手「居たぞ!!」 京太郎「っ!」 京太郎「衣……掴まってろよ!」 衣「うむ!」ガシッ 京太郎「くそっ……!」ダダダ 0~50 逃げって県外へ 51~99 追手増える 149 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 21 15.06 ID sX0iXa0GO [3/25] 京太郎「……!」 衣「京太郎……?」 京太郎「どうするか」 衣「衣を置いて……」 京太郎「嫌だ!」 衣「京太郎……」 京太郎「行くぞ……」 0~40 逃げ切って他県へ 41~99 ガシッ 163 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 01 38.74 ID sX0iXa0GO [6/25] 煌「おや、こんな所でどうしましたか?」 京太郎「ちょっと泊まるところを探してて……」 煌「なら、私の家へどうぞ」 衣「いいのか!?」 煌「ええ、勿論です」ニコッ 京太郎「ありがとうございます!」 0~60 長野へ 61~99 追手 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 04 47.91 ID sX0iXa0GO [7/25] 京太郎「煌さんには助けられたな」 衣「うむ」 京太郎「よし、長野に戻るぞ」 衣「私もお祖父様と話をしたかった所だ」 京太郎「よし、行くか」 0~70 龍門渕へ 71~99 追手 167 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 13 49.99 ID sX0iXa0GO [8/25] 「ほお……わざわざ厄子を連れて来たか」 「この家に居るだけならいいが……」 「何度も男に外へ連れ出されたらたまらん」 「つがいは必要ない」 「さぁ、渡せ」 京太郎「へっ……やだね」 ハギヨシ「……」 京太郎「衣は俺と生きる。ならその呪いやら全部を俺にかけてもいいぜ?」 「馬鹿か……一人で押さえ切れるものでは」 ハギヨシ「いえ、彼に賭けましょう」 「萩原……!」 京太郎「ハギヨシさん……!」 衣「どうしてだ京太郎……どうして私の為にそこまで」 京太郎「龍門渕の汚れ……全部俺が背負うって決めたからな」 京太郎「お前の為に」 168 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 15 11.94 ID sX0iXa0GO [9/25] 0~70 ハッピーエンド 71~99 駄目 安価下9 多数決 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 25 02.42 ID sX0iXa0GO [11/25] 一編 エピローグ 真の愛 ハギヨシ「ゴフッ……役目は果たせました」 ハギヨシ「衣様も……一も……良かった」 ハギヨシの手から落ちる写真。 一と若き日のハギヨシが写っていた。 一「え……お父さん?」 一「お父さん……だったの?」ポロポロ ハギヨシ「一……」 ハギヨシ「今まで言い出せなくてすまない」 ハギヨシ「京太郎君に迷惑をかけないで……」 京太郎「ハギヨシさん……」 ハギヨシ「京太郎君……娘をお願いします」 ハギヨシ「今度のあなたは……誰よりも長く……娘と過ごすことになるのだから……」 183 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/06(日) 21 27 03.79 ID sX0iXa0GO [12/25] 数年後 一「お父さん……死んじゃった」 京太郎「……」ギュッ 京太郎「これからはずっと一緒だ」 一「うん……よろしくね」 一「あなた」 京太郎「おう」 これからは、俺が護る。 ずっとずっとーー カンッ 184 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 28 23.45 ID sX0iXa0GO [13/25] HAPPYENDING 185 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 29 51.73 ID sX0iXa0GO [14/25] ーーepilogue その身が朽ち果てようとも 187 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 45 58.85 ID sX0iXa0GO [15/25] 京太郎「……」 衣「なんとも無いな」 衣「やはり天は衣に味方していたみたいだ」 京太郎「そうだな」 衣「天晴れ!」 ハギヨシ「……」ニコッ 京太郎「あ、ハギヨシさん」 ハギヨシ「私はお暇を頂ました」 ハギヨシ「それでは」 衣「行ってしまうのか?」 ハギヨシ「ええ、絶対に止めないでください」 衣「並々ならぬ覚悟を感じる……分かった」 京太郎「ハギヨシさん……ありがとう」 ハギヨシ「……」ニコッ 188 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 50 06.11 ID sX0iXa0GO [16/25] 季節は冬。 ハギヨシ「京太郎君……もう手は貸せそうにありません」 雪が降り積もる長野。 ハギヨシ「娘と仕える家と衣様……」 ハギヨシ「私が呪いを受けた事で守る事が出来て良かった……」 当てもなく歩く。 その足取りは不確かで、今にも崩れ落ちそうであった。 ハギヨシ「ああーー」 走馬灯のように映る衣と一と京太郎の笑顔。 娘を見守って行きたかったがーー ハギヨシ「悔いは無い」 ドサッ 安らかな笑顔で男は役目を終えた。 カンッ 195 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 08 58.02 ID sX0iXa0GO [20/25] 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 0~30 白糸台 31~60 臨海 61~99 清澄 安価下8 多数決 206 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 16 03.32 ID sX0iXa0GO [21/25] 臨海と清澄で決勝安価 0~50 臨海 51~99 清澄 安価下5 多数決 213 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 22 26.55 ID sX0iXa0GO [22/25] 咲さんといかに遭遇しないようにするか、ですね 判定 安価下3 智葉 安価下5 ハオ 安価下7 明華 安価下9 ダヴァン 安価下11 ネリー 226 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 38 32.47 ID sX0iXa0GO [23/25] それでは最後のルート始まります 智葉 61 ハオ 89 明華 47 ダヴァン 72 ネリー 38 --- 特別プロローグ ーー逃げろ。 逃げて、逃げて、逃げてきた。 だが…… それも通用しない。 どうしたらいい? どうしたら最愛の人をーー どうしたらあいつからーー 救えるのだろう。 京太郎「うわっ!」ガバッ チュンチュン 驚く程に朝。 京太郎「やべっ!臨海の入学式だ!」 ドタドタ 母「もうっ……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 228 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 43 34.38 ID sX0iXa0GO [24/25] ハオ「おはようございます」 京太郎「あ、ハオさん」 ハオ「行こう、学校」 京太郎「はい!」 ハオ 高感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 230 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 48 36.16 ID sX0iXa0GO [25/25] ハオ 109 ハオ「体験入部してくれたけど……」 ハオ「入部してくれるの?」 京太郎「はい!勿論です!」 ハオ「なら良かった」クスッ 京太郎「へへっ」デレデレ --- 放課後 京太郎「よし……」 京太郎「たのもー!」 ガララッ 智葉「お、来てくれたな。期待している」 京太郎「はい!」 智葉「まずはレギュラーの紹介からだな」 京太郎「よろしくお願いします!」 智葉 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 235 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 09 00 55.66 ID EtKiL+vnO 智葉71 明華「あら、本当に入部を」 京太郎「はい!頑張ります!」 明華「入部してくれるのは嬉しいけど……」 明華「この部活……」 京太郎「いえ!大丈夫です!競争を勝ち抜いてみせます!」 明華「男子一人も居ませんよ?」 明華「京太郎君を除いて」 京太郎「えっ……?」 明華 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 237 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 45 23.19 ID 4xdCKSKWO [1/2] 明華 77 ダヴァン「ハハハ!」 ダヴァン「ダイジョウブですよ!」 ダヴァン「きっとさらに部員はやって来マス!」 京太郎「……」 京太郎「智葉さん……」 智葉「……」ビクッ 京太郎「まだ……様子見で」 智葉「ま、まぁ……それでも大丈夫だ」 ダヴァン「頑張れば大丈夫でスヨ!」 京太郎「何を頑張れって言うんだ」 ダヴァン 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 56 55.64 ID 4xdCKSKWO [2/2] ダヴァン 92 ネリー「あーあの時の」 京太郎「ようっ!」 ネリー「むー本当に入るんだー」 京太郎「それに関しては考慮させていただきます」 ネリー「あ、知ってるんだ」 京太郎「どうしてあの時教えてくれなかった……」 ネリー「私も知ったのは今日だよ……」 京太郎「」 ネリー 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 242 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 17 53 35.48 ID GqxPqtFdO ネリー 88 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 247 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 22 16.33 ID TR42E7l1O [1/7] 京太郎「街をうろうろするかな」 --- 京太郎「おお、流石大都会」 アスファルト照らす歩道の上、何処に行こうか悩む。 京太郎「ん?」 ふと後ろを見るとーー 0~50 照 51~99 照以外の東京在住であろう好きなキャラを 256 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 53 08.20 ID TR42E7l1O [3/7] 尭深「……」ペラッ 京太郎「……」 本を読みながら歩いている端正な顔立ちをした白糸台の制服を着た女性。 足取りがおぼつかなく、正直かなり危なっかしい。 チリンチリンッ 京太郎「危ないっ!」 グイッ キキキィー 京太郎「危なかった……」 尭深「ありがとう……」 腕を引っ張って自分の元へ引き寄せ、難なく助ける事が出来た。 無事で何よりだ。 尭深 好感度判定 安価下 260 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 01 13 45.89 ID TR42E7l1O [5/7] 尭深 87 ネリー 88 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 294 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 03 27.76 ID m3tOFKXXO [7/18] 照「ん……どうしたの?」 京太郎「出るの早いですね」 照「なんとなく予想できた」 京太郎「それは良かった……」 どんな話題を振る? 自由安価 安価下3 298 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 19 47.55 ID m3tOFKXXO [8/18] 京太郎「今から会えませんか?」 照「……」 果たしてそれは許されるのか。 またーーあの時と同じ事を繰り返してしまうのか。 3回目は懲り懲り。 きっと今回も私は一人で生きて行くのだろう。 それで、皆幸せ…… 全て思い出した。 過去の自分はとても滑稽と言う事だけが理解できた。 照「それなのに……どうしてやり直すのかな……私」ボソッ 京太郎「照さん?」 照「ごめんね……家遠いし夜も遅いから」 京太郎「あ、分かりました。おやすみなさい」 照「うん、おやすみ」 プツッ 照「……馬鹿だ」プルプル 299 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 20 20.31 ID m3tOFKXXO [9/18] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よーっし電話するか」 安価下5 前週キャラあり 自由安価 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 25 05.67 ID m3tOFKXXO [10/18] prrrr 照「……」 prrrrr 照「京太郎……」 prrr 照「ごめんね……」 照「私はそこまで強くない」 照「うん……」 一日が終わりました 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 26 03.00 ID m3tOFKXXO [11/18] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 311 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 33 16.48 ID m3tOFKXXO [12/18] どんだけてるてる愛されてるんじゃあ…… 京太郎「照さんに会いに行くぞ……!」 京太郎「よし決めた!」 京太郎「咲の事とか聞きたいんだよ!」 京太郎「……あいつ泣いてた」ボソッ 0~50 白糸台到着 あわあわと会う 51~99 白糸台到着 あわあわとてるてる以外の白糸台生徒と会う 316 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 22 23 55.24 ID m3tOFKXXO [13/18] 京太郎「!」ピキーンッ 頭が……熱い! 頭が熱い…… --- 京太郎「照……出来ることなら……お前とこれからもずっと……」 ポタッ 照「うん……分かった。叶える」 京太郎「ありがとうーー」ガクッ ポタッ --- 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 --- 京太郎「はぁ……はぁ……!」 京太郎「あ……」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄--- 1.てる編第二章エピローグ 2.本編続行 安価下7 324 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 11 51.27 ID m3tOFKXXO [14/18] 健夜「……邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔」ブツブツ 咲「えっと……健夜さん?」 健夜「何……?」ジロッ 咲「協力……しましょうか?」 健夜「……?」 咲「……」ニコッ 326 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 20 13.30 ID m3tOFKXXO [15/18] 京太郎「照っ!」 照「京太郎……」 全国大会の会場、二人は再び再開を果たした。 京太郎「元気か!?」 照「うん……」 京太郎「久しぶりにデートしないか?」 照「それがいい、私もそのつもりだった」 京太郎「よしっ!行くぜ!」 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| | . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .| | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | |八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八| _ ,. < | | ノ/=ー-、 〈 | | 〉 ∧ ヽ / ∧ 健夜「……」 327 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 23 31.35 ID m3tOFKXXO [16/18] 京太郎「楽しいか?」 照「うん。とっても楽しいよ」 京太郎「それは良かった!」 久しぶりの再会。 出会い。 奇跡的な運命。 もう邪魔する人間は居ない……そう思っていたのに…… サクッ 京太郎「えーー?」 照「あ……」ゴフッ 京太郎「ちょっ……」 330 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 28 57.08 ID m3tOFKXXO [17/18] ドサッ 照「あ……あ……」 健夜「いい所に刺しちゃった」 醜く口角が上がる。 健夜「これで京太郎君は私の物だね」ニヤリッ 照「あっ……あっ」ピクピク 照「京太郎……京太郎……」ポロポロ 咲「久しぶりだね」スッ 照「咲……あぁそうか」 照「思い出したーー」 ガクッ 京太郎「咲……小鍛冶健夜……!」ギリギリ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!!」ダッ その後どうなったのかは覚えたいない。 ただ確実に俺は人として死んだ。 それだけしか分からない。 332 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 31 13.21 ID m3tOFKXXO [18/18] 本編再会 京太郎「あ……」フラッ ドサッ 淡「んー?」 淡「どうしてこんな所に人が?」 淡「テルー!テルー!」 淡「人が倒れてるよー!」 照「……!」 照「京……太郎」 淡「え?ねぇねぇ?知り合い?」 333 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 11 27.71 ID Lb8sBZhrO [1/13] 京太郎「ん……ここは」 病院? 京太郎「はぁ……倒れちまったか」 照「良かった……怪我は無い?」ウルウル 京太郎「照……」 照「っ!」 照「思い……出した?」 京太郎「おう、バッチリ」 照「ーー」 0~50 「そう……帰るね」 51~99 「本当……?」 336 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 24 48.02 ID Lb8sBZhrO [2/13] 照「本当……」 京太郎「ああ」 照「もし本当なら私と関わらない方が良い」 京太郎「どうしてさ」 照「本当に分かってる?」 京太郎「健夜さんと咲に襲われるかもなぁ」 照「っ!」 京太郎「でもな……俺はお前が好きなんだ」 照「……」 照「帰る……またね」ガチャッ 京太郎「照……」 337 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 25 38.15 ID Lb8sBZhrO [3/13] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 342 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 33 34.84 ID Lb8sBZhrO [4/13] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 347 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 36 58.57 ID Lb8sBZhrO [5/13] 京太郎「……」 --- 次こそはうまくやりたい。 考えさせて。 どうしてさ。 とても難しいから --- 京太郎「難しいか……」 京太郎「助けたい……」 京太郎「今度こそ……」 348 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 37 38.26 ID Lb8sBZhrO [6/13] 夜 京太郎の部屋 京太郎「ん?電話……」 安価下5 前週キャラなし 自由安価 355 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/09(水) 01 29 04.21 ID Lb8sBZhrO [7/13] 京太郎「もしもし」 照「もしもし」 京太郎「照、どうした?」 照「もう……別れよう?」 京太郎「そっか……そうだよな」 照「きっとまた、苦しい思いをする」 苦しい思いをするのは自分だけで十分…… きっとそう、これからも。 京太郎にはもう辛い思いをさせたくはないのだ。 全国大会になったら私は殺されるかもしれない……だけど。 一人で死ぬ事に意味がある。 京太郎「なにかあったら電話しろよ……」 照「うん。またね」 プツッ 京太郎「照……」 一日が終わりました 356 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 31 18.60 ID Lb8sBZhrO [8/13] これからは登場人物選択に照を選ぶ事が全国大会の日まで出来ません(すぐ全国大会になります) それまで周りのキャラの好感度をあげるなり人脈を広めるなりしましょう。 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 363 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 48 44.64 ID Lb8sBZhrO [9/13] 361 Yes 京太郎「よし、学校行くか!」 京太郎「照なんか忘れて……!」 京太郎「照なんか……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 366 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 02 06.95 ID Lb8sBZhrO [10/13] 明華「こんにちは」ニコッ 明華「昨日はおやすみしていましたけど……大丈夫ですか?」 京太郎「あ、勿論大丈夫ですよ!」 京太郎「大丈夫……」 明華「明らかに落ち込んでいらっしゃいますね……」 京太郎「うぅ……」 明華「……」サワッ 彼女の手が俺の頬に触れる。 明華「今度……一緒に唄いませんか?」 京太郎「唄ったら気分が晴れるから……とか?」 明華「Oui!」 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 368 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 14 41.00 ID Lb8sBZhrO [11/13] 明華 107 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 372 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 46 25.72 ID Lb8sBZhrO [12/13] 京太郎「ちょっと……時間潰すか」 智葉「ん?」 智葉「どうした」 京太郎「すこし暇潰しを」 智葉「そうか……」 智葉は思案する。 二度三度京太郎を見てから思い立った事を口にする。 智葉「なぁ……麻雀部は嫌か?」 京太郎「いえ……これからもよろしくお願いします」 智葉「という事は……!」 京太郎「はい、正式に入部します」 智葉「それは嬉しい限りだ」 レギュラー全員の希望が叶った。 京太郎「……メガネ外してると可愛いですね」 智葉「……っ!」カァァァ 威力の強い不意打ち、だったそうな。 0~30 小 31~60 中 61~99 大 375 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 50 44.25 ID Lb8sBZhrO [13/13] ゾロ目ボーナス!! 智葉 121 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 382 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 09 38 33.03 ID j/BmDiVYO 自分の行動が知られるようになりました。 京太郎「よーし、TwitterとFacebookに登録だ!」 --- 京太郎「よし……登録出来たっと」 ピロロン 京太郎「ん?」 京太郎「……メッセージだ、誰だろう?」 安価下3 自由安価 健夜と咲と照以外 ここでの接触は強制前週キャラはありません 386 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 46 56.56 ID 1JHCYstNO [1/2] ビッグスター あなた、うちの学校の前で倒れてたよね きょーたろー え?なんで知ってるんですか? ビッグスター だって私が第一発見者でテルーに報告したんだから きょーたろー ありがとうございます ビッグスター じゃあ今度お菓子でもおごってよ きょーたろー お安い御用です! ビッグスター じゃあ今度私の学校来てねー ビッグスター 顔は私が覚えてるからだいじょーぶ! 京太郎「照さんの事……知ってるし悪い人ではないだろう……多分」 387 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 47 42.08 ID 1JHCYstNO [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 394 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 05 46.22 ID Lx3yXQmKO [1/3] ヤンデレにならなきゃあ良いんですよ!ヤンデレにならなきゃあ! 京太郎「雀荘行くか」 0~20 すこやん 21~40 うたたん 41~60 のよりん 61~80 はやりん 81~99 かいのん 396 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 29 38.32 ID Lx3yXQmKO [2/3] 良子「さぁ……打ちますか」 京太郎「あなた……プロの」 一度会った事あったな。 良子「ふむ……酷い物が憑いてますね」 京太郎「へぇ……」 良子「これは怖い怖い」 良子「祓ってあげましょうか?」ニコッ 京太郎「……」 良子「……」 良子 好感度判定 安価下 405 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 23 46 37.21 ID T3vhuWAfO 良子 好感度max 依存度max 顔が酷く歪んでいた……気がする。 良子「そうだ。私の家に行きましょう」 良子「私の家なら“道具”も揃っている。きっと祓えますよ」ニコニコ 京太郎「“戒能”プロの家かぁ……」 きっと高級マンションの最上階とかなんだろうなぁ…… 良子「……」ピクッ 良子「善は急げですよ?」 良子「今こうしている間にも……」 真剣な眼差しで見つめる。手をしっかりと握って…… 0~90 「分かりました。お願いします」 91~99 (あれ……俺の知っている戒能プロと口調が違う?) 410 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 16.18 ID cayVmblrO [1/18] ??? 依存度2/10 エピローグ キュルキュル 京太郎「ここが戒能さんの家かぁ……」 高層マンションの最上階。 窓ガラスは綺麗な夜景、笑顔の京太郎と……良子を映していた。 良子「いつもこの景色は独り占めしてきましたが……」 キュルキュル 良子「さ、早く祓いますよ」 京太郎「お願いします」 良子「目……瞑ってください。」 京太郎「はい」 シュルシュル キュッ 良子「はい」 京太郎「目隠し……ですか?」 良子「はい、簡易的な物ですが」 良子「……」ブツブツ 京太郎「……」 良子はお経のような……独特な言葉を小さな声で読んでいく。 そしてーー 411 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 44.15 ID cayVmblrO [2/18] キュルキュル 照「京太郎……」 キュルキュル 412 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 42 21.59 ID cayVmblrO [3/18] 京太郎「照っ!!」 照「大好きだよ……」 京太郎「照っ!」ダキッ ギュウウウウ 照「あ……激しい」 キュルキュル 照「来て……私……初めてだよ」 キュルキュル ドロォッ 京太郎「っ!」 京太郎「照っ!」 視界が歪む、照が崩れる、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もーー 照「イエス……グッドですね」 414 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 45 52.05 ID cayVmblrO [4/18] 京太郎「うわぁぁぁっ!」 良子「大丈夫……ですか?」 キュルキュル 良子「ひどいドリームにうなされていましたが」 京太郎「俺……戒能プロにお祓いしてもらって」 良子「お祓いは成功……ですよ?」 京太郎「ああ、それなら良かった」 良子「……」ニコッ 京太郎「照」 良子「そうですよ、京太郎」 カンッ 417 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 47 49.54 ID cayVmblrO [5/18] 淡とのFacebookTwitter安価は記録されています。 朝から再開 キュルキュル 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 421 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 52 16.58 ID cayVmblrO [6/18] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 423 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 09 05.48 ID cayVmblrO [7/18] ハオ「おはようございます」 京太郎「おはようございます」 ハオ「麻雀、上手になりましたね」 京太郎「そうですか?」 ハオ「ええ、とっても」 京太郎「へへっ……ハオさんに言ってもらえると嬉しいなぁ」 ハオ「私はまだ全然ですよ」 ハオ「そうだ」 鞄を後ろ手に持って踵を返し京太郎に視線を向ける。 ハオ「下手な者同士、今度二人で勉強しましょう♪」 京太郎「はい!勿論です!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 425 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 10 48.36 ID cayVmblrO [8/18] ハオ 139 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 429 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 18 05.62 ID cayVmblrO [9/18] 京太郎「失礼しまーっす」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 431 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 22 50.23 ID cayVmblrO [10/18] ダヴァン「oh!ブラザー!」hahaha 京太郎「ダヴァンさん!」 ダヴァン「教えますネー!」 京太郎「はい!お願いします!」 ダヴァン「……」ニコッ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 434 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 25 50.55 ID cayVmblrO [11/18] ダヴァン 102 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 439 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 32 46.65 ID cayVmblrO [12/18] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 447 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 45 30.97 ID cayVmblrO [14/18] あれー?私のアドレス知ってた? まあな いつ教えたっけ? 内緒だ ふーん 今度白糸台に行っていいか? すぐに全国大会だよ? わすれてたぜ また……テルーに会えるよ、うん 448 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 46 22.53 ID cayVmblrO [15/18] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 453 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 01 30.21 ID cayVmblrO [16/18] 京太郎「街をウロウロするか」 0~50 あらふぉー 51~99 お好きなプロ 456 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 07 28.94 ID cayVmblrO [17/18] 健夜「ああ……」 京太郎「っっ!」ビクッ 健夜「お久しぶりだね、京太郎君」ニコォ 京太郎「お久しぶりですね健夜さん」ギリッ 健夜「うん、大丈夫、怖くないよ」 京太郎「そんな野良猫を呼ぶような事しなくても大丈夫ですよ」 健夜「はぁ……私の物になって欲しいのに」 京太郎「最初はこんな人じゃなかったのに……」 健夜「君の所為だよ、全部」 京太郎「……今日は見逃しもらえますか?」 健夜「……うん」 457 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 08 30.52 ID cayVmblrO [18/18] 夜 京太郎の部屋 prrr 京太郎「ん?電話か」 安価下2 自由安価 前週キャラ無し 461 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 33 49.32 ID 8Fle5fhXO [1/2] 117 明華「あ、もしもし」 京太郎「はい」 明華「一緒に唄うにしてもどこにしますか?」 京太郎「あー」 そうだったな、そんな約束していたな。 京太郎「カラオケとか?」 明華「?」 京太郎「分からないですか?」 明華「カラオケ……」 明華「楽しみにしてますねっ!」 プツッ 京太郎「うーむ……嫌な予感が……」 一日が終わりました 462 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 34 23.93 ID 8Fle5fhXO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 466 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 19 16.97 ID mSAh+wpHO [1/3] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 468 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 37 39.82 ID Ht2BuppNO [1/4] ネリー「おはよ」 京太郎「おう、おはよう」 ネリー「最近元気ないよ?」 京太郎「そう見えちゃう?」 ネリー「うん、ネリー的にもそう見えちゃう」 ネリー「皆心配してるよ」 京太郎「そうか……ありがとな」 ネリー「べ、別に……たまたまなんだからね」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 470 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 41 12.08 ID Ht2BuppNO [2/4] ネリー 98 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 474 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 25 39.54 ID Ht2BuppNO [3/4] 京太郎「……ゴミ拾いするか」 健全な行いをしてこそ健全な人間になれるってもんだ。 --- 京太郎「お、ここにも」ヒョイッ 智葉「感心だな」 京太郎「あ、智葉さん」 智葉「どうだ?ゴミ拾いの方は」 京太郎「中々集まりましたよ、ほら」 智葉「……」 ゴミ袋と俺を一瞥する。 智葉「よくやったじゃないか」 智葉「よし……これから麻雀を教えてやろうじゃあないか」 京太郎「お手柔らかにお願いします」アハハ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 476 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 28 48.87 ID Ht2BuppNO [4/4] 智葉「……」ジュルリ --- 智葉 151 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下2 480 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 15 59 23.68 ID mSAh+wpHO [2/3] 京太郎「街をうろうろするか」 0~50 良子 51~99 お好きなプロ 482 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 16 09 08.65 ID mSAh+wpHO [3/3] 咏「おっ君は……須賀京太郎……君だったかな?」 京太郎「三尋木咏プロがどうして俺の名前を?」 --- ファミレス 咏「とある人から君の事をよくきいてたんだよ、しらねーけど」 京太郎「あ、そうだったんですか」 咏「で、見かけたらすぐ連絡を寄越せって」 京太郎「……!」ジリッ 咏「まぁ面倒だしそんな事しないよ、わっかんねーけど」 京太郎「……」ホッ うたたん 好感度判定 安価下 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 16 14.59 ID MtPd7yv3O [1/11] うたたん 72 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 48 58.79 ID MtPd7yv3O [4/11] 京太郎「こんな人……居たっけ?」 --- あのー へえ え?誰ですか? ううん、気にしないで ? 大丈夫 よく意味が分からないんですけど…… よろしくね --- 穏乃好感度上昇安価 安価下 0~30 31~60 61~99
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特別編 彼女達とネト麻 穏乃「んー……んん?」 憧「おっ、シズがネト麻なんて珍しいわねー」 穏乃「私だってネト麻くらいやるよ。和とだってやろうって約束したし」 憧「その割にはなんか浮かない顔じゃない?」 穏乃「んー……何度探しても京太郎が見つかんなくてさー」 憧「京太郎?あぁ、永水のね」 穏乃「あー……最近タイミング悪いのかなー……」 憧「そういう日もあるわよ。次、代わってくんない?」 穏乃「今代わるよー、はい」 憧「ん……アレ?京太郎ってこの人じゃない?」 穏乃「あぁー!?なんで今来るの!?」 照「…………」カチッカチッ 照「…………」カチカチッ 照「……違う」ゴゴゴゴゴ 菫「……どうしたんだ?あいつ今日ネト麻しかしてないぞ?」 尭深「なんかお目当ての対戦相手がいないらしくて、当たるまでやるって言ってて」 菫「まぁ引退後だからいいんだが、なんで軽く威圧感出てるんだ?」 尭深「昨夜もその相手探したけど見つからなかったらしいんで、ちょっと機嫌悪いみたいなんですよ」 菫「なるほどなぁ……昨夜と言えば、京太郎とネト麻の後チャットで盛り上がってな?」 照「!」ピタッ 菫「ついついずっと話してて、あれから対戦できなかったな。まぁ京太郎もだが」 照「菫」 菫「ん、照ネト麻はもう……おいなんだ、どうして試合前の感じなんだお前」 照「ちょっと、麻雀を楽しもっか?」 豊音「んー、あ、京太郎くんいたよー」 豊音「よーし、始めるよー」 塞「豊音もネト麻慣れたねー」 豊音「うん、遠くの人と打てるなんてちょー楽しいよー」 豊音「何より、全国で会った人達とまた打てるのが、ちょー嬉しいよー」ニコッ 豊音「あ、この人すっごいよー」 エイスリン「トヨネ、タノシソウ」 塞「だねー、よし、私達も打とっか!」 エイスリン「ウン!」 良子「ふー、今日もベリー疲れましたねー」 良子「こういう時は癒しが……そうだ京太郎と打とう」 良子「……バッドタイミングみたいですね」 良子「……かくなる上はハイスクールライフの伝統、『きちゃった♪』をやるしか……」 良子「春と相談しつつ計画を立てましょうか」 良子「ふふふっ、私も春のこと言えないかもしれませんねー」 洋榎「絹ー風呂ええでー」 絹恵「分かったわー。あ、お姉ちゃんの携帯鳴っとったで」 洋榎「おー……誰やろ」 洋榎「!?京太郎からのメール!?」 洋榎「いや待て、待つんや。落ち着くんや愛宕洋榎。ここで焦ったら京太郎の思う壺や」 洋榎「これまでたかだかメールで散々あいつにからかわれてきたんや。ここは冷静になって、今度こそ京太郎に勝つんや」 洋榎「せや、ウチならやれる!」 洋榎「京太郎!ウチはあんたに勝つ!!」ビシッ 雅枝「洋榎ー、夜中やからあんま騒がんときやー」 洋榎「はーい」 雅枝(しっかし携帯指差しながら何しとるんやろあのアホ娘……) 洋榎「まずは負けんようにせなな!負けんように負けんように……」 洋榎「……どーやったら勝ちになるんやろ?」 洋榎「……まぁええわ!画像の誘惑に勝ったらそれでええか!!」 洋榎「ほんであの誘惑に勝つには……先になんか食べとったらええか!」 洋榎「よっしゃ!そうと決まったらこないだ買ったアイスでも食うでー!!こんな時間やけど、勝つためや!!」 洋榎「ふぅ、結構ボリュームあったなぁ」 洋榎「普段なら夜中に食うたらアウトやけど……これで勝てるで!」 洋榎「いざ!京太郎、かかってこいやー!!」 京太郎『時間あったらネト麻しませんか?今夜は23時くらいまでならいつでも大丈夫です』画像無し 洋榎「……って画像無しの普通のメールやないかーい!!ウチはなんのためにアイス食うたんやー!!」 雅枝「洋榎!遅くにやかましいで!!」 洋榎「うわ、もう23時も過ぎてるやん!?」 洋榎「ウチのやったことただアイス食うただけ!?おのれ京太郎ー!!」 ※今回京太郎は普通にメールしただけです カンッ!!
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特別編、永水ver とある執事との交流 ハギヨシ『こうやって話すのも久しぶりですね』 京太郎『そうですね。新しい学校やらでこっちも忙しくて』 ハギヨシ『いえいえ、私の方こそ連絡ができず申し訳ない限りです。ところで、今は鹿児島でしたっけ?』 京太郎『はい。元女子校の永水にいます』 ハギヨシ『ほほう、永水ですか……去年のインターハイにお供した時に何度か見ましたが……』 京太郎『……巫女服ですね』 ハギヨシ『巫女服です。それを着ている方々も素晴らしかったです。それを機会に巫女ものが数冊増えたものです』 京太郎『分かります。それと、こっちは暑さからか薄着になるのが早くて』 ハギヨシ『いいですねぇ、こちらはまだまだ長袖の方が多いですよ』 京太郎『こっちで仕入れた素人ものでも今月は送りましょうか?』 ハギヨシ『ふむ、ではそれと水着ものを是非。そちらでなら良質のものが手に入るととある筋からの情報が』 京太郎『水着もの……確かに少し探しただけで良作が多いです。分かりました』 ハギヨシ『ではこちらは巫女ものと……そうですね、個人的なおススメをいくつかご用意しましょう』 京太郎『ええ、ではまたいつものように。品名は「参考書で」』 ハギヨシ『はい、こちらの品名は「月刊誌」でよろしくお願いします』 漢達の友情は決して途切れない こうやって月1でエロ本をまとめて貸し借りしている2人であった カンッ!!
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519 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/25(月) 22 25 10.59 ID NE2j6i/Ao [17/32] HAHA-!ヘイ、マイハンド! なんでそんなご立派なおもちを捏ね繰り回してるんだい? 愚問だなボーイ、そこにおもちがあるからさ! 京太郎「すいませんっしたあああああああ!!!」 その日、俺はきっと初めて空中バク転土下座を行った人になっただろう。 ゴンッと。 額が地面と打つ。 痛い。 でもまずい。 今の、明らかにセクハラだよね? アウトだよね? いや、俺だけがアウトならいい! いや良くないけどもだ! 俺だけがアウトなら、まだ皆に迷惑かけない。 だから、だからここは一つ! 京太郎「お慈悲を!お慈悲を!!」 衆目とか関係ねぇ! もう俺にはプライドなんてないしな! ……やべぇ、本当に涙が流れてきたぞこれ。 そんな俺にかかる影。 見れば、俺の前に膝立ちする小蒔さんの姿があった。 小蒔「京太郎様、頭を上げてください」 京太郎「いやでも、小蒔さん」 小蒔「お忘れですか?」 手を握られる。 そのまま、小蒔さんの頬に手を。 まるで猫が体を摺り寄せるように、頬ずりする。 小蒔さんは、にこりと、笑っていた。 小蒔「私の全ては、京太郎様のものなんですよ……?」 そう、何処か10代の少女が放つとは思えない。 妖艶な笑みを以って。 笑っていた。 526 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/02/25(月) 22 26 53.17 ID NE2j6i/Ao [18/32] チッ 547 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/25(月) 22 37 59.34 ID NE2j6i/Ao [19/32] 京太郎「え?」 宥「ど、どうしたの?京太郎君?」 何か、聞こえたような。 いや、気のせいか。 そこで気づいた。 妙に意識がはっきりしている。 さっきまで、何かに“魅了”されてたみたいに、目の前の女の人にしか目が行かなかったのに。 兎に角――――どうやら、小蒔さんは問題ないらしい。 俺は謝罪を一つ。 そのまま宥さんと店へと行く。 背中に、笑顔でこちらに手を振る小蒔さんの視線を受けながら。 俺は妙な違和感と共に。 そこから、立ち去っていった。 ……あれ? 何で、俺はあの人の名前を―――― シロ「……知り合い?」 小蒔「はい!とても大切な人です!」 シロ「そっか……だる……」 小蒔「“今回”はシロさん、気にしないんですか?」 シロ「え?」 小蒔「いえ――――それなら、いいんです」 シロ「ふぅん……」 シロ(なんか、知ってる顔だったなぁ、きょうたろー) 555 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/25(月) 22 41 08.92 ID NE2j6i/Ao [20/32] 【8月20日:昼】……昼と夜は鶴賀と風越の皆さんと練習ですのよ 朝の出会いはさて置いて。 俺は部屋の片隅で宥さんのマフラーを補修しつつ、今も賑やかに卓を囲む面々を眺めていた。 偶然、と言うには運命的かも知れない。 今、卓を囲む面子。 それは清澄高校と決勝戦で争った強豪たちなのだ。 明日に迫る準決勝。 阿知賀は白糸台、千里山、新道寺と卓を囲む。 2回戦ではしてやられた、というのが本音だろう。 千里山一校に弄ばれたという感が否めない試合だった。 そのための対策。 一日で何処まで出来るか。 そう問われれば、俺に答えれることは無い。 全員、俺以上のセンスを持つ人ばかり。 それに俺の常識を当てはめる方が間違ってるだろう。 そんなことをちくちくと編み物しつつ考える俺。 ……うん、まぁあれだ。 時期が夏なのにマフラー弄ってるとか、女の子ばかりの部屋で男が編み物してるとか、言いたいことは分かる。 浮いてるってレベルじゃないよな、うん。 正直言うと視線がそろそろ辛いです…。 そんな俺だったが、今現在。 丁度空き時間なのだろうか。 こっちに穏乃、鷺森さん、玄さんが来るのが見えた。 穏乃「京太郎、何やってるのー?」 京太郎「見りゃ分かるだろ」 灼「相変わらず器用だね、須賀君」 それぞれがからかうように。 しかし興味有り気に俺の手元を覗き込んでいる。 京太郎「掃除に洗濯、料理に作法、悲しいけど何でかこういうのだけは身につくのが異常なんですよねー」 灼「……主夫にでもなるの?」 京太郎「それもいいかも知れませんね……」 ふふふ、と笑う俺。 でっかい汗を浮かべる鷺森さんと穏乃。 そんな俺に唐突に、あっけらかんとした声が割り込む。 玄「じゃあ京太郎君、ウチの旅館でよければ就職面倒見るよ?」 784 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 21 11 23.27 ID 1uZxanBCo [4/29] 京太郎「へ?」 穏乃「京太郎、玄さんところで働くの?」 灼「……大胆?」 玄さんの発言。 それに三者三様の反応を見せる俺たち。 いやいや、いきなり過ぎるいきなり過ぎる。 玄さんは玄さんで「?」というマークを頭上に浮かべてるし、鷺森さんはジト目だし、穏乃は普通にそういうもんだと思ってるし。 玄「え?え?なにその反応?」 灼「いや、なんというか…ちょっとこっち」 玄さんが鷺森さんに手を引かれていく。 数秒後、ぽんっと。 顔を赤くする玄さん。 はて、なんだろう? 勢いよくこっちに来てるんだけど。 玄「違うからね!?そういう意味じゃないからね!?」 京太郎「何がですか?」 うん、わかんねーわ。 わっかんねー全てがわっかんねー。 788 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 21 17 12.44 ID 1uZxanBCo [5/29] 【8月20日:夜】 少女、新子憧にとって――――正直に語ろう。 須賀京太郎という存在は、信用におけない存在だった。 昨年まで女子高。 その中に入ってきた、未だに異物である男子。 見た目も金髪と、チャラそうだ。 そんな第一印象だったのは認めよう。 男慣れしていないからこその距離感。 京太郎が麻雀部に入った当初。 その距離感を作って接していたのは、事実だった。 憧(ま、そんなの考えすぎだってのは今だからこそ言える話なんだけど、ね…) 憧は、己の前を行く京太郎を見る。 明日の試合中に消費する物の買い出し。 そうして外に出ようとした京太郎に散歩名義でついて行く自分。 気づけば、気心知れた仲―――流石にシズや玄さんほどじゃないけど―――になっている。 こいつは―――京太郎は、不器用だ。 人の好意に気づかない不器用な奴だ。 今日の昼間だって、普通に聞こえるような玄さんの言葉。 それも彼女の表情と合わせれば、別の意味があるように感じるだろう。 京太郎は優しい。 皆に接する時は何時も笑顔。 そうして無自覚に、こうして当てられていく。 所謂、魅力、という奴だ。 京太郎は不思議な魅力に満ちている男の子だった。 だから玄さんも、ああしてそんな言葉が出てしまうのだろう。 それがとても悔しい。 自分は素直じゃないから。 素直になれないから。 玄さんという男女変わらず笑顔を振りまける、積極的な人。 京太郎とはお似合い、なんだろう。 それがたまらなく憎い。 846 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 22 34 33.53 ID 1uZxanBCo [12/29] 憧「え……」 京太郎「どうした?」 憧「な、なんでもないわよ!」 京太郎「そ、そうか?なんか顔、怖いぞ」 憧「大丈夫……大丈夫よ」 何を、考えてしまったのだ? 今、とても。 ……とても、考えちゃいけない。 そんなことを、考えてしまわなかったか? 思わず、額を触れる。 冷たい。 おかげで、正気に戻れた。 大丈夫。 うん、大丈夫。 私は私、何時もどおりだ。 何時もどおりになれる。 きっと明日も、笑って。 笑って、京太郎や皆と会話できるだろう。 それが、楽しいのだから。 本当に? 860 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 22 42 50.52 ID 1uZxanBCo [15/29] 【8月21日:朝】準決勝ですのよ 穏乃「準決勝だー!!」 憧「はいはい、シズ。行くわよー」 京太郎「やれるだけはやったしな、二人とも」 朝。 ホテルのロビーに真っ先に集まった俺たちはサービスのコーヒーが入った紙コップ片手に佇みつつ、会話を交わす。 準決勝だ。 もう、決勝戦の手前。 その日が来たんだ。 そう思うと、妙な高揚感がある。 なんというか、あれだ。 京太郎「気づけば、こんなとこまで登ってきちまったんだなぁ…」 憧「実際に登ったのは私たちだけどね」 京太郎「ぐふぅ!?」 こ、言葉の槍…。 ……泣いてないぞ。 穏乃「まったまた~、憧ってば照れちゃって」 京太郎「へ?」 憧「ちょ、シズ!!」 穏乃「京太郎の頑張りを何気に一番評価してるのって憧じゃ―――」 憧「ふんっ!!」 穏乃「いったぁぁぁい!?」 振り落とされる拳骨。 それが直撃した穏乃が頭を抱えてしゃがみ込む。 うん、あれはマジだったな。 憧「余計なこと言わないの!!こいつが調子に乗ったらどうすんのよ!」 こいつって俺か? 俺のことなのか? ……俺だって聖人じゃないぞ。 こうまで言われれば、反撃だってしたくもなる。 憧め、目を見開くといいわ…! 913 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 23 06 28.22 ID 1uZxanBCo [20/29] 憧「全く、シズったら……」 京太郎「憧……」 憧「何よ?言っとくけど、さっきのは全部シズの出任せ―――」 京太郎「お前、本当にいい奴だな」 憧「ふきゅ」 にこやかにそう笑いかける。 恐らく生涯で一番の笑みだろう。 その自負がある。 なぁに、向こうが俺を調子に乗らせないって言うなら簡単だ。 俺はただ素直に感謝すればいい。 がはははは、憧め! 罪悪感でも感じてくれればやりやすいぞ!! 京太郎「憧、ありがとな。俺、もっと憧に認めて貰えるように頑張るからさ」 憧「……」 京太郎「……?あ、憧ー?」 憧「――――きゅぅ」 穏乃「憧が倒れたぁぁぁ!?」 京太郎「何ぃぃぃぃぃ!?」 え、ちょ、何で!? 919 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 23 09 04.85 ID 1uZxanBCo [21/29] 【8月21日:昼】準決勝ですのよ 準決勝。 現在は中堅戦の真っ最中、というところだ。 俺は穏乃と一緒に会場内を移動しつつ、あとどれくらいだろうか、と考えた。 京太郎「白糸台の渋谷さんの役満も怖いけど、千里山の江口さんがやばいよなぁ」 穏乃「火力あるからねー、先鋒で取れなかった分稼ぎ直してるって感じだね」 俺と穏乃の手にはジュースのボトル。 買った量が少なかったこともあり、結構早く切れてしまった。 そんなこんなで穏乃に手伝って貰い、買いにきたのだ。 だけど宥さん、この時期にホットは厳しいっすよ、探すの。 いや、なんとか見つけましたけどね。 しかし、あれだ。 こう暑いと海とか行きたくなるな。 長野に住んでた頃なんか、海なんて新潟にでも抜けないと行けなかったしなぁ。 個人的には川なんかでもいいんだけど。 川水浴とか、案外風流な気がしなくもない。 小蒔「海でしたら、昨日タイミングが会えば一緒に行けましたのに」 京太郎「いやぁ、そいつは残念でしたよ」 小蒔「はい、とっても」 京太郎「はっはっは……」 小蒔「うふふ……」 京太郎「……」 小蒔「………」 京太郎「………何時の間に?」 小蒔「京太郎様が海に行きたそうな顔をしていた時からです」 すげぇな神代さん。 ステルスと読心術使えるのか。 って違う!! 穏乃「あれ、その人誰?京太郎」 京太郎「え、えっと……」 小蒔「さあ……ご想像にお任せしますね?」 京太郎「……いや、本当にどういう関係でしたっけ!?」 おかしい! なんかおかしいぞ!! 俺、この人がこうだっての受け入れてねぇか!? あ、あれー? 951 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/28(木) 23 31 24.23 ID 1uZxanBCo [25/29] 【8月21日:夜】準決勝終了ー 長い戦いが、終わった。 ああ、なんというか。 見てるだけで疲れる、というような展開だった。 それは確かだろう。 かなりの激戦だったのだ。 準決勝大将戦という戦いは。 京太郎「まぁ……」 穏乃「うん…」 灼「そうだね……」 宥「終わった、んだよね……」 そうだ、終わった。 あの長い戦いは。 俺たちが、決勝に足を進める、という形で。 胸にあるのは、寂しさにも似た感情なんだろう。 燃え尽き症候群。 そういうのと似てるかも知れない。 穏乃は、大将戦の熱が冷めてしまったから。 鷺森さんは、師の思いを決勝に繋げれたから。 宥さんは、きっとそんなことはなく、ふんわりと微笑んでるだろう。 誰かが言った。 頂上が見えると、人は安心する。 それと同時に、虚無感を覚える。 有名なプロ雀士の言葉だったような、違ったような。 それを置いても、俺は顔を叩き「よっしゃ!」と声を張り上げた。 京太郎「次、決勝ですよ!決勝!!」 穏乃「お、おー…?」 灼「あ、そうだね……そっか、決勝だ……」 宥「うん、決勝だね」 京太郎「穏乃、鷺森さん、しっかりしてくださいよ……」 ……いかんなぁこれ。 気力を回復。 それが明日にでもやんなきゃいけないことかも知れないな。 540 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/04(月) 21 34 38.90 ID CR+GJ5Z2o [14/39] 【8月22日:朝】 準決勝から一夜明けて。 俺は眠りが浅かったせいか、妙に早く目を覚ましていた。 シャワーでも浴びれば良い時間になる。 そんな思いもあったが、結果としては本当に時間に変化は無い。 カラスの行水。 そんなつもりは無いけど、あれだ。 女子の入浴と比べればやっぱりそういう時間差はあるだろうな、うん。 飯まで時間あるし、散歩でも行くか。 そう思って俺は部屋を出る。 しかし、あれだな。 昨日の熱気がまだ体に残ってるみたいだ。 寝つきが悪かったのも、きっとそれだ。 極度の興奮状態、とか。 そういう感じ。 他の皆は寝れたんだろうか? 俺であれだから、あんまり寝れてない気がするんだけども。 そんなこと考えながらホテルの外に出ると、見覚えのある背中。 宥さんと、穏乃だ。 その二人並んだ間から見える少女。 なんというか、絵本の中から出てきたような、そんなふわふわな……あれだ、ゴシックロリータ?とかいうファッションだろうか。 そんなレースを多く使った服に身を包む小柄な少女と、目が合う。 目が合ったのは片目だけ。 眼帯のように、リボンで少女は右目を覆っているのだ。 前者の服装と合わせ、個性的。 いや、個性的というかもはや属性の塊みたいな感じだ。 そう、これで中高年生がかかるという一種の選民的思想。 所謂中二病だったら数え役満だ。 例えば、「“ご機嫌いかが(ハロー)”――――“怪物さん(モンスター)”」とか。 ……怪物で白糸台の照さんが思い浮かんだ俺は、悪くない。 京太郎「二人とも、どうしましたー?」 この間、わずか数秒ッ! そんなナレーションを合間に挟みつつ、俺は宥さんと穏乃に声をかける。 二人も気づいたのだろう。 こちらに振り向くと、それぞれ声をかけてくれた。 穏乃「おはよ、京太郎」 宥「おはよう、京太郎君」 567 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/04(月) 22 15 03.71 ID CR+GJ5Z2o [18/39] 京太郎「うっす、おはようございます……それで、そちらの人は?」 宥「前に、練習に付き合ってくれた東海王者の対木さん」 穏乃「個人戦にも出てるんだよ!」 京太郎「あ、その節はどうも…」 俺が居なかった時の知り合いだったか。 ぺこりと俺が頭を下げると、向こうもぺこりと頭を下げる。 服装はあれだけど、髪型と体格が知り合いに似ている。 今のお辞儀も、何故かあいつを思わせた。 ぺっこりん。 もこ「………」 その思い返すような視線。 それに気づいたのか、こちらを見上げる片目がくりりと丸い。 思わず見返す。 見つめあう俺と対木さん。 ……何故か、急に顔を逸らされたけど。 何でだろうか。 573 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/04(月) 22 22 43.89 ID CR+GJ5Z2o [19/39] 【8月22日:昼】 何やらぼそぼそと呟きつつ、ふらふらとどこぞに行ってしまった対木さん。 それを見送った俺たちは皆と朝食を済ませ、それぞれ自由行動となっていた。 とは言っても、俺は個人行動にならないのだけれど。 宥さんと穏乃。 その二人とよく接触するのだ。 俺は今も一緒にいた。 やってることはそれぞれ別だけど。 京太郎「あの」 穏乃「え?どうしたの?」 宥「京太郎君?」 京太郎「あ、穏乃。用事は宥さんにあるんだ」 穏乃「あ、ごめん…」 宥「それで、何かな?」 妙にうれしげな宥さん。 しょぼくれる穏乃。 それからしばらくして、今度は逆パターン。 穏乃に用事があると、宥さんが落ち込む。 そんな循環に陥っているのだ。 なんでだろう。 俺、何も悪いことしてないよな? 実に居心地悪いぞ、これ。 いや、そんなことないか? 二人とも笑顔だし。 うん、あれだ。 気のせいだな。 二人のタイミングが妙に被った。 それだけに過ぎないんだろう。 うんうん。 仲の良い姿しか見えないし、きっとそうだろうな。 619 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/04(月) 22 47 00.42 ID CR+GJ5Z2o [23/39] 【8月22日:夜】 灼「ということで、明日は予定通り決勝に向けての調整、ってことで……」 灼さんの一言。 それによって会議が終わる。 風呂がまだだったのだろう。 穏乃と玄さんが真っ先に部屋を出て行き、残ったのは俺、灼さん、憧、宥さんだ。 何するか。 そう思ったが、ここは俺の部屋。 皆が居なくならないと私事も出来ないだろう。 見れば、宥さんは俺のベッドの布団に包まって震えている。 憧は牌譜と睨めっこ。 灼さんはグローブの手入れ中だ。 というか宥さん。 それかなり雀の涙な気がします。 夏の布団なんて薄いもんばっかりですしおすし。 そんな願いは通じる訳も無い。 無為に過ぎていく時間。 不意に、灼さんが口を開いた。 灼「決勝……」 その呟き。 一日が過ぎて、実感する。 今は、決勝に備えている。 その事実に。 それぞれ、敗退していった相手高校との知り合いも出来ていた。 負けるな。 そう背中を押された人も居る。 阿知賀はそれが特に顕著だろう。 全国各地で、そう背中を押されていったのだから。 憧「やれるだけ、やるしか無いですよね」 宥「うん……そうだね」 灼「色んな人の思いを背に、受けてるからね」 くすりと、笑う。 なんというか、うん。 なんか、気持ちのいい空気だ。 これがずっと続けば、いいな。 675 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/04(月) 23 08 51.47 ID CR+GJ5Z2o [32/39] 【8月23日:朝】 ――――京太郎君は、ひどい子だ。 いつも皆の視線を集めている。 ほら、今日もまた。 シズちゃんも、憧ちゃんも、玄ちゃんも、灼ちゃんも。 京太郎君に視線を向けている。 無自覚な優しさ。 それに気づけば惹かれているのだ。 皆も。 私も。 それがとても嫌なことだ。 そう思う自分が居る。 最初は認めたくなかった。 嘘だ。 こんなことを考えるなんて、私じゃない。 きっと私の中にもう一人の私が居るんだ。 そうじゃなきゃ、あんなこと思わない。 皆が京太郎君に向ける顔。 その笑顔がとても汚いものに見えたなんて。 ああ、駄目。 そんなのは嘘にしか思えない。 でも。 こうも思うと、納得してしまう。 『皆は、敵なんだ』 その一言。 それだけで何も悩まず、断じることが出来る。 玄ちゃんも、シズちゃんも、憧ちゃんも、灼ちゃんも。 そして、もう一人増えた巫女さんも。 全部敵。 全部、敵。 820 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/03/06(水) 23 59 15.57 ID xgRrhZ2go [2/2] そっか。 敵は、倒さなきゃいけない。 京太郎君を私から離してしまうのなら。 “○○”しても、離さなきゃ。 だって、京太郎君はあったかいから。 あったかいから。 他の人にそれを取られたく、無いなぁ。 ………そうだ。 取られたくないなら、取られない方法を取ろう。 例えば、京太郎君を取られないように隠しちゃうとか。 例えば、もうあの子たちが京太郎君の前に出れないようにしちゃうとか。 例えば、京太郎君が私を必要としてくれるようにするとか。 ふふふ、と。 口元をマフラーに隠して笑う。 そうだ、そうしよう。 いっしょに、あったかくなろう。 そうすれば、京太郎君だって。 京ちゃんだって、“私”から離れていかないよね? ね……? 823 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/07(木) 00 03 37.32 ID 7H4LaEISo [1/17] 【8月23日:昼】 朝。 俺はまた偶然と出会った巫女さんこと、神代さんと会話を交わした。 言ってることは何かとあれだったが、そこに悪意なんてものは無い。 むしろ何処までも楽しげで、微笑ましい気持ちになる。 そんな気持ちのまま迎えた、今日。 俺は穏乃と会話したり、また今では宥さんと会話していた。 やることはある。 というより、ここまで来ると慌てて動く方が逆効果だ。 決勝は明日。 それに備えるというのも、メンタル面での調整の仕事だ。 まぁ、と俺は思う。 穏乃が一番リラックスしているだろう。 逆に玄さんはまだ固い。 それを払拭するため、憧と灼さん、赤土さんが付きっ切り。 宥さんと共に過ごしている時間が長いのも、それが理由かも知れない。 しかし、あれだな。 なんというか、二人っきりってのは恥ずかしい。 宥さんがにこにこしてる、というのもある。 それもあるが、なんというか。 ……なんというか、宥さんが近い。 距離が妙に近いのだ。 ソファーは3人がけ。 余裕はあるけど、近いぞこれ。 宥「京太郎君」 京太郎「な、なんでしょう」 宥「……ごめんね、何でも無いの」 くすくす、と笑う宥さん。 からかわれた、のか? 子供っぽく笑う宥さんにそんな感情が浮かぶ。 いや、むしろギャップがあって非常にいいのだけれど。 それからまた時間は過ぎていく。 気づけば、宥さんは俺の肩に頭を預けて眠っていた。 ……やばい、ちょっとずつずれておもちが当たってる……!! 848 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/07(木) 00 28 51.67 ID 7H4LaEISo [4/17] 【8月23日:夜】 京太郎「………はっ!?」 いかん、寝てた!? 俺はソファーに背を預けたまま上を向いた状態で寝ていたらしい。 ゆっくりと、妙に固まった首を解しつつ曲げる。 そうだ。 宥さんが寄りかかってきて、動こうにも動けなかったからそのままにしていて。 気づけば、寝てた……のか? たぶん。 きっと。 俺は腕時計を見る。 だいたい、一時間くらいか? そんなには寝ては無いらしい。 そこまで考えて、体が違和感を感じる。 なんか、体に乗ってる。 視線を、下に。 見れば、そこには宥さんの顔。 ……ああ、そういうことか。 ずれて、俺にしな垂れかかってる感じなのか。 いやーっはっはっは。 京太郎「憧に見られたら殺される……!!」 宥さん!宥さん! お願いします! 起きてください!! ああくそ体全体があったっけぇな!! 宥さんの体やわらけぇなぁ!! しかも「ん…」とか色っぽい声漏れてますから! やめてください、しんでしまいます。 宥「あったかぁい……」ギュッ さらにきつくホーミタイ入りましたぁ!! 893 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/07(木) 00 56 04.16 ID 7H4LaEISo [10/17] 【8月24日:朝】決勝戦は朝~昼なのよー 決勝戦、当日。 思えば、遠くに来たものだ。 そう俺は思っていた。 決勝戦だ。 決勝戦。 この時点で、阿知賀の皆は全国において4位の地位。 そこに納まっている。 その道。 思い返せば数ヶ月しか俺には無い。 だけど、その中で皆が積んできた努力。 それは知っている。 努力した。 苦心した。 足掻いた。 上を向き続けた。 決して諦めなかった、時間だった。 その努力が。 願いが。 報われる時が来たんだろう。 俺は朝早くから自分の仕度を終え、一人牌譜を眺めていた。 今の俺が出来ることは無い。 これだって、落ち着くためだ。 ふぅ、と息を吐く。 こういう時、何か出来ればいいんだけどな。 一つのことに集中すると気がまぎれるし。 そう思ってたとき、部屋をノックする音。 はて、誰だ? そう思いつつ、俺はドアを開く。 そこには、シャツとスカート姿の宥さんが居る。 ……あれ? セーター着てないぞ? 宥「こ、こここにわすれれちゃっててて……!」ガクガク 京太郎「ちょ、取り合えず中に入ってください!」 身を抱いてガタガタ震える宥さん。 シャツ一枚だからこそ分かるおもち。 実にすばらである……って違う!! 974 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/07(木) 01 47 10.16 ID 7H4LaEISo [14/17] 俺は宥さんを部屋に招き、そして部屋を探す。 セーター、セーター。 あった、椅子の裏。 それを拾い上げて、俺は宥さんの元に。 ちょっと目を離した隙に人の布団に丸まってる宥さんの前にセーターを持っていくと、セーターがすっぽりと引き込まれていった。 あれだ。 巣穴にひまわりの種を溜め込むハムスターみたいな、そんな感じだ。 もぞもぞと脈動する布団。 内部から微妙に聞こえる衣擦れ音。 なんというか、うん。 青少年の育成に多大な影響を及ぼしそうな感じだ。 きっとそうだろう、そうに違いない。 しかし、その脈動は止まる。 それに思わず、不審顔。 はて、一体どうしたんだ? 宥「………すぅ…」 京太郎「寝ないでください!!」 宥「あう」 こ、この人。 油断も隙もねぇというか、なんか変だぞ!? 誰だって、負けたくない。 負けて悔しいと思わない人間なんて、いない。 その感情の変化する先。 それが怒りなのか、悲しみなのか、屈辱なのか。 それは千差万別、人それぞれだ。 玄さんは、その中では“悲しみ”へと感情が向かう人だった。 本選第二回戦でも、悲しみに包まれた人だった。 今回の、試合。 決勝卓。 それは言うならば、殲滅だった。 照さん―――宮永照。 彼女によって、決勝卓の先鋒は今まで以上の混沌を示していたのだ。 玄さんは火力を抑えた。 清澄―――片岡選手は火力を捨て、速度を上げた。 臨海―――辻垣内選手はその両者のサポートを受け、照さんを押さえ込んだ。 恐らく、千里山の園城寺さんや花田さん以上に。 だけども、それは届かない。 結果としては。 点を失う清澄と阿知賀。 少しながらも+出資に持ち込んだ臨海。 そして、2回戦、準決勝と同じように稼いだ白糸台。 それに明確に分かれた、試合だった。 絶対王者。 それがまさに白糸台なのだと。 そう示すように、無言で試合終了のブザーに耳傾ける照さんの姿が、印象的だった。 宥「―――それじゃあ、行ってくるね」 宥さんが立ち上がる。 その時、俺に小さく目配せ。 それが意味するものを理解して、俺も立ち上がる。 見れば、とぼとぼと。 歩いてくる玄さんが見えた。 宥さんを視界に、玄さんが移したと同時にぽたりと。 涙が零れ落ちる。 あんなに頑張ったのに、と――――そう叫ぶように。 玄さんが、宥さんの胸に顔を落としていた。 209 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 22 07 55.35 ID jKLDaReGo [4/17] 《間もなく、決勝戦次峰戦が開始します。選手は卓に移動してください》 京太郎「……宥さん」 宥「うん……玄ちゃんを、お願いね」 アナウンス。 それと同時にゆっくりと、宥さんが玄さんの肩を押す。 引き離すように、しかし、優しげに。 玄さんはまだ泣いていた。 泣いていたが、自分のやるべきことも理解していた。 震える声で。 宥さんへ、笑いかけていた。 玄「がんばって――――お姉ちゃん!!」 宥「うん、お任せあれっ♪」 そう、お茶目に笑みを浮かべる宥さん。 それに小さく、玄さんが笑う。 そうして、宥さんが去っていった後。 俺は小さく笑みを顔に貼り付けたまま玄さんに話しかけようとして――――その表情に、体が硬直する。 玄さんの表情。 先ほどの小さな笑みはない。 あるのは、暗い感情だろうか。 恐怖とも言えるだろう。 自分の全てを否定された、そんな顔だ。 玄さんの全てを否定し、排除された。 そういう、試合だ。 今、玄さんは所謂虚脱状態。 無力感に包まれているのだろう。 言葉をかける、ということが出来ない。 俺は何も出来ないのだから。 今、この場で彼女を理解できる人である宥さんは試合へと行ってしまった。 だから。 だから、今の俺が出来ること。 それは――――。 京太郎「………玄さん、散歩にでも、行きませんか?」 210 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 22 16 56.49 ID jKLDaReGo [5/17] 会場の外に出る。 少し曇り空。 もしかすると夕立になるかも知れないな、と思う。 前を行く俺。 後ろについてくる、玄さん。 暫く歩く。 歩いて、立ち止まる。 ベンチ。 そこに何も言わず腰掛けると、玄さんも隣に腰掛けた。 さて。 会場内に居るよりは開放的。 そう思って連れ出してみたが、どうしようか。 正直、ノープランだ。 ただ言えるのは、俺は女の子の涙が苦手であるということ。 そしてもう一つ。 俺には、これくらいしか出来ないということ。 気づけば、玄さんの肩を抱き寄せて。 俺は自然と、頭を撫でていた。 怒るかな? そう思ったけれど、そうじゃなくて。 静かに、とても静かに。 涙を流す、玄さんの嗚咽。 それが俺の耳に、響き渡っていた。 時間は、そろそろ中堅戦になるだろう。 でも、今は。 今くらいは、皆を信じてここに居たい。 玄さんが、笑顔で皆の下に戻れるように。 きっと。 { | | 〃〃 .. ; .. 〃〃 ! | } { i | |i ′ | } リ | 从 ____ 从 j } { | . {个 ... `ー´ ... 个 / リ ニタァ… { 八 乂........〕ト r<......} / 八 { \(⌒^..........`"""""´.........ノイ / \ 八 「`.................................................八 /"', 丶 / V V.............................................../ /......} ,. / √V V゙"*。.,.............................../ /"""`ヽ ′ / | V V i""""了i'""""/ / Y , 237 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 22 38 00.94 ID jKLDaReGo [6/17] そうして、俺たちの夏は―――終わる。 決勝卓、決勝戦。 そこで起こる、一つの戦い。 その結果は、語るべきじゃない。 誰も、知っている。 そこには勝者と敗者。 そのどれかに分かれていたのだから。 一つ、最後に言うとすれば。 俺たち、阿知賀は。 全員が全員、笑顔で。 笑顔で、その結果を受け入れていた。 その事実が、あった。 ホテルへと戻る。 どんちゃん騒ぎをしてからで、皆部屋に戻っていた。 当然、俺も。 しかし、こう終わってしまうと寂しい。 花火も、桜も。 ぱっと咲いて、ぱっと散る。 そんな刹那的な輝きに魅せられる日本人の感性だろうか。 今もそんなものだ。 祭りは行くまでが一番楽しく、終わった後は空しい。 そういうのは、本当に楽しめたから。 きっと、そうだからだ。 京太郎「………はぁ」 ぼふん。 ベッドに倒れこみ、俺はため息を一つ。 これはこれで、妙な感覚だ。 俺だって、阿知賀の一員なんだ。 それを再度実感するような、そんな感覚。 きっと、来年も。 来年は、きっと。 京太郎「……って、ノック?」 なんだなんだ? 今朝に似たような展開があった気がするぞ? そう思いつつ、俺はドアの鍵を解除した。 239 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/03/09(土) 22 40 47.84 ID jKLDaReGo [7/17] / `ヽ, / , ′ / / { ′ , / ′ { │ ′ │{ │ | | { ノ !八 トミ ! | } ―――こんばんは、京太郎君 │ { | | \ | l\ . | | } { | 从 |\|i \|\| \ | | } { | ! 斗云f f云ミ `| | } { | | しzノ しzノ | | } { | | 〃〃 .. ; .. 〃〃 ! | } { i | |i ′ | } リ | 从 ____ 从 j } { | . {个 ... `ー´ ... 个 / リ { 八 乂........〕ト r<......} / 八 { \(⌒^..........`"""""´.........ノイ / \ 八 「`.................................................八 /"', 丶 / V V.............................................../ /......} ,. / √V V゙"*。.,.............................../ /"""`ヽ ′ / | V V i""""了i'""""/ / Y ,. / | V | 乂___ノ ,乂___/ / / } ′ / | }ノ} | {_____} {_____{ { / 八. / { | } 八 V / { { .′ /.....\j } {/i{ 叭i jイ八` ∨ / 乂{ヽ{ /.............} ノ { 八 {...{ ´ \ V / /}.............八/\. /......\ {...V ヽ δ / }.........ノイ........... \. /.................`.....V } / ノ.................................. \ 264 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 23 02 40.66 ID jKLDaReGo [8/17] 京太郎「ゆ、宥さん?どうしたんです、こんな時間に」 宥「ごめんね、昼間のことなの」 入っていい? そう尋ねる宥さんに俺は「部屋に変なものないよな……な?」と、自分の脳内を思い返し、どうぞ、と頷く。 今出てるのは何枚かの服と、雑誌。 それも週間漫画のそれだ。 問題ないだろう。 部屋に入る宥さん。 お茶でも入れますよ、と俺。 それににこりと、宥さんが笑った。 宥「ありがとうね、京太郎君」 京太郎「いえいえ、これくらいしか出来ませんから」 紅茶でいいかな。 そう考えたが時間を見て改める。 紅茶のカフェイン含有量はコーヒーよりも多い。 コーヒーにしておこう。 ミルク大目のカフェオレ仕立てにすれば、そんなに気にならないだろうし。 そんなこと思いつつ、俺は手元で作業を続けながら声をかけた。 京太郎「それで、昼間のことなんですけど……」 宥「うん。玄ちゃんに接しててくれたよね?玄ちゃん、それですっごく楽になったみたいなの」 京太郎「そうですか……うん、よかったです」 宥「だから、そのお礼を言いに」 えらく“らしい”理由だ。 となると、お茶は長いさせるような理由になってしまうか。 そうは思ったが、何か含みある。 そんな気配を感じた。 俺は少し身構えつつも、カップを渡す。 宥さんはそれを両手で受け取ると、「あったかい…」と。 そう漏らしていた。 275 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 23 11 20.52 ID jKLDaReGo [9/17] 俺も一口。 砂糖は抑え目のカフェオレだ。 俺はこういうミルクたっぷりの砂糖少な目。 そういう飲み物を好む。 ココアの砂糖少な目ミルク大目とか、実に好物だ。 カロリーも抑えれて、なおかつ味もしっかり、カルシウム摂取も出来る。 効率的ではあると思う。 京太郎「それで、何ですか?」 宥「……終わっちゃったな、って思って」 終わっちゃった。 それが意味するのは今日の試合。 大会が、ということだ。 「そうですね」と俺。 一口、またカフェオレを啜り、「でも」と口を開いた。 京太郎「でも、また来年があります。来年には絶対に全国一位に……っ!!」 宥「……」 自分の喋る内容。 それに慌てて口を噤む。 そうだ。 宥さんは、三年生。 もう、来年は無い。 これが最初で―――これが最後だったのだ。 宥さんが笑みを浮かべる。 自然と、「すみません」と。 俺は頭を下げていた。 京太郎「すみません……俺、無神経なこと……」 宥「ううん、大丈夫……それでね、話はそのことなの」 京太郎「は、はあ……」 困惑する俺。 来年のこと。 それを言われると、俺は何のことだろうか、と考える。 そんな俺に、宥さんは微笑んだ。 宥「来年は、もう私が居ないから……玄ちゃんも、皆も……京太郎君が支えて上げて」 283 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 23 19 31.06 ID jKLDaReGo [10/17] 京太郎「宥さん………」 宥「私は、皆とは一番付き合いが浅いから……それでも、玄ちゃんとはよく接せれたけど…」 つまりは、皆を支えて欲しい。 そう、宥さんは言っているのだ。 確かに、と。 俺は考える。 宥さんは、皆から頼りにされていた。 それこそ、本当のお姉さんのように。 でも、自分は居なくなる。 近い内に、確定した未来だ。 だからこそ、自分の分も。 宥さんは皆の支えをと、俺に頼んでいる。 そういう、ことなんだろうか。 京太郎「なんで、そんなに……」 そんなに、嬉しげなんですか。 そう問いかけようとして。 宥さんが俺の唇に人差し指を当てることでその先を言わせない。 そのまま、その指を自分の口元に、シーッ、のポーズ。 片目を閉じた宥さんが小さく、笑みを浮かべていた。 宥「―――私、お姉ちゃんだから」 京太郎「……!」 ……少し、どきりとした。 というかドキドキしてる。 宥さんの新しい面を多く見せられた。 そんな気分が、あった。 だから、だろうか。 俺は気づけば、口を開いている。 自然と。 宥さんの顔を、見つめて。 まるで引き込まれるように。 宥さんの手を、しっかりと握って。 京太郎「そんなこと、言わないでくださいよ!」 京太郎「俺が、宥さんと皆の絆を断ち切らせませんから―――!!」 293 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/03/09(土) 23 28 28.33 ID jKLDaReGo [11/17] .| | |ハ | | | \ ||| .}′ \ヽ/ Ⅳ . _ハ ド、 |ヽ、| | ,\ ヽ _, ────―――――。 { 、 { ヽ 、____ ハ \ ー-- ̄>-- | | \ 、 ___, | \  ̄ ̄ ̄ ふと。 宥さんの唇が、歪んだように見えた。 だけど、次の瞬間には表情は違う。 まるでどう言えばいいか分からない。 そんな、そんなもやもやとした可愛らしい表情。 気のせい、か。 うん、きっとそうだ。 気のせいだろう。 俺は未だに宥さんの手を握っているせいか、少し恥ずかしげな宥さんと目がまた合う。 慌てて、手を離す。 少し、目を逸らしてしまう。 くそ。 何だ俺、顔赤いぞ。 そんなことを知ってか知らずか。 宥さんはことん、と。 俺の肩に、まるでそれが当然のように。 ゆっくりと頭を預けて、呟くのであった。 宥「あったかい……」 《END:限りなく自分の手を汚さないで男を墜とす方法その1》
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 会いたい。 ただ、ひたすらにそう想う。 私は諦めたつもりでいた。 でも、それは嘘だった。 だって私の心は、こんなにも彼に惹かれ続けていたんだから。 胸を締め付ける郷愁の甘さと温かさ。 それ以上の苦しさと切なさ。けれど、それを感じる自分は嫌いじゃなかった。 もしこの世界が私と彼の恋物語なら、私は最後に彼の隣で笑っていられるの? けれどそれは誰にもわからない。 私達はいつも現実という物語の途中で立ち尽くす。劇中人物に物語の結末は見通せないのだから。 見上げる青空より光の花弁が舞い落ちて、光は想いと共に溢れ逆流する。 奈良と長野。その茫漠とした隔たり。 この空の向こう、最短空路約368.7kmを時速2000kmで翔ればあなたに会える? 「会いたい。会いたいよ……頭、撫でてほしいよ」 いつでも探しているよ。こんなに君の姿を、交差点でも夢の中でも、そんなところにいるはずもないのに。 もしまたもう一度、君に会えるなら今度こそ「好き」って伝えるから。 だから……。 次回、『合同合宿~京玄編~時速2千キロメートルの恋』 今、その想いは音速を超えてオゾン層を引き裂く。 今、俺は大きく身動きが取れずほぼ黙って座っているだけになっている。 下手に動いたりして変な言い掛かりをつけられると俺の命にかかわる。 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ 椅子に腰掛けた俺の膝に乗り、身を寄せて頬擦りをしてくるのは阿知賀女子麻雀部中堅新子憧さん。 普段とはかけ離れた言動に正直戸惑っている。 京太郎「あの、出来ればどいてほしいんだけど」 憧「やーだー。ここがいいのー」 え~。 穏乃「……」 玄「……」 宥「……」 灼「……」 針の筵か。 晴絵「あっははは」 あんたはなんでそんな楽しそうなんだよ。 事の起こりは十数分前。 時は晩刻。最早その意義は失われたかのような和気藹々とした空気が旅館全体を包んでいるが、 一応この集まりは部活の合宿という名目でここまで来ている。 その為、時間を見ては他校の生徒ともこうして雀卓を囲んだりするのだが。 京太郎「どうぞ宥さん。ホットココア、ミルク多めです」 宥「ありがとう。京太郎君」 俺の手からマグカップを受け取り、そのまま口に運ぶ宥さん。 宥「あったか~い」ニコニコ 嬉しそうに微笑むのへ、俺も小さく笑い返す。 穏乃「京太郎、こっちも~」 京太郎「はいはい。お嬢様方」 俺はトレイに乗せていた他のメンバーの分のカップを他の面々の前へ置く。 穏乃「美味しい!」 玄「美味しいね」 憧「悔しいけど、美味しい……」 灼「さすが京太郎」 晴絵「須賀君、ちーとこっち来てお酌しなさい」 阿知賀の面々から賛辞を貰っていた俺を、顧問の赤土なにがし先生が呼び付ける。 俺は先生の座る机に置かれた酒瓶を手に取り、先生の掲げた空の酒杯に酒を注ぐ。 京太郎「あんまり飲みすぎないでくださいよ」 晴絵「もーおかーさんみたいなこと言わないでよ!」 アルコールが入っているからか、微妙に精神年齢が退行している。 酒瓶のラベルには奈良吉野が秘蔵の地酒『悶絶チュパカブラ』と記されている。 酒とか言う以前に人類が口にしていい液体なのか甚だ怪しいが、面倒なので敢えて突っ込まない。 摘みになにか作ってこようかと考えた時点ではたと気付く。 腰が砕け、その場に頽れる。 穏乃「うわ!? どうしたの京太郎?」 京太郎「ちょっと待って今俺なにしてた?」 玄「えっと、みんなに飲み物淹れてくれたりしてたけど……」 京太郎「ですよね~。俺、最近気付いたら掃除したり給仕したりしてるんだよ」 京太郎「無意識で身体が動いてた。なるほど、これが第二の天性って奴か……」 俺の悲嘆の独白、俺以外の全員の顔が引きつるのを俺は見逃さなかった。 玄「えと……そうだ! 京太郎くんが淹れてくれたこのココアとっても美味しいよ!」 灼「玄。それはあんまりフォローになってな」 憧「あんた。無意識でこれだけ働くってどれだけ奴隷根性染み付いてるのよ」 呆れを多分に含有した憧の言葉が突き刺さる。 ちょっとは容赦しろよ。 京太郎「俺だって好きでこうなったんじゃねぇよ!」 自分で自分を再確認してまた悲しくなってくる。 憧「なんだったら将来、うちの給仕係で雇ってあげてもいいけど?」 京太郎「い、ら、ねぇ!」 こいつは何かにつけて俺をおちょくってきやがる。しかも優希や淡なんかと違い下手に頭の回転が速いだけになかなかの難敵だ。 手近な椅子を引き寄せ座り直す。俺と憧の舌戦は続く。 京太郎「とにかくもうちょっと、俺のこの努力と忍耐力をもうちょっと認めていく方向にしろ。じゃないとそろそろ泣く」 憧「あんたがそんな繊細だなんて初めて聞いたけど」 京太郎「なぁ憧。礼儀って知ってるか? 噂で聞いたんだが本当に実在するらしいぞ」 憧「ねぇ京太郎。そう思っても口にしないのが本当の礼儀なんじゃないかしら?」 売り言葉に買い言葉。顔を付き合わせればこの繰り返しというのはちょっと我ながら進歩がなさ過ぎる気がしなくもない。 晴絵「まぁまぁ2人ともそう熱くならないでこれでも飲みなって」 間に入ってきたのは赤土先生。俺たちはそれぞれ透明な液体の注がれたグラスを手渡される。 冷えた液体の冷たさが指先から伝わり、幾分か冷静さが戻ってくる。 渡されたそれをなんの疑いもなしに口に運ぶ。 舌先にわずかな苦味。そこで気付く。 京太郎「ってこれ酒じゃねぇか!?」ダン! 俺はグラスを勢いよくテーブルに叩きつけるように置き、これを渡してきた張本人に食って掛かる。 京太郎「あの先生。一応、この国には未成年飲酒禁止法ってのがあってですねぇ」 晴絵「まぁまぁそんな硬いこと言わずにさぁ。あははっは」 ダメだこの酔っ払い。 カラン。 ガラスの乾いた音。見れば空になった酒杯がテーブルの上に転がっていた。 …………………………はっ? 空? 酒杯を空けた当人は顔を俯かせ、前髪で隠れたその表情はこちらには窺えない。 ガタッ ゆっくりと立ち上がる憧。 テーブルを迂回し、俺の元まで歩いてくる。 あまりに事態に他の人間も固唾を呑んで状況を見守っている。 京太郎「あの、憧さん?」 ポフ 柔らかな衝撃。 京太郎「は?」 女の子特有の温かさと柔らかさが膝から胴、背中にかけてを包む。 仄かに香る甘い香気が鼻腔をくすぐり、薄桃色に紅潮した頬と艶やかに濡れた双眸が俺を見上げてくる。 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ そして止めに甘えたような声。 舌識を除く五感のうち、視識、鼻識、耳識、体識の四感を貫き第六感である意識すら吹き飛ばしそうだった。 っていうか、え~と…………あなた誰? 憧「えへへ、きょ~たろ~」スリスリ なんだろう。 可愛い、の、だが。普段とのギャップが激し過ぎてむしろドン引きなんですけど。 京太郎「……」 穏乃「……」 玄「……」 宥「……」 灼「……」 心なしかみんなの視線が冷たい。 京太郎「あの、これ皆さんこれ勘違いしちゃダメですよ?」 京太郎「ボクの意思じゃないですよ?」 晴絵「あはははははっははははは」 っんだこの女。腹立つなぁ。 穏乃「憧! いっつも私が京太郎にくっついてると、そういうのよくないって言うじゃん!」 最初に言い放ったのは穏乃。さすが切り込み隊長。 憧「え~? んー知らな~い」 穏乃の言葉などどこ吹く風といった体で軽く受け流す。 穏乃「ぐぬぬ」 悔しそうな穏乃の顔。ちょっと面白い。 穏乃「う~!」 憧には歯が立たないと悟ったのか俺の方に視線を送ってくる。 いや、そんな目で見られても。 玄「あの、あの憧ちゃん! 憧ちゃんもそういうの人前でするのよくないと思う!」 2番手は玄さん。初めから勝負は見えていなくもない。 憧「なに~もしかして~くろもこうしたいの~」 挑発を含んだ間延びした声。 玄「ふぇ!? あ、いや別にそんなのことは、えと、あの……」 相変わらずコロコロと表情が変わる。見ていて飽きない人だ。 玄「い、いいの……?」モジモジ 微かに頬を赤らめながら上目遣いに憧に伺う。 俺の膝上という限られた土地の利権を巡って抗争が起きているようだ。 どゆこったい。 憧「ゆずってあげな~い」 玄「ぐぬぬ」 宥「あったかそうだけど、あったかくない」ブルブル 語義矛盾ですか? 灼「京太郎……」 感情が欠落したような深淵の双眸が俺を見据える。 京太郎「はい!?」 灼「ボーリングの玉って人間の頭部と同じくらいの重さなんだよ」 京太郎「え、ちょっ」 その情報を今出して俺をどうしたいんですか? 超怖いんだけど……。 逆三角形に配置された点を見るとボーリングの玉の穴に見えてくる逆シミュラクラ現象? 京太郎「あのだからこれ俺が原因じゃなくて憧が勝手に」 この騒動の当事者ではあるが主要原因ではないという事実をこの場で明らかにしておかないといけないだろう。 俺の今後の身の安全の為に。 京太郎「憧も、そろそろ降りてくれよ」 俺の理性もオーバードライヴよ? いまだに俺の膝の上で擦り寄ってくる憧を押し退けようと、軽く肩を押す。と……。 憧「や、もう……きょーたろーのエッチ///」 肩しか触ってねぇよおおおおおおおおおおおおおおお!!! 穏乃「なぁっ!?」 玄「え、ええええエッチなのはおねーさんいけないと思いますのだ!?」 京太郎「なんもしとらんわぁボケェッ!!」 京太郎「ってかなんだよ、もうめんどくせぇよこの板ばさみ!?」 なんかもう全部ブチ撒けてやろうか! 憧「ん~」スンスン 憧「えへへ、きょ~たろ~の匂い~」クンカクンカ 京太郎「なに人の匂いかいでんだよ!? なんか、あの……あれ、恥ずかしいだろ!」 無理矢理引き剥がそうと、強く肩を押す。 憧「黙ってろ低脳タラシ金髪。毎日三食ココナッツジュースとカブトムシ食べてるような顔してるくせに」 京太郎「え……?」 さっきまでの若干舌足らずなソプラノではなく、すべての感情が払拭された氷点下の声音。 さしもの俺もこれには硬直。 っていうかあなたキャラぶれ過ぎな気やしませんか? 実は正気だったとかってオチは。 憧「~♪」 大人しくなった俺に機嫌を良くしたのか、再度俺の胸板に鼻先を宛がい深く吸い込む。 熱病に中てられたかのような頬の紅潮が、なんか……エロい。 穏乃「む~」 玄「うう~」 視線を巡らすと穏乃と玄さんがまるで試合後のボクサーのような格好で互いに肩を貸し合いながらテーブルに凭れ掛かっていた。 宥「寒い」ブルブル 見てるこっちが凍えそうなほど震えている宥さん。 え? 俺が原因なの? いや違うよね? え? 灼「……」 憮然としたままの先輩。表情からは内心が読み取れない。 ただ、今の状況を快く思ってないであろう事だけは辛うじてわかる。不甲斐ない俺を赦してください、ボス。 晴絵「タ、ラ、シ! タラシは辛いねぇ。あははっは」 先生は相変わらず爆笑の渦だった。もういいわあんた。 なんもう、もうどうにでもなれだ。くそなんか自暴自棄になってきた。 スッと俺の両頬に左右五指、計十本の指が添えられる。 ひんやりとした感触が僅かに心地いい。 憧「余所見しちゃダ~メ」 京太郎「あっはい」 もう逆らう気力もない。 潤んだ瞳がまっすぐ見上げてくる。 吸い寄せられるかの如く見詰め返し、俺と憧の視線が絡まる。 憧「あたし、ね?」 口ごもる憧。これ以上なんだというのだ。 憧「あたし……///」 /. . . . . . . . . . . .\ /. . . . . . . . . . . . . .ヽ / . / . . . ,. . . .i. . . . .ヽ . ', , 'ニ/. . ,'. . . . i . . . |. . . . 、. ! ._{_}ミ ヽ // /. . i .,' . . ,' /! . . . |. . . . . i .| イ | \ \. // .,' / . | | ./ . |/ | | ノ .ヽ、 | . . . . .| |r { .| \ \. / , ' / /! . .| .|/| | | ,|イ . . ト 、{ i . | i | |/| | \ `. 、 / / ! | | i . ! .∧.斗匕 圦 . ト | ヽ`{ 十t} } | ! i | ヽ . i. / / | !| | . |. | {x示㍉xミヽ\ { ヽ{xテヤ示xV! !,'. .| | ヽ .| ,' i {! .|∧ ! 圦 {トイ_刈` ´{トイ_刈 灯 . | . | | |. | | | | i ヾ| {c乂こソ 乂こソっ| !|. . l | ! | | | |.| . | 从 xx //////xx | |ノ . . | .| |. | | | |l.| . | .{ム "゙ ' ""゙ | | . . | | | | 「あたしはいつでも準備OKなんだよ?///」 | | i| i! . .| | . ヽ. __ イ .| |. . . | | |.| | | l| . | . | | .| > . ´ ` イ . ..!. | | . . . | | |. | | | l| . !. . ..| i . | . r‐|` -‐ ´ |入. .| .| |. . . l | ! | | | l| | . !_ l _| _/ \ / \j ! . . . | | | | | | | , |. . |ヽ{ | /`Yバ ノ/|. . . . l | ! | | | | , イl . . .| ヽr──ミ、__彡──y' |. . . /ヽ ! | | | | / /. . .j { { } } | . . ./ \ ! | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ `ヽ `┬ 、 ヾ / 「なにがッ!?」 i ;ィノ U ,....-ィ /,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 ポフッ 再び俺の胸元に顔をうずめる憧。 憧「……」 京太郎「おい? おーい、憧さーん?」 憧「ん……」Zzzz ね、寝てらっしゃる……。 あまりにもあんまりな展開に口角が引き攣る。 散々場を引っ掻き回して最終的に寝落ちって……どんだけフリーダムなんだよ。 晴絵「じゃあ憧も寝ちゃったみたいだし私たちも部屋に戻ろっか」 京太郎「え!?」 突如、謎のリーダーシップを発揮しだした阿知賀のレジェンド(独身)。 灼「賛成」 晴絵「じゃま、憧のことは任せた! おやすみ須賀君」 灼「おやすみ須賀君」 穏乃「おやすみ~須賀君」 宥「おやすみなさい須賀君」 あれ~? なんかみんな友好度下がってない!? 京太郎「あの、誰か憧も連れて帰ってくださいよ! ちょ、誰か、ねぇ」 チラリと、一瞬だけ玄さんと視線が衝突。 / . . . . . . . . . . \ , . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . ..ヽ . . . ヽ / . . . . . . . . . . ′. . . . . i{ . . . . . . . . . .. . ..‘. ∧ / / / / .. . . . . . . .| . . . . . . | . . . . . . . . . .∨. ‘.. . / .イ ′ . . . . . { . . . ,| ... . . . {∧ . . . . . . . . . i . . . :. i ././ ′ !. .|....... 小 . .ハ__ . . . . iハ 斗 十 .ト . .| . ... i . i .′} . |. ! . . 斗{ . 「 丁i . . . .ト .V ヘ .{\ . .`! . . . | | |′.′ l . |.ト . . | ヽ 气{\ . { \ ヽ. \} . | { i . . .| 八. .|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| . .! . |! | /|. . . . ! ,ァ= =ミ ´ `'^| . | .小 |. / ! . . . .ハ ′ /i/, | . | .|i | ′ } . . | ∨ /i ' . . . .! . l { ○ ′. . .ト. . , 八 . .. } . l .‘ / .{ | . . . . { 込 ` ´ /} . . ./ . ! . ‘ / ; .| . | . . . . | 个 ..... .イ ∨ . . / /. .′ ∧ i /{ .! . | . . . . | / ノ}≧ - ´ {入 /. . ./i/ . .′ . . ‘. |{∧{.. .i . { . . ‘ . . / 乂 / / . . /V . . .{ . . . . . ‘. 「おやすみ須賀君」 .′.. .八 !ム .七¨⌒} >t_ん / ./「/ . . 厂 ̄ ≧ 、 / . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′ . / ヽ. / . ′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ . . . ′ / } / . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.' . . ./ / | .′. . | \ 《 ハ下 . /. . . .′ , 小 / . . . .{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7. . . ./ / { ∧. / . ./.. . } . | く / } ; . . . . ′ .′/ { . .‘. / . ./.. . . .i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ} . . . .{ . { .′ } . . ‘. / . /′ . . .} ‘. V| ∨ | ノ} . } j / / { . . . ‘. 京太郎「」 戸は無情にも閉められた。 他の面々が去って憧と2人。 憧「……」Zzzz 静かな寝息だけが室内に響く。 正直、無理矢理叩き起こしても良いんだが。 憧「ん……」Zzzz こう呑気に無垢に寝られるとそんな気力も失せてくる。 そういえばここに来て憧の寝顔を見るのは二度目だなと、どうでもいい事を思い出した。 俺のすべては諦観に達しもうこのまま一夜を過ごす覚悟で四肢を投げ出した。 人生も投げ出したい。 結論。憧に酒を飲ませるな。 翌日。 憧「ハルエ! 昨日あたしが寝ちゃった後になんかいろいろ京太郎が触りまくったり嗅ぎまくったってマジ!?」 晴絵「もちろん大マジ」 憧「きょうううううううううううたろおおおおおおおおおお!!!」 京太郎「俺は悪くねぇ!」 憧「犯人はみんなそういうのよ!」 京太郎「冤罪だチクショウ!!」 京太郎「冤罪だけど、冤罪だけどなにかが気に障ったなら謝るからとりあえず落ち着け!」 憧「ごめんで済んだら呪いとか暗殺とかないのよ!」 京太郎「チクショウ昨日から俺がなにしたってんだよぉ!!」 ダダダダダ 憧「逃げるなぁ! 待てぇぇぇぇ!!」 ダダダダダ 晴絵「あはははは、今日も仲良いなぁあの2人!」 【おまけ】 咲たんいぇい~- 京太郎「咲。改めて誕生日おめでとう」 咲「ありがとう京ちゃん」 京太郎「バースデーパーティー楽しかったか?」 咲「うん! すっごく。こんなにたくさんの人から祝ってもらったのなんてはじめてだから、少し戸惑っちゃったけど」 京太郎「そっか」 咲「あーあ。もうすぐ今日も終わりかー」 京太郎「ご不満ですか?」 咲「かも。もうすぐ魔法が解けちゃうからかな」 京太郎「はは、1日限りのシンデレラだったな」 咲「それ、普段は私がモブだって言いたいの?」ジト 京太郎「さぁ? どうだか」 咲「む~」 咲「……」 京太郎「……」 咲「あのね。京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「まだ、魔法が効いてるなら最後にもう一つだけ、お願い事していいかな?」 京太郎「はぁいつもはこれでもかってくらい遠慮がちなくせに」 京太郎「いいよ。なんなりと申し付けください。お姫様」 咲「その……///」モジモジ 咲「今晩、京ちゃんの部屋に行ってもいいかな?」 京太郎「…………は?」 咲「っ///」 京太郎「お前、それ意味わかってるのか?」 咲「わ、わかってる! わかってるよ……」 京太郎「はぁ~」ガシガシ 京太郎「なんでそんな話になるわけ? 第一お前、親父さんにはなんていうんだよ」 咲「おとーさんには和ちゃんの家に泊まるっていって来てから……」 京太郎「根回し済みかよ」 咲「///」 京太郎「あのさ、それってつまりそういうことなの?」 咲「うん……私、ずっと京ちゃんのこと……」 京太郎「咲……」グッ 京太郎「うん。そうだよな、いつまでも半端なまましといちゃダメだよな」 京太郎「俺もはっきり答え出すわ」 咲「京ちゃん?」 京太郎「咲。俺は、俺も咲が好きだよ」 咲「! うん……うん!」ポロポロ 京太郎「って、おおい。なんで泣くんだよ」 咲「だってぇ~」グシグシ 咲「ずっと、そう、言ってもらい、たくて……だから嬉しくて」 京太郎「ああもう! 可愛い奴め!」ダキッ 咲「はわわ! き、京ちゃん!?」 京太郎「咲! 好きだ、大好きだ!」 咲「わ、私も、好き……だよ!」 京太郎「あ~あ、これで咲と恋人同士かぁ~」 咲「嫌なの?」 京太郎「うんにゃ。むしろなるべくしてなったというべきか」 咲「なにそれ」 京太郎「あのさ……」 咲「なに?」 京太郎「マジで家来るの?」 咲「あ、そ、それは……その///」 京太郎「いや、別に無理しなくていいんだぞ? 告っていきなりってそれもなんかなって思うし」 咲「ううん。大丈夫、だから」 咲「不束者ですが、よろしくお願いします」ペッコリン 京太郎「その言い回しもなんか違くないか?」 咲「あれ?」 京太郎「まさかシンデレラはシンデレラでもお泊りコースのシンデレラとは」 京太郎「このムッツリさんめ」 咲「やっぱり帰る」スタスタスタ 京太郎「すんませんした! 謝りますんで戻ってきてください!」 咲「もう、京ちゃんのバカ」プイ 京太郎「いやだから悪かったって」 咲「私だって、ホントはすごく恥ずかしくて、怖かったんだもん」 咲「だけど、もたもたしてたら、誰かに取られちゃうって思って、だから」グスグス 京太郎「咲。もういいよ、それ以上言わなくていい」 京太郎「俺はどこにも行かないし、咲以外の誰かのものにもならないよ」 京太郎「だからそんな顔すんな」 咲「うん」 京太郎「咲。ちょっとこっち向いてくれ」 咲「なに、」 チュッ 京太郎「へへ、咲の唇ゲットー!」 咲「う、あ…………っ//////」カァァァー 京太郎「あれ? あの咲さん?」 咲「あう、あう……//////」パクパク 京太郎「おーい咲さーん!」フリフリ 咲「もう! 恥ずかしいからこれからは今みたいのは無しだからね!」プンシャカ 京太郎「うう、だからわかったってのぉ。いい加減機嫌直せってば」 咲「……い…か…」ボソボソ 京太郎「あん?」 咲「もう一回、ちゃんとしてくれたら、許す」 京太郎「……はは、了解。お姫様」 咲「ん……」 京太郎「……」 チュッ 京太郎「な、なんか改めてやると照れるな///」 咲「……」ギュー 京太郎「咲?」 咲「私ね? 京ちゃんを好きになってよかった」 咲「あなたと出逢えて本当によかった」 京太郎「咲……。ああ、俺もだ、咲に出逢って、咲を好きになってホントによかった」 咲「京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「いつもありがとう。大好き!」 カンッ! 敬語あわあわ- 和「私は黒糖ポンデなどが好きですね。黒糖は想像より甘さも控えめで」 京太郎「あ~、なんかわかる。実は俺、周りに甘党が多いけど俺自身甘いのはそんな得意じゃないんだ」 和「確かに須賀君はコーヒーなどもそのまま飲んでいますね」 京太郎「けど最近、無性に高速回転するフレンチクルーラーが食べたくてな」 和「では、長野に戻ったら皆さんと一緒に行きましょうか」 京太郎「おう」 淡「……」ジー 玄「こういう民間伝承があるのです。女性ホルモンのプロゲストロンが減ると、乳腺が萎縮しおもちが小さくなるのです」 玄「しかし、昆布や若布、寒天やヒュジk……コホン」 玄「ひじきに含まれるボロンというミネラルが、プロゲストロンの分泌を高め、おもちの脂肪と乳腺を増やすのです」 玄「煮る、焼く、湯通しするとボロンが減るのでそのまま召し上がるのがいいかな」 玄「つまり海草サラダなどは女性のおもちの味方なのです!」 京太郎「なるほど」フム 京太郎「つまりうちの胸囲平面民族たちにもそれらを食べさせれば……」 玄「そうなのですのだ」 玄「それでは京太郎くん、楽しいおもちライフをば!」 淡「……」ジー テクテク 京太郎「チェケダーン!! Cuz it s a lyrical power crash. that tries to make me last. He s burnin the microphone.~♪」 京太郎「He takes that smash, finally. The nitty gritty? He d be the one to get to say it and then you d highway it.~♪」 京太郎「He bails on the next way to the top ten. Started lookin to be faster than lightning.~♪」 淡「……」ジー 京太郎「ん……?」 淡「……」サッ 京太郎「気のせいか?」ポリポリ (´・ω|チラッ ←淡 チラッ|ω・‘) 京太郎「!」バッ 淡「!?」 京太郎「……」 淡「」 京太郎「なにやってんの?」 淡「ああ!? 須賀君だぁ偶然ですね?」 京太郎「須賀!? 君!? ですね!?」 淡「どうかしました?」 京太郎「お前、どうした? ちょっと見ない間にえらい真人間になったな、人格改造でもされた?」 淡「うっさいハゲ」ブチ 京太郎「ちょ!? おま……抜くか普通ッ!?」 京太郎「なにこれ、いってぇこれ……」 淡「キョータローってああいうタイプの娘が好みなの?」 京太郎「ああいうタイプとは?」 淡「えっと、だからノドカとかクロみたいな丁寧なしゃべり方というか、そういうの」 京太郎「そんな事より若年者の若ハゲ問題について話し合わない? 俺、今そっちの方向に興味津々丸なんだけど」 淡「いいから答えてよぉ」グイグイ 京太郎「そうねぇ、うんまぁそうなんじゃね? 知らんけど」 淡「なるほど」 京太郎「あの、俺もう行っていいかな? あんまお前と親しくしてると関係各位からお叱りを受けるんだけど」 淡「じゃあじゃあ今日から丁寧なしゃべり方するね!」 京太郎「なんだいつも通りの淡か」 京太郎「けどお前、敬語とか使えんの? ちょっと思想的に無理がある気がするけど」 淡「ふっふっふっ。キョータローはどれだけ私を可愛くて麻雀が強くて賢い白糸台の超新星だと思ってるの?」 京太郎「ふぇぇ? そんな事ちっとも思ってないけど……」 淡「インターハイより前、まだ全国の淡ちゃんファンが私というキャラクターを掴みかねていたその頃」 淡「テルーの真似をして雑誌の取材で真面目系キャラを演じてたんだからね! 侮ってもらったらヤだよ?」 京太郎「……」 淡「あれ? 喝采は?」 京太郎「え? あ、ん、ごめん。なんか、そんなあんま興味ない」 淡「むむ、よーし! じゃあ見ててよ」 淡は自分の顔を五指を広げた両手で覆い、それをすばやく上下に振ってみせる。 淡「人格チェェェェェーーーンジ!!」シュシュシュ 京太郎(救いようのないバカだな) 淡「ほッ!!」キュル~ン 鮮やかなターンで一回転。 京太郎(今、人として出しちゃダメな音が聞こえた気がする) 淡「とう!」 淡「改めてまして、こんにちわ。今日もいい天気ですね? 京太郎君」ペッコリン 京太郎「え? 誰こいつ」 京太郎(見た目は淡そのものなけど……) 淡「♪」ニコニコ 京太郎(背筋を伸ばし、両手を前で合わせてピシッと立っている) 淡「あの、そんなに見詰められると照れちゃいます///」モジモジ 京太郎「あ、おう……すまん」 京太郎「……」ジー 淡「っ//////」モジモジ 京太郎(なんだろうこの可愛い生き物) 京太郎(この名もなき花になんと名付けようか) 京太郎「えと、淡……さん?」 淡「普段通り、呼び捨てでいいですよ? 淡、って」 京太郎「あ、じゃあ淡。立ち話なんだし、食堂かサロンでも行くか? お茶入れるぞ」 淡「あ、はい!」 京太郎「そんじゃ、」 淡「あの……」 京太郎「ん?」 淡「手、繋いでいいですか?」 京太郎「お、おう……どうぞ」スッ 淡「ありがとうございます」ニコッ ギュゥ 京太郎(なんか照れる!) 淡「///」ニコニコ 京太郎(この空気はダメだ! なんかわからんけど、なんか……ダメだ!) 京太郎(会話で誤魔化そう) 京太郎「なぁあわ、」 淡「……」ツー 京太郎「い?」 淡「」 京太郎「あの、なんか口元から血が垂れてるけど」 淡「ゴフッ!!」 京太郎「吐いたぁぁぁぁっ!?」 淡「」フラ 京太郎「危ない!」ダキッ 京太郎「おい、淡! どうしたしっかりしろ!」 淡「実はこれ、3分くら、い、しか、持たないんだ、よねぇ」ゴホゴホ 京太郎「なんだって?」 淡「私の、精神崩壊を、防ぐために、全身が、拒否反応、起こして……」ゴホ 京太郎「バカ野郎! 無茶しやがって」 淡「えへへ、けど、ちょっとは可愛かったしょ?」 京太郎「ああ! ああいう淡もいいと思うよ。だからしっかりしろ!」 淡「あは、ねぇキョータロー……」 京太郎「なんだ?」 淡「私、ね? キョータローのこと、大好きだよ……」ガクッ 京太郎「うん、俺もお前のことそこそこ好きだよ」 淡「そこそこってなによッ!?」ガバッ 京太郎「生き返るのかよッ!?」 ギャーギャー!! 菫「お前たち、今日も仲良いな」アキレ ←通りすがり カン キツい- ____ ,. ´ __ `¨¨ヽ ,  ̄` / ヽ `ヽ / _ , ∨ 、 . / /,´ / | ヽ . / //' ' / ' / l| | ∨ l// / , / ' l| | | | | | | | | _/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧  ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧} / , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | ' / イ从 l ム Vり ム' ノ/}' ´ \∧ ' ,r ' / 小鍛冶プロってすごいですよね 、 v ァ / 从/ 史上最年少でプロ八冠、世界ランク2位! \ `こ イ _|、 俺、すげー尊敬してます ` r ´ //∧ /| /////∧ 「 | //////////> 、 , </∧ / {///////////////> 、 , </////// ∨__∨//////////////////>、 / . . . . . . ./ . . /. . . . . . . . .| . . . . . . . .| . . . . . . . . \ / . / . / . / . . | i | | . | . . | . . . | . . . . . . . . . . . .ヽ. / . i. . ハ . ./}ノ\|八|\| . N\ . | | . | . . . . . . . . . . . . . . . ′ . |/{ V ヽ{ Vレ'}ノ| . . . . . . | . . . . . . . i i . . . .| | . . . . . . | . . . . . . . | | . . . .| __,ノ´ 廴___ | . . . . . . | . . . . . . . | | . . . .| __ ___ l . . . . . . . .| . . . . . . . | | . . . .| ィfチ芋ミ ィfチテテ芋ミ . . . . . . . . | . . . . . . . | | . . .爪〈 し i} し i} 〉 . . . . . . . .| . . . . . . . | | . . . .| 弋辷ソ 乂辷ン | . . . . . . . . | . . . . . . . | | . i . .| .| | . . . . . . . . | . . . . . . . | | . l . .| .|/ / / / ' / / / / | . . . . . . . . | . . . . . . . | ふぇ? そ、そうかな? | . | | .} / . . . . . . . | . . . . . . . | | . | . . 人 r‐ 、 / . . | . . . . . | .. . . . . . | | . |i . . . . .\ ー' ′ | . . . . . | . . . . . | | | . |l . . . . . . . . ヽ ィリ | . . . | . . . . . | . . . . . | | | .八 . . . . i . . . . .个ー‐┬ ´ | . .| . . . | . . . . . | .| . . | | | . | \ . |\{ヽ从 . | . .| | .i | . . . | . i . . 八{ /八| | . | \| ヽー } | 八 . . .|/}/ ヾ ,. -‐ァ…'厂 ′ ノ \| `丶、 / / ./ / // /⌒トミ -‐- ''"´. . . . . . `ヽ /. . . . . . . . . . . , '. . . . . . . . . . . . . /. . . . '; . . . .‘, / . . \ .i . . . ,' . .;' __ .'; . | . . .i i. !. ! γ´\ .i .| . . .! |i| i / iヾ、_i\ i | . . .i. i !l ト、 / ,rf'斧 ‘, i l |i . .八 !| i iハ ヽ Vリ ! ! | !| . . \ ! i .! Vハ. ´ ,! ! i 从 . . ._`ニ== == 、 __人_! ∧く / ! ! ;' .〃 ヽ. . . ` ミヽ ). / \ V | i i\` ー';' / / . . . \' 、 / 丶 \ Vl l i __>'" / ./i ヽ } } おいおい京太郎、私のことは尊敬してないんか? /≧=x \ \= i,/(_i, ィ≦7 ; ' ノハ } ヽノ ノ 確かにすこやんは強いねぃ。序盤、中盤、終盤、隙がないよねぇ /三≧=- ≧ ニ ,' /Vl/ / /イく)ぅ\__ _ ト、 i でも私も負けないよぃ? 〉三三二ニ==‐-i{ ! / / イ_)  ̄\ . .(_乂_)|`ヽi ) >‐――‐-=ニ二>'つ/i 〃乂_) . . . (_\ . . . ..i ∠) . . j) . . .. .\/ ,fクぅ// ;' . .. . . ..∧ .. . . | !ヽ .. . .. . . ..\ /ソ' / % _,.. .. . ..(_ハ. . !__. ‘,o) .. () . . (⌒). ....\{イ! .. x8''" . く)ノ) . . . . }. i|//∧ |ソ) . . . . .(⌒○⌒) . Y%"゚ .. . . .(フ〈) . . % i| }//! ! . . ノ). ...(__乂__) ... . .|ミメ⌒Y⌒) . . . . ... ./ /_,///i i .._ .... . {\ Oく . ... . . . _r‐ |////,'. V 〉 .... . . ヽ人_) .. . . }/ !//// //. !_) . . .(V) . & .. (ハ .. . . . |//!/// //! ! .. .. .. . . く)O(フ. ..\ .. . .. . .. .. )( }ニコ!/////| | . . . ... (人) . . 人 .ヾrt?.. )( .`i/ | /////! l く)ノ) .. . . .. . . . ⌒ . . . . Y⌒ .. . . . . .///!/////」 | (フ〈) . . ,ノ) .. . . . . .. .. . .. . . . . ... . . .l// | /// `! .. . . . .⌒′ .. .(乂) . .. . . ... . . . x≦\/!l/\ __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | え? いやいやそんなことないですよ 从Ⅵ /. ノ | みんな同じ道の上の人。余さず尊敬してます 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 . -‐…‐- . ´ ` 、 / \ / .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶 . . . . . . . . \ . . . . . . . 、 / . . | . . . . . ¦ . . \ . . \ . . ` . . . . .| . . . . . | i . , . . . . . . . , ; . . . . . .| . . . 、_|__j_|ノ|ハ . . |i . . l i. .. .. |. . .| i . . . . ..| i | 人 ⅰ . |i . . i | | | . i. |. . .|八 . . . . ∨i,x圻幵竹, . |i . . | | お、言うねぇ。これはおねーさん口説かれちゃってるんかな? | | . i. |/l ∧ . ___ノ 〃 トィ/f心| . |i . . | | 知らんけど | | . i. | . ァヒ扞ト′ _)ツ| . |i . . | | | i . . i. | 爪 トィ心 ,,, | . l/ . .. | 八 | | . i. | . |i' )ツ | ; ′ . . | \ /㍊i | i ’. ,. | . || 、 ,,, ′ ィ / . . . ノ| / ㍊i |/ V/, |i . 〈癶 ーく ノ / . . . / |/ ㍊i V 八 . . V .ゝ / . . . ィ/ / ァ㌻¨ \ \ . \i . \ . ≧=ー/ . . ≠≪'/ / ,ァ㌻¨。 ゚xヘ \ }≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ ` / ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| | / / /。※゚.。※゚/ {※゚/ ゚| | ァ㌻¨ /。※゚〃※。※゚。※゚| |. / イ/ /※|。/。※/ {/。※゚| |¨l /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| | . | . . .ハ , } . . .| ええ!? 今のってそういうことなの? | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ ` い、いや……そういう事じゃ……ヽ `┬ 、 ヾ / それに皆さん美人なんですから俺なんかよりもっといい人すぐ見付かりますよ i ;ィノ U ,....-ィ /,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 /........................................\ ............. ..................ヽ /...........i l l l ............ハ ′ / i | | |ト ............ i......i i i | | '⌒ヽ i i........i |..... 匕丁j |/ ハ =- ヾ ヾ | | ......| |i ...| i { |{_V⌒" ´_斗=tV ハ... |l |i ...| 从i |⌒ r七ぅ j | {.....Ⅵl いやいや、京太郎も十分いい男だよ |ト..1 ハ」ト=彡 乂_ ソノ 廴7... |l !{ ヽ / ヘヾ とつ/....... }|l |{ vヘ 从}} `~' /....... /八 _ ヾ {ト=- r=≦.............__彡 / \ / \ />=ミ=彳 ニ=- ¨/ 人 \ . / ※ i ∨ / /※r 7´ ̄/\/〃⌒ヽ ヽ 「i ※ 1※V{ / 〃 _У r=' ※ .\ ※ ト- |入 ※ ノ ヾ f´/`7//ト\ j ヽ. | |{ 〉 イ ※ ※ | {/イ※i 〉〉※ / ※ \! _,.. -- 、__, 、___ ⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、 _,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ  ̄7 / / 从 、 | | | . /イ / /l/ | | | l}从} | { _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ {从 r-く| \ え? お、俺がですか? 叭 __ 八}イ 、 └―┘ ィ/∨ 「¨>-- rく「 ̄ } , ------ ∨_」 , ∨]/|ィ¨7ー-- 、 ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////} {/{////// \∧ r' ヽ }' {/////// |l∧////////Ⅵ,〈 | |///////| |/∧/////////|l∧ ,l |///////| |//∧/////////() \//∧}/////// |////}////////// 「/////∧/////{ |////|///////////∨()////\/// | |////|////////////\///// ∧/ / |////|//////////////\//////,イ |////|//////// ()/////| .\//// .| / . . . . ./ . . . . . . .| . . . . . ハ . .iヽ. . . . . . . . . . ', . . . . . . . | . . . ./l . .レ'| . ./ } . | V . ∧ . |. . . . ', ′ . . . |八 / V ヽ{ レ' V }/ヽ . . . . . . i . . . . . .| V i . . . . . .i | . . . . . .|/ ̄ ̄ ̄` ´ ̄ ̄ ̄`ヽ| . . . . . .| | . . . . . .| __ __ | . . . . . .| | . . . . . .| 斗ぅ芋ミ 抖ぅ芋ミ. | . . . . . .| | . . . . . .l. {{ rJ ハ rJ ハ }}. | . . . . . .| 確かに京太郎君。よく気が付くし優しいし | . . . . .小 V ソ V ソ ′ . . . . | それに、その……カッコいいし(ボソボソ | . . . . . .| ', /.i . . . . . .| | . . . . . .ト、} ' 厶 | . . . . . .| | . . . . . .| 八 / . . | . . . . . .| | . . . . . .| . . . \ r‐ 、 イ . . . .| . . . . .| | . . . . . .| . . i . . . .ゝ、 ィ . . . . | . . . | . . . . .| | i| . . . | . . | . . . | . . | ー l . i. .| . . . . | . . . . .| |八 . . 八 l . | . | . . l |/| . l . / . | . . . . ./ \ . .乂人ィ¨ノ >乂|/|/ . ./V ,. -‐ァ{ `¨''┬<_ rく´ / / \ /ヽ ヽ¨ヽ、 /{_ . ヽ ヽ _ ハ / _/ニ=- | . . . .| ‐=ニ _. ′´. .∧__. . . . .|. . -┼…‐- | | . `ヽ | i|. . .|´ {. | . . . .ト、 |\ | . . | | | i|. . .| _ヽト、 | _\|_`ヽハイ . . | | |八 . {乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | . . .. | ., |\弋cソ 弋cソ ' | . . .. | . . ,′ | .「´. . . , . . . .. | . . .. ! . . .,′ | . .i . | . ,′. / | .从 r───┐ ,′. /. . . ./ おや~小鍛治プロもしかして須賀君のこと? | . 込、 ヽ ノ / . /. . / 人 . \丶、`¨¨´ イ . , イ / ト、 \ ヾノ>-‐ァf´ / { /. . |人. ト、 | `ー=≫彡'. /'∧ i \__|_》>イ. イ_____. |. . `¨¨ ./| {{ { ¨¨´ . ノ 厂`ヽ \ / l| ゞ=ヘ . . . . . / /`ヽ i ___ , . . .´ . . . . . . . . . .`丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ / . . . / . . . / /| . . .ハ . . . . . . . . .ヽ ′ . . | . ./}/ |/ V}∧ . . . . . . i . | . . .Ⅳ ノ` ー-、__.Ⅵ . | | . | . . .| ー‐'_ __ | . . | | . | . . .| ,ィfチ芋 斧テ式.| . . | | . | . . .|《 V ソ V ソ 》 . . .| え?ち、違うよ! そうじゃなくて一般論というか客観的な評価であって | . | . . .ハ , } . . .| 私個人は別に…… | . | . . .l .{ ノ . . | l . . . . | . ヽ. ⊂⊃ / . . . . | | i| . .i . . | . . .i ___ ..ィ .i . i . | . .| {八 . . | . ..| . i .| | . }ノ ./| . | .,′ ヽ{\|斗' ー i/._|/|/ -┬┬'、__ ̄`___´ ̄_/⌒7⌒ヽ / | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / / } . /{_ . ヽ ヽ _ ハ / _/ニ=- | . . . .| ‐=ニ _. ′´. .∧__. . . . .|. . -┼…‐- | | . `ヽ | i|. . .|´ {. | . . . .ト、 |\ | . . | | | i|. . .| _ヽト、 | _\|_`ヽハイ . . | | |八 . {乍i苅ミ\{ '乍r苅¨ア | . . .. | ., |\弋cソ 弋cソ ' | . . .. | . . ,′ | .「´. . . , . . . .. | . . .. ! . . .,′ | . .i . | . ,′. / そうですか~? | .从 r───┐ ,′. /. . . ./ 確かすこやんは | . 込、 ヽ ノ / . /. . / アラフォーですよねー? 人 . \丶、`¨¨´ イ . , イ / もう少し能動的になっていいのでは~? ト、 \ ヾノ>-‐ァf´ / { /. . |人. ト、 | `ー=≫彡'. /'∧ i \__|_》>イ. イ_____. |. . `¨¨ ./| {{ { ¨¨´ . ノ 厂`ヽ \ / l| ゞ=ヘ . . . . . / /`ヽ i / .. ト、 . . . / // // ノ (_.,′. .. . /| /| /| | } ト、 | | i / / ) ー┬ァ ( . | | / j/ j/ j/ V ∨イ i| / } ノ || . | |/ u | i| | ニニ, || . | | ト .___,ノノ 廴___,.| i| | _,ノ {| . | | |≫笊气ミ ィ笊气ミ i| | ┼┼ || . | | | 乂゚ノ 乂゚ノ | i| } 丿 {| . | | | `'ー一'′ , ー一 | 八 〈 │ || . | | | /ハヽ /ハヽ{ ト、\ } ┼〃 │| . | ∧ | /`¨¨¨´| u ノ │ ヽ ヽ | ノ こ || . | |ーi ト . {. . . . . . .ノ イ i| } } │ ├ {| . | | ∧∨ `> . `¨¨¨´ . イ | リ | | } c!、 {|_ 」 i |-‐ヘヽ `ァ‐ャ┬‐- 、 |イ. / | | | rv‐, {. . ..| | ! _乂 ,′ V》.. .. .ハノ. / j ;′ | |/l/ |. . ..乂 ト、| ` ´ ̄ }..》.. . . .V /'′ } o o (. . . . .《{. | |..》. .{. j .} \ ) (. . . . . 《{`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y´|..》.. .Y..│ \\ \ \`Y⌒Y⌒Y´. . . . . . 《{ 爻=====} {====|.》 . . } . | \ \\ \ \ . -‐…‐- . ´ ` 、 / \ / .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶 . . . . . . . . \ . . . . . . . 、 / . . | . . . . . ¦ . . \ . . \ . . ` . . . . .| . . . . . | i . , . . . . . . . , ; . . . . . .| . . . 、_|__j_|ノ|ハ . . |i . . l i. .. .. |. . .| i . . . . ..| i | 人 ⅰ . |i . . i | | | . i. |. . .|八 . . . . ∨i,x圻幵竹, . |i . . | | | | . i. |/l ∧ . ___ノ 〃 トィ/f心| . |i . . | | | | . i. | . ァヒ扞ト′ _)ツ| . |i . . | | | i . . i. | 爪 トィ心 ,,, | . l/ . .. | 八 | | . i. | . |i' )ツ | ; ′ . . | \ /㍊i え? アンサラー? | i ’. ,. | . || 、 ,,, ′ ィ / . . . ノ| / ㍊i |/ V/, |i . 〈癶 ーく ノ / . . . / |/ ㍊i V 八 . . V .ゝ / . . . ィ/ / ァ㌻¨ \ \ . \i . \ . ≧=ー/ . . ≠≪'/ / ,ァ㌻¨。 ゚xヘ \ }≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ ` / ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| | / / /。※゚.。※゚/ {※゚/ ゚| | ァ㌻¨ /。※゚〃※。※゚。※゚| |. / イ/ /※|。/。※/ {/。※゚| |¨l /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ i⌒i i⌒i | | rt. rt. | | | | || || | | | | || || | | | | || || | | | | || || | | r┴┴i || | | r┴┴i ┌―冊-冊-冊-冊-冊-冊-/_二二_\______rl li___| |/_二二_\-冊-冊-冊-冊-冊-冊-冊―┐ |[三||三||三||三||三||三||三ゝ_____ノ/|二二二/ /|__| ̄ ̄ゝ_____.ノ.三||三||三||三||三||三||三||三]| └―lムマllムマllムマllムマllムマll;;;;;;;,-=ニ/-=ニニ==-, -、/;;;;;;;;|_ゝ、-_};\\.└lムマllムマllムマllムマllムマllムマl―┘ ,-=ニニ,/-=ニニニ=-_( ;;;;;;/;;;;;;;;;;;_) }ニ==-\\.\ ///./-==-/_/_/_/ ;;;;/;;;;;;;;;;;;∨ノニ=-|_∧\ \.\ ///., '/_/_/_/_/_/_/;;;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;∨ニ=-_|_|_∧;;;\ \.\ //// /_/_/_/_/_/_/.,.;;;/;;/;/;;|.|;;;;;;∨;-|_|_|_|_|_∧;;;;;\ \.\ //// /_/_/_/_/_/_/ |/ |/;W/;||;W;;;∨_|_|_|_|_|_|_∧;;;;;; \ \.\ //// /_/_/_/_/_// / //\{ ∨_|_|_|_|_|_|_|∧;;;;;; \ \_\ //// . ̄/ ̄/ / /;;;| |\ ∨|_|_|_|_|_|_|/;;;;;;;,, `.) \_\ //// //⌒´ / /ヾ;;;;;;| |;./ \. ヽ ;;;;;;;;;;;;;; \ >.\ //_/ ∠.ノ(. // };;;;;| |.{ \| ;;;;;;;;;;;;;; \___/ ∠,_/ / / ´ -=;;;;;;;;;| .|;;;=- ;;;;;;;;; / / 彡;;;;;;||;;ミ '';;' {/ 从从;| |从 | |.|| | | /从 /从从 从从从 (*) { } | .| | | |.| || | /´〉,、 | ̄|rヘ l、 ̄ ̄了〈_ノ _/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /) 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/ /__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉 '´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く// `ー-、__,| '' ,. -──……──- . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .、 / . . . . . . . /. . . . . . . . . . . . . . . . i . . . . \ / . . . . . . . . ./ . . . . . . ./ . /. . . } . . | . .} . . . ヽ ′ . . . . . . ./ . . . . . . //}/∨ハ/レ'ヽ . . i l i i . . . . . . . . i . . . . . . . | V从| | . . . . |. . . . | . . . . . . . | ー ─'´ ^ー-| . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | | . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | 〃⌒ヾ 癶{ . | え? | . . . . |. . . . | . . . . . . . | {{ }} {{ }} . | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | ゞ=='" ヾリ | | . . . . |. . . . | . . . . . . . | | . | | . . . . | . . . .| . . . . . i . | /⌒⌒} | . | | . . . . | . . . .| . . . . . i . | { / / . .| | i . . | . . .i | . . . . . i . |`  ̄⌒,.ィ . | . . . .| |/{ . ..| i | | | . . . . . i . | 厂| . . . .| . | . .i. .| /⌒\{从| 乂 . . . Ⅳ '⌒ l/}/Ⅵ 八| / ヽ | l\ \i/ __ /| |ノ}/ / } | l ヽ _____________,ノ .| l i | { { | | | | / | __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、 、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . 死んだはこれ……(汚染で) / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ u /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} |//l| |//////// 、 ,. <// ∧ |//////////> 、 ヽ` ´ ´. __,, ======== ,,__ ...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐... ..‐´ ゙ `‐.. / \ .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ´ ヽ. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;................. .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;...... ;;;;;;゙゙゙゙゙ / カン ゙ ゙゙゙゙゙;;;;;; ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙ ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;. ||i .i| ;il|l||;(゙ `;;i|l|li||lll|||il;i ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;; `ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;, ,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙ ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii ;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙ ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
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http //hayabusa5.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1394986844/ 姉帯豊音は孤独だった 県の中でも特に深い山奥にある豊音の村には子どもが少なく、 家の外へ遊びへ行こうとも幼少期の豊音には既に面白みというものは無かった ある日、豊音は自分と同年代の少年と出会った 都会から親の里帰りで連れてこられたというその少年と豊音が仲良くなるのにそう時間はかからなかった 豊音は自分が知り尽くした山へ少年を連れて遊び回った 少年と過ごした時間は、孤独感に苛まれていた豊音にとってとても貴重な宝物のように感じ、 夏休みの終わりが近づくほど、少年との別れを期した豊音は悲しんだ 少年と過ごす最後の日、豊音は涙で腫れた目を隠すために帽子を被った、彼に目を見られないように深く、深く それでは前を見れないだろう、と普段とは逆のように少年が豊音をエスコートすることになった、 雨雲が去った晴れ空の下を、自分が見つけた景色を見せようと胸を張る少年の歩いた後を、豊音がついて歩く 土の色が濃くなり、緑が増えていく。風の鳴る音が鳥のさえずりへと塗り替えられていく、これが最後になるのだと豊音は帽子を下げた 目的地が近づき少年は走り出した、豊音も彼の後ろを追って走った 少年の背を追って、夏の日差しに目を狭めた――瞬間 少年の悲鳴が聞こえ、反射的に手を伸ばす。しかし、指先は届かず、足を滑らせた少年の背は山の底へと消えて行った。 冷たい空気が背中から抜けていく、肌が粟立っていく、首の後ろが熱くなっていく 豊音はまた、孤独になった 少年は事故死した。貴女の責任ではないんだと少年の親は言って、村を去った 「姉帯の娘が都会の子を突き落とした」 少年の悲鳴を聞き付け、駆け付けた老婆が流した噂はねじ曲がって広まった 「姉帯の娘が背後から絞いた」 奇妙なまでに鬼気を帯びた赤眼のせいもあってか、豊音は故郷で「背向のトヨネ」と呼ばれるようになった 村の中を歩けば陰口を耳にする、目を向ければ怯えられる 豊音は外へ出ることを止めた 一人娘の気持ちを受け取った両親は、豊音へ新しいテレビを買い与えた 何も欲しがろうとしない豊音が麻雀に目を輝かせる様子を見て、両親は牌を買い与えた 豊音は孤独だった 昼間はテレビを見て、遠くから送られてくる宿題を片づけて、両親が帰ってくるとマットを広げ、牌の準備をして三麻を打つ ただそれだけをして過ごす外部から隔離された生活だったが―― 姉帯豊音は笑顔だった 和「……一応、書き終えました」 久「須賀君、これ届けてきてくれるかしら」 京太郎「和のサインなんて、そんなん和が届けた方がいいじゃないっすか?」 和「そうしたいのは山々なのですが、この後に取材が入っていまして……」 京太郎「なら仕方ねえ……か」 京太郎(つーわけで届けに行こうとしたけど……) 豊音「ふぇぇ……ここどこぉ……」ガクガク 京太郎「姉妹かっ!?」 豊音「えっ」ビクッ 豊音「…………」ガクガク 京太郎「…………」ジリッ 豊音「背が高い人!?ちょー怖いよー!」 京太郎「その言葉はそのままお返しします!」 豊音「金髪!?ちょー怖いよー!」 京太郎「宮守にも金髪の人がいましたよね!」 豊音「学ラン!ちょー怖いよー!」 京太郎「もうツッコまなくていいや……」 豊音「……ぐすっ」 京太郎(とりあえず泣き止ませたいけど……あ) 京太郎「あの、これ……」ススッ 豊音「姉帯豊音さんへ……!」 豊音「これ、原村さんのサイン!」 豊音「わぁ!わぁ!君のおかげでウルトラハッピーだよー!」パァァ 京太郎(気変わり早いなこの人) 豊音「けど、どうして君が原村さんのサインを?」 京太郎「あ、俺清澄高校の須賀京太郎って言います」 豊音「そっかー、ありがとねっ!」ニコッ 京太郎(姉帯さんかわいい) 京太郎「姉帯さんは迷子なんですか?」 豊音「……うん」 豊音「恥ずかしい話だけど、おトイレに行きたいんだけどどこに行けばいいかわからなくて……」 京太郎(咲と同レベルじゃねえか……) 京太郎「トイレならこっちですけど、付いていきましょうか?」 豊音「わわっ、そんなこと悪いよー」アワアワ 豊音「方向も教えてもらったし、私一人で大丈夫だよっ!」ギュッ 京太郎「それダメなパターンのやつですよ!」 豊音「それじゃあねー!」フリフリ タッタッ 京太郎(大丈夫かなぁ……) 豊音「うわぁ!」ドテッ 京太郎(大丈夫じゃないよなぁ……) 豊音「……ぐすっ」 京太郎(姉妹だなぁ……) 豊音「おトイレ待たせちゃってごめんねー」 京太郎「いえ、慣れてますから」 豊音「えっと、宮守の控室は……」 豊音「…………」 京太郎「姉帯さん?」 豊音「…………」ウルッ 京太郎(もう何も言うまい) 豊音「――――そこで暗炎龍がね!」キャッキャッ 京太郎「姉帯さん、着きましたよ」 豊音「本当だ!あっという間だったねー」 豊音「須賀くんには感謝してもしきれないくらいだよー!」 京太郎「そんな大したことしてないっすよ」 京太郎(泣き止ませて案内するとか咲にやってきたのとまるまる同じだもん) 京太郎「それじゃ、俺は帰りますね!」 豊音「ちょー感謝だよー!」フリフリ ピピピッ 京太郎(あとは宮守の人たちに任せよう) 京太郎(須賀ードワゴンはクールに去るぜ)ヴヴヴッ 京太郎「ん、メール?」ピッ 久『試合が終わって宮守と清澄のみんなでお茶してまーす!』 京太郎「…………」 京太郎「なんでやねん」 豊音「あれ?塞から電話?」ピッ 京太郎「ん?」 豊音「……うん……うん」 豊音「え、宮守と清澄のみんなでお茶してるの?私も行きたかったよー」 京太郎「なんでやねん」 久『P.S.そういうわけだから姉帯さんを見つけてたら連れてきて頂戴』 京太郎「なんでナチュラルに省かれてんだろ俺」 京太郎「……」チラッ 豊音(´;ω;`)ブワッ 豊音「ごめんね、私がここに来る前にメールに気づいていれば良かったのに……」 京太郎「いや、まさか会場の入り口で偶然会ってお茶することになってたなんて」 京太郎「姉帯さんのメールで事情が知れて良かったっすよ」 京太郎(精神的に死んじゃうところだったぜ) 京太郎「んで、喫茶店は……地図わかりにくいな」 豊音「東京はおっきいからね」 京太郎「経験者は語るってやつですね」 豊音「そうだねー……って違うよ!まだ迷ってないもん!」 京太郎(段々この人が咲っぽく見えてきた) 豊音「むぅー」プクー 豊音「須賀くん須賀くん」 京太郎「何ですか姉帯さん」 豊音「そこは『なんだい姉帯くん』でいいんだよー」 京太郎「何でしたっけそれ」 豊音「パペットマペットだよ、一回やってみたかったんだ!」 京太郎(懐かしいなオイ) 豊音「あとどのくらいかかりそうかな?」 京太郎「まだ歩きそうですね、あの人たちは疲れてないんだろうか」 豊音「そっかー……」グゥゥ 豊音「あっ」カァァ 京太郎「ちょっとコンビニに寄りましょうか」 豊音「うん!」 豊音「コンビニ!コンビニ!」 京太郎「あんまお腹埋めるとまずいんでパンひとつくらいですよ」 豊音「どれもおいしそうで迷っちゃうなー」 京太郎「コッペパンとか安定ですよ」 豊音「それもおいしそうだけどー……うーん……」 豊音「お好み焼きパンちょーおいしいよー!」 京太郎(選ぶのに10分もかかってた……) 京太郎「鰹節、口元についてますよ」 豊音「うわわっ、こっち?」フキフキ 京太郎「右です」 豊音「こっち?」フキフキ 京太郎「もうちょい下」 豊音「うーん……」フキフキ 京太郎「ここですよ」ヒョイ パクッ 豊音「……」カァァ 京太郎「どうかしました?」 豊音「す、少し恥ずかしかったかな……って」 京太郎「あっ……すんません」 豊音「こっちこそ、ごめんだよー……」カァァ 豊音(これ、これってよく考えたらテレビとかでよく見る間接キス、なのかな) 豊音(恥ずかしい……よー)カァァ 豊音(でもでも、口元なわけだからノーカンじゃないっかなー……) 豊音(やっぱり恥ずかしいかも!)カァァ 京太郎「……っと、ここかな?」 豊音「あっ!塞たちがいる!」 京太郎「咲……ぅゎ」 豊音「須賀くんも早く行こうよ!」 京太郎「いや、俺は……いいですよ」 豊音「なんで?」 京太郎「……どうせ、省かれてんですから」 53 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします[] 投稿日:2014/03/17(月) 03 29 44.86 ID DckyGLxh0 豊音「えっ!?そんなことないよー」 京太郎「ほら見てくださいよ、あそこの席、姉帯さんが座ったらもう空きが無いんですよ」 豊音「あ……本当だ」 豊音「でもでも!部長さんが頼んで一個椅子が運ばれてきたよ?」 京太郎「……子供用じゃないっすか」 豊音「……酷い!」 豊音「須賀くんは良い人なのに酷いよこんなこと!」 京太郎「姉帯さん……」 豊音「須賀くんも一緒に来て!私が部長さんを説得するよー!」ズンズン 京太郎「姉帯さん……」 豊音「うわっ」コケッ 京太郎「姉帯さん……」 京太郎「すみません、俺のために姉帯さんの席まで移動してもらって」 豊音「ぼっちは寂しいのはちょーわかるからね」 豊音「それに、須賀くんが目の前にいるから私は楽しいよ」ニコッ 京太郎「そうっすね、俺も同じっす」 豊音「えへへー」 豊音「おいしそうなケーキがいっぱいだよー」 京太郎「どれにするか迷いますね……」 豊音「こっちの苺のケーキとこっちのチーズケーキの耐え難い誘惑がー!」 京太郎「んじゃ、分け合いっこしません?」 豊音「分け合いっこ?」 京太郎「俺と姉帯さんでこれ頼んで半分こにするんすよ」 京太郎「それならどっちも楽しめますよ」 豊音「須賀くんちょー頭良いよー!」 豊音「なでなでしてあげるねー」ナデナデ 京太郎「そんな、犬じゃないんすから」 京太郎「どっちから食べましょうか?」 豊音「んー……こっち!」ズビシッ 京太郎「苺の方からでいいんですか?」 豊音「あぅ……やっぱりチーズの方!」ズビシッ 京太郎「本当に良いんですか?」 豊音「うぅ、どっちか迷うよー」ウルウル 豊音「はい、須賀くんあーん」 京太郎「あーん」パクッ 京太郎「これもおいしいっすね」ムシャムシャ 豊音「私の目に狂いは無かったんだよ、えっへん!」 豊音「須賀くんも、私にあーんして!」 京太郎「はい」 豊音「あーん」パクッ 豊音「やっぱりおいしいねー」 京太郎「ですねー」 豊音「こーゆーの憧れだったんだー」 京太郎「憧れ?」 豊音「うん、こうやってあーんして食べさせ合うのがね」 豊音「テレビで何回も見て、私もいつかはーって」 京太郎「その憧れの相手が俺で良かったんですか?」 豊音「勿論だよー」 豊音「って!須賀くんのことが好きってわけじゃないよ!」 豊音「あ、いや、好きだけど、それは違うって言うかな、え、えーっとぉ……」 豊音「そのぉ……ぐすっ」 京太郎「なんで泣きだすんすか……」 塞「トヨネーそろそろ帰るよー」 豊音「うんー!」 豊音「須賀くん、今日は本当にありがとうね」 京太郎「こちらこそ、ありがとうございました」 豊音「……なんだか、寂しいね」 京太郎「俺で良かったら、またいつでも付き合いますよ」 豊音「ええっ!そんなの須賀くんに悪いよー」 京太郎「俺もまた、姉帯さんとどこかに遊びに行きたいので、気にしないでください」 豊音「あっ、じゃあふるふるしようよ!」 京太郎「ふるふる?」 豊音「ラインの機能だよ!」 豊音「須賀くんもスマホ持ってるでしょ?」 豊音「ラインやってないの?」 京太郎「いや……俺ガラケーなんで」 豊音「ご、ごめんねー」 京太郎「謝る必要ナッシングっすから!むしろ傷つきますから!」 塞「それじゃあ今日はお疲れ様でしたー」 胡桃「ほらシロ立って歩く!」 白望「匍匐前進で十分……」 エイスリン「シロ、ゾウキン!」 白望「それ傷つくなぁ……」 久「私たちもさっさと帰りましょう」 まこ「今日は疲れたわい」 優希「早くタコスが食べたいじぇ!」 咲「楽しかったねー」 和「そうですね」 京太郎「俺も何だかんだで疲れましたよ」 久「……誰?」 京太郎「そんなんだから疲れるつってんですよ!」 豊音『須賀くん須賀くん!』 京太郎「なんだい姉帯くん」 豊音『おぉ!今回は正解だよー』 豊音『えへへ、嬉しいなぁ』 京太郎「それで、今日はどうしました?」 豊音『団体戦優勝おめでとうって言いたかったんだ!』 京太郎「ありがとうございます、って俺は何もしてませんけどね」 豊音『ううん、須賀くんのサポートあってこその結果だよ!』 豊音『須賀くんも自信持っていいんだよー?』 京太郎「……姉帯さん」 豊音『私たちは今日海水浴行って来たんだー』 京太郎「海水浴っスか」 豊音『永水の人たちとで、ちょー楽しかったなぁ』 豊音『そうそう、石戸さんのおっぱいなんて海に浮かんでて凄かったよ!』 京太郎(何その光景ちょー見たいよー) 豊音『――――それで、振り返……ったら狩宿さんが犬神家になってて……ね……』 京太郎「姉帯さん?」 豊音『んぅ……はっ!』 豊音『ご、ごめん!ちょっと寝てた!』 京太郎「疲れてそうですし、もう終わりにしましょうか?」 豊音『全然そんなことないよ!』 豊音『私、まだ須賀くんとお話ししていたい!』 豊音『須賀くんとお話しするの、なんだかすっごく楽しいから……』 京太郎「……明日から個人戦が始まるのに疲れ溜めたら駄目ですよ」 豊音『わかってるけど、でも……でも……っ』 京太郎「……はぁ」 京太郎「あと五分だけですよ」 豊音『あ、ぅ、うん!』 豊音『……うぅ、五分経っちゃたよぉ』 京太郎「それじゃ、明日頑張ってくださいね」 豊音『須賀くんも男子の個人戦頑張ってね!』 京太郎「えっ」 豊音『ちょー応援してるよー』 京太郎「…………」 豊音『須賀くん?』 京太郎「もっもちろん!優勝してきてやりますよ!わははは!」 豊音『二人で優勝できたらいいねー!』 京太郎「でっすねー!」 京太郎(現在進行形で心が抉られる!) 豊音『おやすみ、須賀くん』 京太郎「おやすみなさい」 豊音『…………』 京太郎「…………」 豊音『須賀くんが切っていいよー』 京太郎「いや、姉帯さんのタイミングでいいですよ」 豊音『ううん、須賀くんが切ってよ』 京太郎「いやいや、姉帯さんが切っていいっすよ」 豊音「ううん、須賀くんが」 京太郎「姉帯さんが」 豊音「須賀くんが!」 京太郎「姉帯さんが!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 京太郎(そんなこんなでさらに五分が経った) 豊音『すふー…………』 京太郎(すぐに寝ちまって、ほんと、見た目と中身が釣り合ってない人だよな) 京太郎(……よし、俺も寝よう) 京太郎「ほい、タコス」 優希「御苦労だったな犬、私の隣の席に座る権利をくれてやろう」 京太郎「取っといてくれたんだな、ありがとよ」 まこ「和も咲も頑張ってほしいのぅ」 久「あ、須賀君の愛しの彼女が映ってるわよ」 京太郎「姉帯さんはそんなんじゃないですってば」 塞「ほれ見たことか」 エイスリン「サビレタカンケイ!」 胡桃「あの一日でそんな関係に!?」 京太郎「違うって言ってますよね!?」 トシ「あの子、毎晩電話やらメールやらしていたわね」 塞「君、本当に豊音に何したのさ」 京太郎「何もしてませんよ」 塞「本当に?」 京太郎「本当に真剣にガチでマジっすよ」 エイスリン「ワルイヤツ、タイテイソウイウ!」 京太郎(誰だよこんな言葉覚えさせた人) 胡桃「よく言ったエイちゃん!」 京太郎(アンタかよ) 京太郎「俺はただ、道に迷ってた姉帯さんを喫茶店まで連れて行っただけっすよ」 京太郎「特に変なことは何もしてません」 塞「まーあの子人懐っこいもんね」 久「そういえば、咲ともすぐに仲良くなってたわね」 胡桃「トヨネの村、若い子がいなかったらしいから友達がいっぱい欲しいんだろうね」 塞「いやーでもウチの高校が仲の良い女子校で良かったよ」 塞「もし共学にでも行って恋愛のゴタゴタで豊音から友達が離れて行ったらすっごく悲しむと思う」 胡桃「ようやく作った友達に裏切られたら辛いだろうね」 京太郎「」ピクッ まこ「そうじゃのう」 エイスリン「トヨネ、ヒキコモリ?」 優希「有り得るじぇ」 京太郎「」ピクッ 京太郎(どどどどどうしよう!) 京太郎(適当に笑って冗談でしたーとか言おうと思ってたけどこれじゃ無理があるじゃあねぇか!) 豊音『ウソ……須賀くん、そんな人だったんだ』 豊音『……泣いてないよー』 豊音『私は大丈夫だよ……っ、須賀くんは原村さんの応援に行ってきて』 豊音『ぐすっ……』 京太郎(アカン) 京太郎「俺!雉打ち行って来ます!」ドヒューン エイスリン「キジウチ?」 久「男子のトイレよ」 エイスリン「Oh!」 エイスリン「キジウチ!キジウチ!キジウチ!」 胡桃「恥ずかしいからやめて!」 京太郎(とりあえず逃げ出してきたけどどうすりゃいいんだよ!) 京太郎(……夏みかんゼリー飲んで落ち着くか)チャリン 豊音「須賀くんだぁー!」ギュゥッ 京太郎「むぎゅぅっ!」 京太郎(背中に柔らかい弾力があるぜェ!) 豊音「須賀くん、忙しいのに応援に来てくれたんだね!」 京太郎「え、いやぁ、そのぉ……まぁ」 豊音「須賀くんが来てくれたんだから私も頑張らないと!」 豊音「ちょー嬉しいよ!」 京太郎「アハハ……アリガトウゴザイマス」 京太郎(言い出せねー!) 豊音「須賀くんは何飲んでるの?」 京太郎「夏みかんゼリーです、これは確か姉帯さんたちと同い年だったと思いますよ」 豊音「へぇー、おいしそうだね!」 京太郎「おいしいっすよ、一口要ります?」スッ 豊音「じゃあ一口だけ……」 豊音(これ飲んだら流石に間接キス……だよね) 豊音(…………)ジーッ 京太郎「さあ、グイッと」 豊音「や……やっぱりやめておくよー」 京太郎「えっ、これ美味しいですよ?」 豊音「そういうことじゃないんだけどー……」カァァ 豊音(これも憧れてたはずなのに……) 豊音(意識すると、ドキドキしちゃうよー) 京太郎「?」 ピンポーン 豊音「じゃあ、頑張ってね須賀くん!」 京太郎「あ……はい」 タッタッ… 京太郎(結局言えなかった……)ズーン 京太郎「やばいよ言いづらいよどうしよう」 京太郎「……部長の所に戻ろう」 京太郎「ただいま戻りました」 まこ「随分と長かったのぅ」 京太郎「姉帯さんと会っちゃいまして……」 まこ「結局誤解されたまんまだったんか」 京太郎「誤解……ってなぜそのことを」 優希「さっきお団子の人が京太郎も頑張ってーってな」 京太郎「あぁ……」 豊音「……」タン 憩「ロン、3900ですーぅ」 豊音「……はい」 豊音(うぅ、集中できない……) 京太郎『一口要ります?』 豊音(間接キスが頭から離れないよー!) 憩(姉帯さん、大丈夫かなぁ?) 豊音(どうして私、あんなに意識しちゃったんだろう) 豊音(須賀くんとすることに……胸がドキドキしちゃって) 豊音(なんでなんだろう……) 憩「ツモ、16000オールですーぅ」 豊音「えっ」 豊音(須賀くんのこと考えすぎて、荒川さんにしてやられちゃった) 豊音(……決勝戦、行けそうにないなー) 豊音(須賀くんに約束したのに……) 豊音「……ぐすっ」 京太郎(まさか宮守の人たち全員に誤解されてるとは……) 京太郎(姉帯さんがトんだのも、俺が変なプレッシャー与えちゃったからかもしんないし) 京太郎(マジどうしよ) 京太郎「はぁ……」 京太郎「はぁ……っ!?」 豊音「ぐすっ……」 京太郎(偶然てすげーなオイ) 豊音「須賀くん……」 京太郎(なんか呼ばれてるし) 京太郎「呼びました……?」 豊音「えっ」ビクッ 京太郎(デジャブを感じる……って、泣いてるじゃねえか) 豊音「須賀くん、どうして――ぐすっ」 京太郎(名前呼んでたってことは、やっぱ俺が関係してるってことなんだよな) 京太郎(……今度こそ、ちゃんと言うんだ) 京太郎「俺、ただの雑用なんすよ」 京太郎「個人戦なんて県予選で初戦敗退でした」 京太郎「ここに来たのはみんなの付き添いで……でも俺には、何もできないから」 京太郎「何もすることが無いから、雑用をしてただけなんですよ」 京太郎「それで姉帯さんに出会って、変な誤解をさせてしまって……」 豊音「全くもってそんなことないよ!」 豊音「勝手に誤解しちゃったのは私の方で、約束したのも、気にしてたのも私だもん!」 京太郎「元はと言えば、俺が姉帯さんの誤解を正さなかったから……」 豊音「もう、それ以上言ったらちょー怒るよ?」 京太郎「うぐっ……それはご勘弁で」 豊音「私は大丈夫なので、須賀くんも気にしなくていいよー」 豊音「須賀くんって、少しネガティブだよね」 京太郎「ネガティブ……」 豊音「でもでも、話してると楽しくて、頼もしくて、ちょーかっこいい」 豊音「私、頑張って来るから須賀くんは応援してくれると嬉しいな」 京太郎「……わかりました」 豊音「うんっ!」 ピンポーン 京太郎「もう行かなくちゃ……遠くからですけど、応援してます」 豊音「……ね、須賀くん」 京太郎「はい?」 豊音「おまじない、手伝ってくれるかな?」 京太郎「え―――――」 京太郎「もう行かなくちゃ……遠くからですけど、応援してます」 豊音(また、胸がドキドキしてるよー) 豊音(……さっきとほとんど同じ) 豊音(……私、須賀くんと離れたくないんだね) 豊音「……ね、須賀くん」 京太郎「はい?」 豊音「おまじない、手伝ってくれるかな?」 豊音(頑張るための、おまじない) 京太郎「え―――――」 豊音(これが、きっと――――) 豊音(恋をするって気持ちなんだねー) 京太郎「―――――っ!?」 豊音「じゃっ、じゃぁ、そういうことだから!」アセアセ 京太郎「え…………」 京太郎(……つまり、そういうことなのか?) 京太郎(そういうこと、なんだよな) 京太郎(……ファーストキス、奪われた) 京太郎(それからの姉帯さんの活躍は凄まじかった) 京太郎(並みいる全国の強豪をちぎっては投げ、またちぎっては投げる) 京太郎(その様相は、人喰いこそはしないもののまさに巨人だった) 京太郎(振り向けば遠ざかっているその背中を喩えて「背向の豊音」と呼ばれるようになった) 差出人:須賀くん 宛先:姉帯豊音 ―――――――――――――――――――――――――― 試合が終わった後で 20XX年8月1X日 ―――――――――――――――――――――――――― 伝えたいことがあるので、読んだら返事ください To 姉帯豊音 From 須賀京太郎 ―――――――――――――――――――――――――― Sub Re 試合が終わった後で ―――――――――――――――――――――――――― いいよー(^O^) どこに行けばいいのかな? 京太郎(そんなわけで二人っきりになったけど) 豊音「……」モジモジ 京太郎「……」 豊音「……」モジモジ 豊音(昼間は誤魔化しちゃったけど、ちゃんと言わないと……) 京太郎「……」 京太郎(こういうのって男の役目だもんな……) 京豊「「あのっ!」」 京太郎「……」 豊音「……」 ざわ…… ざわ…… ざわ…… ざわ…… 京太郎(くッ!) 京太郎(空気が、重い……ッ!) 豊音(須賀くんの表情……私、ダメだったのかな) 豊音(……そうだよね、私みたいなぽっと出のノッポ、略してのっぽ出な娘なんてイヤだよね) 京太郎(ここで怖気づいてどうする須賀京太郎!) 京太郎(姉帯さんの気持ちに応えるんだ!) 京太郎(いやぁ……でもいざ言うとなるとなぁ……) 京太郎(あっ、ソーダ) 京太郎「姉帯さん」 豊音「なっ、なにかな?」 京太郎「目、瞑ってくれませんか?」 豊音「うん……」 京太郎(何も、想いを伝える方法は言葉だけじゃないんだ) 京太郎(……多分、感づかれてるだろうけど) 京太郎(はぁ……つくづく、俺のチキン加減を思い知らされるぜ) 京太郎(麻雀も、恋愛も) 京太郎(焼き鳥だけに) 豊音(これって、よくテレビで見るチューの場面……だよね) 豊音(ということは、ダイジョーブなのかな) 豊音(……でも、何もしてこないよー?) 豊音(ということは、エスケープされたのかなー……)ジワッ 京太郎(なんでまたまた泣き出してんだよ……) 京太郎(まぁ……そういうところも、可愛くて) 京太郎(それで、俺はこの人を好きになったんだ) チュッ 京太郎「えっと、では、改めまして」 京太郎「俺は、貴女のことが……好きです」 豊音「―――うんっ!」 豊音「私も、須賀くんのこと大好きだよー」 某年3月16日 今年のこの日も、俺と姉帯さんは一緒に居た 「須賀くん須賀くん」 「なんだい姉帯くん」 「今年の誕生日プレゼントは何かなー?」 「帰って来てからのお楽しみですよ」 「そっか、ちょー楽しみだよー」 「楽しみにしすぎてプロ初のオープン戦でやらかさないようにしてくださいよ」 「わ、わかってるよー」 「というか、私が大会でいなくて成績がガタ落ちしてた須賀くんには言われたくないかなー」 「それはしょうがないというか……姉帯さんのことが好きなんですもん」 「あー言えばこー言うね、須賀くんは」 「須賀くん、今日もおまじない!」 「よく飽きませんね、ホント」 「心の中が幸せでいっぱいいっぱいになって気持ちいいんだよー」 「いっぱいいっぱいになったらダメでしょうが」 「ありゃ、そうだったねー」 つま先で身長差を埋めて、短く唇を繋げる 大事な試合の前の恒例行事になっているこの行為を終えると、姉帯さんはきまって――― _____ ... ´ ` .、 / \ / \ / l |∨ . ′ / /l | ‘, . | / / / l | ̄∨ | / / /´ / /x=ミ! |. ‘ | / / ≠ミ / /´ , , ,| | ‘ | / l / , ,,,/ / 〉 | | ‘ l / / / / | | | |/ /、_, // v ¬ 八 リ / / / }\/ `ニ゚ / ∨ 「それじゃ、頑張って来るよー」 / / / |/_≧=┬ ...イ l| |. / / / / /_〕 ̄] /l| |. / / / / /---=ニ二\/ / | | / / / / /ニ/ニニニニニニ∨\」 リ / / / / /ニ/二二二二二{ \/ / / / / / /ニニ/二二二二二/\/ /. / l / / /ニニニ{二二二二二/ニニ∨.. / | l /}二二二|二二ニニニニ/ニニニ、 / /| | /ニi二二二|二二二二/二二二} ――――と、笑顔になる その幸せそうな笑顔を見るたびに、俺が生きる意味を実感させられる ああ、俺は姉帯さんの笑顔を見るために生きているのだ、と思ってしまう そして、これからも俺はそのために生きていくんだろうな、とも思ってしまう ――――でも、今日からは少し違う 誕生日プレゼントの内容をまだ知らない姉帯さんを見送った後、 豊音さんとの新しい生活と豊音さんの笑顔を夢見て、俺は今夜の予行演習を始めた カン
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穏乃「今日は二月にしてはいー天気だねー!」 憧「そーね。私も、あんたのそのジャージ姿を見てなかったら、まだあったかいって思える程度にはね」 穏乃「ん~?このジャージは冬用だからあったかいよ?」 憧「見てるこっちが寒いのよ!なんでこの季節に生足出してんのよ、あんたは!それ見て宥姉が気を失ったの忘れたの!?」 穏乃「な、なんだよー、ジャージ差別すんなよー、ジャージはどこにでも着ていける万能服なんだからさー」 憧「んなわけないでしょ!ったく、そんなんだから京太郎にも相手にされないんじゃないの、しずは!?」 穏乃「なっ、こ、ここで京太郎は関係ないでしょ!?」(カァー! 憧「そーやってムキになってる時点でバレバレだっての」 穏乃「ぅ……」 憧「そういえば、もうすぐバレンタインデーだけどどうするの?長野まで行ってチョコ渡すの?」 穏乃「チョ、チョコ渡したいなーとは思ってるけど……長野までいくのはお小遣い足りないし、なんていうか、め、迷惑かもしれないし……」 憧「まー、本州の真ん中から北側までチョコ持ってこられたら、なんていうかイロイロと断りにくいわね」 穏乃「そーいうことして嫌われたらイヤだし……でも、宅配便で送るのもなんだかなーって感じだし……」(ションボリ 憧(しずはしずなりに悩んでるのねー) 憧「じゃあ、バレンタインにチョコ渡すのは諦めるって方向でいいのね」 穏乃「――――それは……」(ベソ… 憧「いや、そこで半泣きになられても困るんだけど」 穏乃「だ、だってしょーがないじゃん、男の子にチョコあげたいなんて思ったの初めてなんだし!」 憧「あの穏乃がね~」 穏乃「な、なんだよー、私だって女の子なんだぞー、バカにすんなよー!」 憧「ハイハイ、拗ねない拗ねない。ったく、しょうがないわね~……」 穏乃「憧、携帯なんて取り出してなにするの……?」 憧「奥手なしずに代わって、私が一肌脱いでやるっつってんのよ――――あ、もしもし京太郎?」 穏乃「」 そしてバレンタイン当日―――― 京太郎「阿知賀子供麻雀クラブの面子で集まって麻雀大会すると聞いて!」(バーン 憧「ああ、それ嘘だから」 京太郎「よくもだましたアアアア!!だましてくれたなアアアアア!!」 憧「ちょっ、なにもそこまでキレることないじゃん!?」 京太郎「憧ォ、テメエは俺を怒らせた……!この罪、どうやって償ってくれるんだ……!?」 憧「ぇ、あ、ゴメンなさい……まさか、ホントにそこまで楽しみにしてるなんて思わなくて……。な、なんでも言うこと聞くから許してよ……」(カタカタ 京太郎「……いや、なんでもとか言うのは止めようぜ。そーいうの言質に取られてなんかヒデーことされたらどうすんだよ」 憧「ひ、酷いことってなにするの……?け、毛虫ぶつけたりするのはナシだからね!?」 京太郎「…………そのままの憧でいればいいと思うぜ、ウン」(ナデナデ 憧「よ、ちょっと、頭撫でないでよ……!」(カーッ 京太郎「いやー、悪ぃ悪ぃ。奈良まで来て麻雀できないのかと思って、つい」 憧「うー、ちょっと見ないうちに麻雀バカに磨きがかかってるわね……」 京太郎「ハハハ!言うほど麻雀バカになっちゃいねーって!」 憧「どーだか」 穏乃「――――――――仲良いね、憧と京太郎って……」 憧「ハッ!?し、しず、これは別にあんたが考えてるようなものじゃないから!」 京太郎「考えてるようなものって、どんなの?」(ナデナデ 憧「あんたは口を挟まなくていいの!っていうか、いつまで頭撫でてんのよ!?」 京太郎「いやー、なんか触り心地良くてつい」 憧「あうぅぅぅー……!?」 穏乃「ヒドイよ……こんなのってないよ……!」 憧「ちょっ、拗ねないでよしず!もうっ、京太郎が悪いんだからね!?」 京太郎「俺ですか!?」 憧「そ、そーに決まってるでしょ!」 京太郎「なんでキレられてんのかわっかんねー……」 憧「ま、まあいいわ、今日あんたを読んだのには訳があるのよ」 京太郎「訳……?」 憧「そーよ。さあしずっ、準備はいーい!?」 穏乃「お、おー!」 京太郎「準備?」 憧「今日の日のための特別イベントよ!」 京太郎「――――で、なんで俺は阿知賀麻雀部の部室でチョコフォンデュを食べてるの?」 憧「今日はバレンタインでしょ。チョコ貰えそうにない京太郎のために、しずがわざわざ用意してあげたのよ!」 穏乃「え、えと、チョコ渡すだけよか、こーやってみんなで楽しめる形にした方が、きょ、京太郎も面倒臭くなくていいかなーて思って……!」 京太郎「面倒臭くなくて、ってどーいう意味だよ……」 穏乃「え?い、いや、だってほら、私みたいなのにチョコ貰っても、こ、困るじゃん、なんかさ……」 京太郎「なんでだよ。チョコ貰って喜ばねー男はいねーっての」 穏乃「ホ、ホント?」 京太郎「当たり前だろ。しかも、穏乃みたいな子が、わざわざチョコ用意してくれてるとか、男冥利に尽きるってもんだぜ?」 穏乃「そ…………そーなんだ、アハ、アハハハ」 憧(ホラ、なにやってんのよっ、京太郎も満更でもなさそーなんだし、ここで勢いに任せてチョコ渡しちゃいなさいよ!) 穏乃(チョ、チョコフォンデュ食べてる状況でチョコなんて渡せるわけないじゃん!チョコにチョコが重なっちゃうでしょ!?) 憧(そこはホラ、チョコの七対子とか対々みたいな感じでさ!) 穏乃(訳がわからないよ!) 京太郎(なんか穏乃と憧が揉めてるなー。にしても……バレンタインのチョコ代わりのチョコフォンデュか、なーんかちょびっとだけ悲しいなー。義理チョコでもいいから、穏乃とか憧から貰いたかったんだけど……) 憧「いいからさっさと渡しなさいよー!」 穏乃「そ、そんな大声で言わないでよ!?恥ずかしいじゃん!」 憧「恥ずかしい恥ずかしいって、あんたの恋路見守ってるこっちの方が恥ずかしいのよー!」 穏乃「こっ、恋路とかじゃないもん!も、もう少し仲良くなりたいなーってだけだし、と、友達として!」 憧「じゃあ、京太郎が誰かと付き合ってもいいんだ!?」 穏乃「そっ、そんなの絶対にヤダ!!」 憧「ホラッ、見たことか!」 穏乃「ちっ、違うもんっ、こ、これは友達が取られるの嫌って意味でのヤダだもん!」(バタバタ 憧「あ~~~っ、もうジレったいなー、この子は……!!」 京太郎「あ、マシュマロにチョコつけて食べるのウマイな……。こっちの苺もなかなか――――」 高鴨穏乃編……カン!